50カラット会議

71号 歯の寿命は50年。超生物50代からはメンテナンスが勝負

2008年10月 発行所 「50カラット会議」

50カラット会議レポート 

71号

会議報告                                                        「歯の寿命は50年。超生物50代からは、メンテナンスが勝負。」

 

動物好きな人が「里山を散歩していると動物が死んでいるのに出会うのね。その動物の歯を見ることがあるけれど、歯はその動物が何を食べてきたか、若いのか年をとったものなのか分るのよ」と話していました。
人間の歯も、重ねてきた年月と暮らしと健康を表しているのでしょうか。 今回ご協力いただいたアンケートでも、「50-60代になって、歯を意識し始めた」という方は全体の3/4を占めました。
白髪、老眼も同時進行ですが、歯は、「美味しく食べる」道具としても、若々しい口元ポイントとしても、大いに気になるテーマだということが分りました。人間の歯の寿命は、50年前後だそうです。生物としての体の機能も50年。
つまり、50代からは「超生物」として、いかに生きるかということになるのです。歯医者さんも言います。「一度完治させたら、二度と悪くしない決意で、メンテナンス習慣を励行するしかありません!」。

蛇の道はヘビに聞くシリーズ71

「ずっと美味しく食べ続けたい」「キレイな口元は白い歯でしょ」「とはいっても、人間の歯の寿命は50年。生物としての寿命を超えて生きる50代は、なくなろうとする歯との戦いをすることになるのね・・」と集まってくださったのは5人の方々。コピーライター今渕恵子さん、ファッションコーディネーター宇佐美恵子さん、歯学博士・料理研究家田沼敦子さん、ライター中島さなえさん、医療ジャーナリスト安井積子さんです。

目次

目次
1. 歯の寿命は50年前後。体の寿命より短い。超生物50代からの歯力は、メンテナンスにかかっている。
2. きれいな歯は、切実な願望です。健康的で、菩閃しくて、知性的で・・と、目標です。
3. 更年期以降、唾液の分泌量は減少する。 歯や□腔に、菌を繁殖し易くするらしい。
4. 歯磨き励行に勝るものなし。歯を守る決意なら、ます現状認識から。
5. どんな高級な総入れ歯も、噛む力は1/3。歯根膜が無い入れ歯は、味も伝わり難い。

1.歯の寿命は50年前後。体の寿命より短い。超生物50代からの歯力は、メンテナンスにかかっている。

歯は人間の最も原始的な部分の1つ。けれど、人間の知力と努力で、歯は知性と文化の指標ともいわれている。

●動物も人間も、歯を見れば年齢が分かる。
江戸時代の50代には、歯がなかった人が多い。野生の動物は歯を見れば生態も生きた年数が分るという。「歯に歴史あり」です。

●歯には、自分の暮らしがすべて出てしまう。
子育て中の自分の体管理は二の次だった。夜中まで働く仕事での不規則生活では、歯磨きもせず眠ってしまったと、今更ながら悔やむことも多い。

●治療完治したらその状態を守り抜くこと!
歯は骨と違って、修復再生は不可能。再三の治療は、歯を削り失くしていくこと。一度治療完治したら、もう悪くしない決意が必要です。

自分の歯には宝石以上の価値がある!

歯の大切さは、はれたり痛んだりした時に食べたいものも食べられなかった無念さだけでなく、入れ歯になった親たちの味への不満、真っ白な歯で笑う若い清々しさに出会うたびに、深く実感するのです。
歯の強さ弱さには多分に「生まれつき」の要素もありますが、それにしても50代からは、手入れ次第で、歯の寿命に差がでてきます。
虫歯、歯周病はもちろん、なぜかすき間が出来、歯並びが悪くなり、歯の色も黄ばんで、治療というより予防衛生を定期的に受けたいという気持ちが強まる昨今です。「治療に25万円かかったのよ。指輪が買えたのに!」と嘆いた人がいたそうですが、「25万円の指輪では、ものは食べられない」のです。
それなりの治療をすれば、治療費もかさみますが、そんな治療費をかけないためにも、歯を守る習慣が大切ということ。
21世紀は再生医療の時代とはいわれるものの、噛む力と食感の源である歯根膜が再生できたらノーベル賞ものだそうです。
というわけで、知力と努力で乗り切るしかありません。

人それぞれに歯の歴史

□抜いた歯への喪失感は大きい。
「定年の卒業記念にやっぱり1本抜けましたね。60オちょっとの頃かな。上の一番奥の上の歯。歯医者さんが『抜いたままでいいよ』というのでそのままになっていますが、ほんとうは抜かなく て済んだと思いますよ。早くに歯医者に行っていれば、抜かなくて済んだはず。惜しいことをしたと思うんです。歯を抜くというのはすごく喪失感があるのね。ああそこまできたか、みたいなね。以来、あちこち抜かれたらかなわん、という必死の思いで、歯をメンテナンスしています」。

□幼少時から、ずっと薗はコンブレックスです。
「子供の頃から、柔らかいパンとか甘いケーキとかチョコレートとか食べて、甘やかされ放題だった。そういう幼少期を送ってしまって、本当に悲惨。まだ反省がない時代だったと思うんですよ。気付いたときには、全部みそっぱで、しかもアゴが小さくて、発達してない。元々、出っ歯系の家系でして、上の歯が小さな顎に押されて、歯が出てきてしまう。下の歯は4本抜いたかな。アゴが小さくて歯が生えきれないから。というわけで、ずっとコンプレックス抱えています」。

□こうして失散したということは、山ほどあります。
「夜中まで仕事をしていて、どうしても食べてしまい、そのまま気がついたら寝ていて朝になっていたということが度重なって。歯のメンテナンスどころじゃない時期がありました、慌てたときは、もう遅かったですね」
「私は高齢出産だったから、38オで子供を産み終わって、必死の何年間かが過んだあとに歯周病がひどくなって、ガタガタになりました。30、40代になると、虫歯があまり進行しなくなるじゃないですか。ところが、子供を産んだあとに歯周病が一気に悪化して、歯がガタガタになった」
「そういえばそう。子供を産んでからだ。あれは20代じゃないわ。結婚して子供を産んでからだ!」
「その時期は女性ホルモンの分泌が盛んなので、歯周病になり易いんですって・・」
「妊婦の歯の健康診断があるんだけど、そのときに7、8割りの人が歯周病といわれるんです。でも、自分で気づかない。子供におっぱいやりながら寝ちゃったりとか。それを機に悪くなる人が多いんです。私は40代だったな」
「昔、妊産婦雑誌を取材していた頃、妊娠するとカルシウムがという話がまだ語られていました。けれど最近は、メンテナンスの問題で、時間がなくて歯磨きもいい加減、歯医者にも行かないということが原因だと言われるようになってきた。ほんとうに、子育てでワーツと忙しいのが一段落すると、自分の歯が悪くなっているのに気づくんですね」
「50代の人の年代では、妊娠出産のときに自分の歯をメンテナンスするという風潮にはなっていなかったと思う。そこでいっぺんやられちゃっていて。それが50代でやっと気づくのね」

□歯の年齢は、人間の年齢よりも旱いんです。
「歯の寿命は50年です。歯が大切だと気づくのは、その時期なんです」
「この間、歯だの目だの本当にお金がかかると先生にいったら、ボディは100歳くらいまでもつけれど、歯はだいたい50年だと思った方がいいよって言われました。部品はもたないって」
「要するに、メモリーの中に50オぐらいまでしかないのよ。腸内細菌も、50オちょっとくらいまでは善玉菌優性なんだけど、あるところから悪玉菌が優性になる。何もしなければね」
「免疫と同じじゃないの」。50代になったら「超生物」としての知恵と努力が必要ということです。

2.きれいな歯は、切実な願望です。健康的で、若々しくて、知性的で・・と、目標です。

歯ひとつで見た目をあきらめるわけにはいきません!そこで、対策の第一ステップは自分の歯の現状を知ることです。

●歯並び口元に自信があると人前で積極的になれる。
「歯に自信がない時は、口元に目がいかないように、口紅をつけなかった」「歯が抜けていると老けて見えるし、治療中はマスクを離しません」脱口元コンプレックスは願望です。

●真っ白くピカピカの歯は、若々しさの記号です。
歳を取ると歯のエナメル質がなくなるので黄ばむのは仕方ないのですが、やっぱり輝く白い歯は望みです。
芸能人の真っ白ピカピカには違和感があるものの、「白い歯っていいな!」。

●歯並びのよさからは、知性がただよいます。
「歯や口腔をきれいにしている人からは生活文化を感じる。太って、歯が汚くて口臭があるなんて最低!」と叫ばせるほど、歯は知性の指標になりました。これも50代の危機から生れた願望です。

50代になると、歯はどうなるのか?

アンケートでは「自分の歯はきれいだと思う」自信がある人は8%。「不安なので努力中」56%です。
すきまが出来た、黄ばんできた、汚れや口臭が気になる・・と、不安の中味はそれぞれですが、毎朝洗面台の鏡に向って確認しています。
その上、疲れれば歯がうずく、歯茎がはれるという体験をする始末。今のうちに手を打たないと歯を失うことになるのではという怖れも感じています。
「虫歯ができる場所も、若い時とは違うのよ。若い時は歯と歯の間が多いけれど50代を過ぎると、歯の根元部分が多くなる。歯茎が後退したりで、過去の治療 で被せた歯の根元にすきまが出来たりするからね」と言われると、一同身に覚えがありました。歯は骨と違って回復再生はしないのですが、「歯周病は、歯そのものではなく、歯を支える土台を壊したり、アゴの骨を溶かしたりする病気」。予防衛生の傍ら、骨を丈夫にする食生活は必須のようです。

「白い歯」「きれいな息」

□輝く白さは、美しさと健康の記号ですから・・
「やっぱり歯が黄ばむと、顔の印象が汚くなる。でも、あんまり年をとって歯を白くしてもダメなの。白目も年をとると白くなくなってくるでしょう。歯と白目は同じくらいというのが一応の基準だといいますよ」
「もともと、日本人は欧米人と違って色の白さがまるで違うんですよね。皮膚も歯も黄色っぽい。欧米人のホワイト信仰は、真っ白じゃなければいけない。誰が見てもピーカン白、みたいな感じだけど、ハリウッド女優の白さを求めても、所詮肌と歯の色が合わないんです」
「白さというのは、美しさと健康の記号なわけだよね、きっと。肌が白くて美しいのも、歯が白くて美しいのも、つきつめれば若くて子供が産める有望なメスであるという記号だったわけだから」「歯が汚いと、貧相、貧乏というか·・。やっぱり恥ずかしい」
「今どき、太っていて歯が汚くて、口臭がひどくて、タバコを吸っているというともうダメ。皆すごくそういうこと気にしているよね」
「アメリカ型の真っ白で揃った歯に憧れる?」「それはやっぱり芸能人のようになりたいというのがあるんじゃないですかね」
「それと、ステイタスになってきているんじゃないかしらね。文化レベルが高くなったということ」
「私、産婦人科に行くより歯医者に行くほうが恥ずかしい。すべて見られる気がするもの。自分のカルチャーレベル、生活レベル`健康状態、すべて見られている」「いえる、いえる」「口を開けるというのが、すべてを見せることになるようで。だから、体調が悪いときに歯医者に行くのは嫌。歯はやっぱり美の基本よ。明眸皓歯、明るい瞳に白い歯の美人!」

□一番最初に見るのは目と歯の三角の部分だから。                                                                  「一般的に、第一印象で相手のどこを見るかというと、目と目と歯を合わせた三角形、相手の口元を見るというアンケート調査結果があります」
「目は口ほどにモノをいう、でなくて口は目ほどにモノをいうのよ」「歯を抜いたままにしておくと、40代でも貧相に老けて見える」
「公衆衛生の意識が高くなって、朝シャンが増えた頃から、歯に意識を持つようになってきたと思う。口の中は見えないから、そこにお金をかけるということは、ある程度レベルが高くないと無理だと思うんですよね。その価値を実感し始めたのが、50代60代ですね」
「実際には、キレイな歯でありたいと同時に見た目が悪いと虫歯にもなりやすい、という切実な意識もあるようです」

□口臭は公害です。                                                                         「欧米人なんかはエチケットだと思っているけど、そういうバックグランドがないから、衛生観念が低い男性多いですよね。あれは公害よね」
「外食して外で歯を磨くのなんか、ここ十年のことですよ。男の人が歯を磨くなんて、ここ数年のことですよ。男性も会社で歯磨きをする人が出てきましたよね。習慣になってきた」
「一時よりだいぶ男の人も意識するようになってきたというけれど、電車の中なんてすごい。私は毎週金曜日に、中央本線あずさで八ヶ岳に帰るけれど、換気も悪いし、マスクは必需品です」「お芝居を見に行った時に、隣りで笑うじゃない。その度に臭くて、勘弁してよ!と思っちゃった」。

3.更年期以降、唾液の分泌量は減少する。 歯や口腔に、菌を繁殖し易くするらしい。

唾液の力、見直します!
唾液は、抗菌自浄作用があるんです。その上、歯のカルシウムを作る、歯の再石灰化を助けるのだそう。

唾液を出す工夫①硬いものをしっかり噛む。酸っぱいものを食べる。
エストロゲンが減ってくると、唾液も出にくくなるのです。唾液が少なくなるのも、歯周病の原因の1つ。ドライマウスにならないよう気をつけたいですね。

唾液を出す工夫②オシャベリをする。
私たちの得意技が唾液の分泌をよくしてくれるのです。オシャベリは、口輪筋を鍛えポカンと口を開けない口元 を作ってくれるというわけ。ひとりの時なら、ガムや昆布を噛むのもお勧めです。

疇濠を出す工夫③リラックスする。
緊張すると、口の中が乾きますが、リラックスしていると唾液の出もよく、口の中は潤うそうです。ストレスで体調を崩すと歯が痛んだりしますがそんな時も休養が第一。潤い生活って、基本ですね。

「噛む噛む」の勧め

歯の健康は、体調の良い体、丈夫な骨あってのこと。
何でもしっかり噛んで食べられる歯は、何でもバランスよく食べられる元気な体や歯を支えるアゴの骨のおかげなのです。
唾液の分泌が少なくなったのなら、唾液が出やすくなる食生活を心がければいい。
歯科医で料理研究家でもある田沼敦子さんは、「噛む回数は、食べものによって明らかにかわります。そこで噛みごたえ度の高い料理を食べることをおすすめ。自然に噛む回数が増えるように工夫する料理を、噛むかむクッキング」として提唱し続けています。
噛めば、唾液も出てきます。味は唾液に溶け込んで初めて分るもの。噛み応えのある食べ物は、噛めば噛むほど味が出るというわけです。
ついでながら、噛むことは脳の血流もよくしますし、口の周りの筋肉やアゴの力も強くします。
ちなみにアンケートでは、「よく噛むよう心がけている」方は42%でした。

唾液の分泌をよくし、口元の筋肉を鍛えましょう

唾液の効能。
「30回以上噛みなさい、というのは理由があって、30回以上噛むと発ガン物質の発ガン作用がが消えたという調査があるのです。学生に同志社大学の西岡教授が実験させたのです。発ガンには食品添加物がおかしいんじゃないかということをきっかけに実験していったら、なんと唾液にガンを抑える力が非常にあるというのがわかったというのです」
「唾液は絶えず口の中を流れているんですけど、夜寝ているときには唾液が出ないじゃないですか。出ない間に、虫歯の歯周病もどんどん進んでいくんですね。唾液が出すことが大事。入れ歯を入れたりすると、異物が口に入ることによって、唾液は出にくくなる。異物で噛むからよけいに唾液が出にくい。唾液はどんどん出す必要があるんです」
「唾液のことでいうと、更年期がとても関係していると言われています。エストロゲンが粘膜に関係していて、肌が乾燥してくるのもそう。水分がなくなってくる。要するに枯れるんですよね。そうすると歯の問題にも関係してくる。口の中に菌が増え易い状態になるのですね」

□唾液を出すためにも、噛む習慣を。
「普通にしているときの安静時には、噛んでないから、1日に何十分も噛んでないんです。唾液をどうやって出すかというと、硬いものを食べるとか、両方の歯で噛むとか。唾液は口腔内自浄作用といって、キレイにする働きがある。食物繊維の多いものを噛むと、表面もキレイにします」
「噛まないから唾液も出ない。唾液は噛めば噛むほど出ます。唾液が出ることによって消化されやすく、吸収されやすくなる。飲み物だとか口に入れるとすぐ溶けちゃう食べものだと、唾液が出る必要がないんですよ。しっかり噛む食べ物が必要なんです」

□口呼吸するようになると、ドライマウスになるし、口角も下がります。
「私の通う歯医者さんは、パタカラというのをやっていて、口輪筋を鍛えるようにと言います。
50代になると、口輪筋が弱くなってきて、歯のすきまがあいてくる。口の周りの押さえる筋肉が弱くなってくるので鍛えなくちゃいけない。パタカラは、そもそもはリハビリ器具なんです。
プラスチックの器具なんですけど、歯ぐきと歯の間だに挟んで鍛える。1日朝晩、3分から5分やるんです。
その結果、アゴのラインがほっそりしてすっきり、唇がマッチョになった人もいます。
歯医者さんは、口の周りの筋肉を鍛えなさいというんですけど、それというのも、歳を取ってくるとだんだん口を開いている時間が長くなるんですよね。口呼吸している。寝ているときもそうだし。そうすると口の中が乾いてドライマウスになって、虫歯になるんですよね」

□虫歯も歯周病、どっちも最近の感染症です。清潔一番です!
「虫歯も歯周病も、どっちも細菌の感染症。日和見感染。日によって違うんです。だから治療することによって落着いてくる。体調によって、症状や状態がとっても変わるものなんです」
「体力がなくなってくると歯が痛くなるのはそういうこと・・。体が元気な人は、虫歯にもなりにくいということですか?」
「体力が落ちていると、唾液ができにくくなる。夜、唾液が出にくいとか、薬の副作用で唾液が出にくくなったりするので、それも要注意ですね」

4.歯磨き励行に勝るものなし。歯を守る決意なら、ます現状認識から。

まめに定期健診や清掃を受けている人も結局は「歯磨き」が自分の歯を守る決定打です

●思えば、出産子育て中は自分の歯なんて二の次だった
出産でカルシウムが減るからというのは迷信。その時期は女性ホルモンの分泌が多い時だから歯周病になり易い。子育て中は、食後の歯磨きも歯医者通いの時間もなかったと振り返る。

●せっせと歯磨きするものの磨き方は自己流。これでいいのかな?
よく磨いたはずが、歯科医は「磨けていませんね」と言う。電動歯ブラシ、ウォーターピック、タフトブラシ、リンス剤等、いろいろお試し中。

●磨ききれない、取りきれない。歯垢歯石の清掃は専門家にお任せ。
虫歯、歯槽膿漏にならないためにも、清掃メンテナンスは定期的に必要になった。治療が終っても、滅多に定期健診の勧めは受けないけれど。

歯医者さん、ここのところよろしく!

みんなの「ひどい歯医者さん体験」を聞いて、苦笑の田沼敦子さんでしたが、
「いい歯医者さんや歯科衛生士さんにめぐり合うまでは、美容院めぐりのように根気よく探してください」とのことでした。恐る恐る上った診察台で、口を開けたとたん「こりゃひどい!」と言われて、辛い時間を過ごした人。有無を言わせず「抜くつきゃない」と言われたり、治療の結果かみ合わせが狂った人もいて、「歯は暮らしの鏡だと分っているから、恥を忍んで行くのに、なかなか理想の歯医者さんに出会えない」のが現状です。歯が痛ければ歯医者さんに飛んでいきますが、超生物50代からの食生活とみためへのこだわりが懸かっている「歯医者さんとのおつき合い」となると、歯と口腔衛生目標に、月に1度はお訪ねすることになります。
不細工でも可愛いのが、自分の歯。よろしくお願いいたします!

歯医者さん体験いろいろ。

□転々としました。
「私は放浪癖があって、家を転々とする。結婚したり離婚したり、家が変わるから、その都度、歯医者さんも変わっちゃった。その上、すごく忙しいから、近くの歯医者さんに行くようになる。
いろんな歯医者さんでかぶせてもらったものだから、どんどん片側の歯が低くなっていっちゃった。かぶせるときに噛みあわせが低くなっていっちゃったんです。気がついたときには、右と左で高さが違って、顔が曲がっちゃった。
噛み合わせが悪くなって、朝起きたら、顔が歪んでいて。靴の裏の減り方が、右と左でまったく違うという状況になってしまいました。
子供を産んだあと、40代ちょっとで手入れが悪くなり、歯周病がひどくなったときがあって、歯医者さんにかかったときに、『これはひどい』って!
それから、それまでにかぷせた歯を全部はがし…。丸3年くらいかかったかな。

□歯医者さん、嫌いでした。
「私が歯医者を嫌いになった理由は、子供の頃にちょっと虫歯だと連れていかれて、それが原因で歯医者さんが大嫌いになりました。親の手から離れた思春期からは、歯医者に行かなくなってしまったの。私、こんなに気の強い女なのに、あの歯医者のがーッという音で失神したことがある。ほんとに歯医者さんがだめだったんです。
けれど、30代前半にある歯医者さんと出会ってから、ずっとそこの歯医者さんです。健康診断みたいに、1ヶ月に1回は行って全部歯垢をとっていただいて、チェックをしてもらっています。
虫歯ということではないのですが、右の方が減っちゃって顔が歪んできたので、長年かけて治してもらって。最近では、虫歯ではないほかのことで歯医者さんにかかっています」

◇ 不信
「20代後半にちょっとした歯の付け根に茶色いしみがあって、歯医者さんに行ったら、『差し歯にしたらキレイになるよ』といわれて差し歯にしたのが運のつき。その差し歯2本が、奥まできちんとメンテナンスしてなかったものだから、その後膿んじゃって、歯の奥の方に膿がたまって顔が腫れました。それを切開手術したけれど、麻酔が効かなかった。歯の奥の方で軟骨を削らなければいけなくて、トンカチとか用意されて。もう、どうなるのという感じで。あれが不幸の始まり。それから歯があちこち何か起って。手術した歯も、2回くらい腫れて手術しました。私の歯は早くからダメになっていますからね。特に50代になってからではないですね」

□歯医者さんとの本格的お付き合いは、これからです。
「50代を迎えると、歯への出費は急にかかるようになるのよ。食費の倍くらいはかかると思う。たぶんビジネスチャンスも、医とか美とか健康というところにあるんだと思う」
「でも、だからこそ、いいお医者さんかどうか知りたいですね。どんな治療法が得意なのかも知りたい。そういうアピールはないし、外見からはわからない。技術の差も知りたいですね」
「それは難しい。ロコミが一番確かかもしれませんよ。心臓の手術や脳外科と一緒で」「おいしもののロコミと同じね。苦労している人だと教えてもらえるかな」「治療の方法も仕上がり状態のランクもどんどん進歩しているけれど、お金さえ出せばどこまでもいけるということみたい。でも、50代からの治療は、投資というより維持管理。
治療して、定期健診に精出して、自分の歯を守る努力の二人三脚。よろしくお願いいたします!

5.どんな高級な総入れ歯も、噛む力は自分の歯の1/3。入れ歯には歯根膜が無いので、味も伝わり難い。

歯磨きも大切ですが、基本は「健康」です。きちんとバランスよく食べて、よく動き、よく眠ること。

●入れ歯で苦労している親たちを見てきました。
どんな立派な総入れ歯でも、自分の歯にはかなわない。口に合わなくなる、噛みにくい、手間がかかる、味が分りにくい・・
自分の歯を残すぞ!

●歯は、歯根膜でハンモックのように吊られている。
入れ歯にはこの膜がない。テクスチャーや食感などは、歯根膜を通って神経に流れていくのです。この膜が無い入れ歯やインプラントでは、味は伝わり難くなります。美味しく食べたければ、自分の歯を大切に。

●21世紀は再生医療の時代といわれますが…                                                             再生がテーマの時代とはいうものの、歯根膜の再生が可能になったら、ノーベル賞ものだそうです。自分の歯は失ったらお終い。自分の歯ならではの美味しい生活を守りたいですね。

50代からは「超生物」なんです。天から与えられた歯の寿命は終りました、
いまからは努力次第。「8020」に挑戦です

まずは遅ればせながら、自分の歯と口腔がどんな状態なのかはっきりと知る、次に必要な治療を受ける。
治療が完治するまでに、完治したら金輪際悪くしない決意で、衛生習慣を徹底習得する。これがステップです。と同時に、食生活を見直します。
一生必要量は変わらないといわれるたんぱく質、丈夫な骨のためのカルシウムビタミンやマグネシウムを含む食品も、しっかりバランスよく食べます。
噛み応えのある食品にも積極的になり、よく噛む食事を心がけます。
80歳まで20本の歯を残す「8020」目標は、もはや危なくても、それでも、これ以上は失わない決意です。知恵と努力と専門家の技術があるのだもの、きっと大丈夫。

歯科医・田沼敦子さんからのアドバイス

□治療して完治したら、もう決して悪くしないこと。
「小さな虫歯を治療して詰めてダメになって金属の小さいものをいれて、それがダメになって、被せて、またダメになって抜いて。それでブリッジがインプラントか入れ歯になるというサイクルになる。それが典型的な日本人の虫歯治療なのです。
詰めていたものが取れてしまい、そこが虫歯になってやり直しをするということが非常に多い。現実はそうなんですが、私が思うには、お金をかけて治療して治して、やれやれとそこでお終 いになっちゃう人が多いんですね。やり直しをすればするほど、ご自分の歯がなくなってしまうということを認識していただきたいですね」

□自分の歯を残す努力の大切さ。
「歯を抜いたあとで、入れ歯を入れたり、ブリッジにするのは、治療の方法としてはすごくいいと思うのですが、歯の根の周りには歯根膜というものがあるんです。この役目に注目してください。歯根膜があるから、何かを食べたときに、衝撃が直接伝わらないようになっています。 歯というのは、宙ぶらりんな状態でハンモックのようになっているんです。歯槽骨に直接埋まっているのではなくて。ご飯を食べたときに石が入っていたとしますよね。噛んだときにガキッとしますよね。実はそれでも、膜があるおかげで、スゴイ衝撃を避けている。力を入れて噛むとき歯をくいしばるときにも、膜があるおかげで、ぐっと食いしばることができるのです。
膜のおかげで普通の場合には、体重と同じくらいの力がかかっても大丈夫。瞬間的には200kgの重さにも耐えられるくらいの構造になっているのです。
更に、テクスチャーといわれる食感的なものは、膜を通って神経とか歯に流れてゆくので、歯を抜いてしまうと、その膜がないので伝わり難くなります。
だから、入れ歯にしてもインプラントにしても、歯根膜がないので、食べた感じが何となく歯触りが悪いとか、分かりにくいとか、伝わりにくいのです。だから、極力歯は抜かないほうがいい。どんなにできのよい総入れ歯を優秀な先生が作っても、ご自分の歯で食べていたときの3割くらいしか噛めないものだ、といいますから、自分の歯を大事にしたいと思います」

◇ 8020運動。
「親不知を含めて28本から32本ある歯を、80歳まで20本まで残す。
何でも好きなものが食べられて、快適な生活ができる歯の数を統計とったら、20本だったのです。20年前の当初は、8004とか、8006。80オで4本とか6本しかなかったのですが、今は 2割が達成しつつある程度。
今、20本ない人は自分はもうお終いじゃないかと思われるでしょうけれど、入れ歯を入れて今の歯を生かそうという方向です。1本でも自分の歯が残っていると、噛みかたを、頭が覚えているんですね。1本か2本自分の歯が残っていると、脳が指令を出してこうやって噛め、と教えるのです。1本あることがすごく大事。特に、糸切り歯がポイント。糸切り歯は、遅くに生えてくるし、根っこが長いので大事なのです」

□歯磨きの道具。
「個人にあったブラッシングの方法を、歯医者さんと相談するのがいいと思います。歯間ブラシは入る人も入らない人もいます。電動歯ブラシは、もともと手の不自由な人用にできたもの。普通の歯ブラシのようにガーッとと強くかけると歯を磨耗させてしまいかねません。そっと当てるようにが使い方のポイント。ウォーターピックは、被せた歯の根元などもきれいにして効果的です」

TOP