2002年8月 発行所 「50カラット会議」
50カラット会議レポート
28号
下着
体のコンディションを助け、気持ちと時間を上質にしてくれる下着を求めます。
つい先ごろまでは、デザイン本位で下着を選んできました。それが最近、「3サイズは変わらないのに、ブラジャーの着け心地が悪い」 「締めつけられる気がして、家ではノーブラ」という声が聞こえます。確かに、3サイズの間に付いた脂肪は、サイズだけで選んだ下着がフィットしにくくなった原因を示しています。けれど、キレイな下着は、みんな大好き。
百貨店の下着コーナーでは、アンダーバスト65のディスプレー商品を横目に、「アバウトなのよね」と言われる外国製のフィット感にひかれたりするの
も、50代です。肌の一部のように着けたい下着です。素材も気になりだしました。 自分に気合を入れて選んだり、TPOでの使い分けも始まりました。
蛇の道はヘビに聞くシリーズ㉖
参加してくださったのは、下着選びは10代から楽しみでしたというマーケットコーディネーターの阿比留みど里さん、上野のアメ横に輸入下着を探しに行った思い出もあるデザイナー塩沢圭子さんとイベントプランナー佐藤千恵子さん。イタリア暮らしで下着の素材に目覚めた建築家小林裕美子さん、着物や洋服の着映えは下着からとおっしゃる装丁家の林佳恵さん、下着のブティック歴29年の勝俣淳子さんです。
目次
1.着けているのを忘れるくらいの皮膚感覚なのに、 体と気持ちをすっきり整えてくれるのが理想の下着です。
2.上質な下着を着けて暮らしたい。 上質な下着は、暮らしを楽しくしてくれます。
3.体がアバウトになりました。 サイズだけで選ぶと、フィットしにくくなりました。
4.日頃の心がけは、清潔感あるおしゃれ。 温泉、はたまた不測の救急車でもあわてないように。
5.下着には、体と気持ちと外見を美しくする力があります。
1.着けているのを忘れるくらいの皮膚感覚なのに体と気持ちをすっきり整えてくれるのが理想の下着です。
ふだんの下着は、締めつけないのがいい。3サイズは変わらなくても、体型が変わったから、サイズとデザインだけでの下着選びは
うまくいかない。
〇上げたり、寄せたりはドレスアップの時だけ。40代までは、体を下着の型にはめていた。上げたり、寄せたり。
〇肌を圧迫したり、刺激しない下着がいい。体をケアする下着、体のコンディションを快く保つ下着に注目する。
〇下着もTPOで使い分けたい。家で寛ぐ時は、ノーブラ。いつもは、おしゃれ心と清潔感デザインで気持ちも清々しく整えたい。
合わない下着を前に考えます。捨てようかな、やせようかな。
下着は正直です。なんとか3サイズを保っていると思っていたのに、ブラジャーもショーツもどこかおさまりが悪い気がします。
売り場で、姿勢正しくして合わせた下着なのに、体を動かしているうちに、胸のまわりに圧迫感が出たりします。アンダーバストとトップのサイズ、それにカップの形も選んでもらったのに、これはどうしたことでしょうか。
「50代の体は、3サイズが変わらなくても、その間についた脂肪や筋肉のたるみで、体型は変わっている」という指摘があります。フィット感の悪いブラジャーは、イライラのもと。捨ててしまいましょうか。かと思えば、「筋力のある胸、たるみのないお腹やお尻になれば、どんな下着も思いのまま」という言葉を思い出します。下着をキレイにフィットさせたければ、筋肉を鍛えることが必要なのでしょう。
捨てようかな、痩せようかな。考え中です。
私たちの「下着今昔ものがたり」
□ 中学生で、フランスのブランド「ルゥ」に憧れました。
子供の頃、バレエをやっていて、ブルマーには縁がなかったという阿比留みど里さんは今も、「小さくて、可愛いのが大好き」です。 皮膚感覚で、着けているかいないか分からない下着が好きという人が多い中で、「しっかり着けているというフィット感が好き」なのも、手のひらに納まる小ささにこだわる阿比留さんならではです。それなのに、「下着からはみ出る体型になってきたのが、ほんとうに辛い!」。 「背中に1本線がはいっているような背中でいたい。キュッと締めたブラジャーをして背筋を伸ばして、気持ちを高揚させて暮らしたいと思っているのに」と嘆きます。
□ ローライズのジーンズをはけるお腹とお尻でいたい。 「50歳を過ぎてから、ブラジャーをしない時が増えました。気持ちいいブラジャーに出会わなければ、ノーブラでいいかなって思ってる」と言うのは、ファッションショーなどのイベントプロデューサー佐藤千恵子さんです。けれど、おしゃれな佐藤さんのこと。ノーブラ時にはこれという洋服の着方があって ただ楽を決め込んだという様子ではありません。何しろ、ヒップハンガーのローライズのジーンズをはきたいという方なのです。しかし、ブラジャーに関しては、サイズ至上主義的な売り方に納得できずにいます。
□ 「アバウトなイタリア製」が好き。
20~30代をイタリアで過ごした建築家の小林裕美子さんは、「はっきり言って、透けて見えなければいい位で、合えばいいという選び方をしてきました」と笑います。パットはなし、コットン1枚とかでさっぱりしたのもあるし、レースがキレイだなぁと買ったのもあるのですが、イタリアでは、下着も服も、サイズはアバウトなのだとか。着けてみて、よさそうと選んだものばかりだそうです。イタリアものの優秀さは「素材」。木綿も、その糸の繊細さで、肌触りは最高だそうです。厳冬のイタリアでは、インナーシャツは欠かせず、これまた、服の上からは着ていることを悟られない薄さなのに、ラクダのシャツ並みの暖かさだそうです。
□ アメ横に通ったり、銀座の輸入ものブティックで「キレイ」開眼。
アートディレクターの塩沢圭子さんは、下着に気を遣って初めて、おしゃれを完結させられると考えてきました。 「パンツスタイルの時は、線が出ないようにショーツを選びます。ウエストラインにゴム部分がだぶらないように、ショーツははかずに、パンストにナプキンということもやりましたね。セーターの下には、薄いシルクのシンプルなシャツ。それも、ざっくりしたセーターの時に風を通さないように着るという限定付きでした」という徹底ぶりです。 ブラジャーとショーツは、輸入品がほとんどだそう。20代の頃から、キレイな下着の心地よさを求めて、アメ横に通ったり、銀座のブティックをまわっていたそうです。「繊細なレースものは、高価だけれど、ていねいに扱えば持つのよ」とニッコリです。
2.上質な下着を着けて暮らしたい。上質な下着は、暮らしを楽しくしてくれます。
上質の究極は、フィット感。 形をキレイに見せることに一生懸命すぎる商品より 着ける楽しさ第一の商品に巡り会いたい。
10代の頃から、下着は女性の気分転換に役立ってきました。下着は、恋をしたり、自分を励ましたりする時の気持ちを楽しむ道具だった。
キレイな色、デザインは、体と気持ちを安らがせてくれます。色やレースの使い方で、バリエーションを楽しむ。気分や服に合わせ、ブラジャーとショーツのセットを用意したい。
素材と機能性で、TPOを使分けたい。気分本位、実用本位が基本2分類。汗して働く、運動する時素材性・機能性に少しのおしゃれ+が中々ない。
下着といえば、レース使い。レースのパターンとデザインで、可愛くもなり、落ち着きも出る。
無地とレースのバランス一つで、下着は変身するのです。 凛々しくもなり、キュートにもなり、セクシーにもなるポイントが、レース使いだといわれています。もちろん、レースなしの生地ものも使い分けている方々ですが、「キレイなのよ」と人にも見せたい下着は、レースの使い方にポイントがあるようです。 「下着情報は、映画から」の年代です。ガーターベルトの付け方は、「嘆きのテレーズ」で垣間見ました。ブラジャーはもちろん、肌に直接着けるナイトウエアのエレガンスも、映画の中で覚えました。そんな下着たちは、着ている女性たちをなんと美しくしていたことでしょうか。
年を重ねた人の方が、レースの繊細さをキレイにまとっていたようにも思えて、夢は広がります。「海外旅行は、下着を仕入れるチャンスなのよね」。そうだったのか!
下着の楽しみ
□外国の下着は、繊細です。
高校生時代に、アメ横で「ランコム」を買ったという塩沢圭子さんと佐藤千恵子さんは、今も外国製品が中心です。 「パンフレットを見ても、写真が語りかけてくるものがありますよね」と、下着文化の違いを実感しています。日本のメーカー製品には、「パットを入れて、大きく見せるとかが先行して、サイズにこだわり過ぎている。胸だけで生きてるわけじゃないんですよ」と苦言です。
アートディレクターの塩沢さんが外国製品好きなのには、もう1つ理由があります。 「トリンプの海外ものはよかったですよ。デザインも違うけれど、やっぱりピッタリ感が違う。体を包む感じなのね。私は、中学生くらいから裸婦を描いているのだけれど、なんと言っても人間の体の線って凄くキレイと思うのよ。ですから、若くても年をとっていても、体のラインに食い込む下着は許せないって感じます。肩ヒモの位置、背中側のゴムの質、ワイヤーの質、それが体に違和感を作っているのはダメですね」と、体験的外国製品賛歌があります。
□体にやさしい素材、探します。
レース大好きな人の悩みに、アレルギー反応がありました。「ナイロン系だめ」というのは、佐藤千恵子さんです。装丁家の林佳恵さんも、「化学繊維というだけで、もう堪え性がなく嫌なんです」。 実際、海外へ長時間飛行機に乗るときは、ストッキングはなし、身につけるものは木綿かシルクと決めている人は大勢います。疲労度が違うという人もいます。肌に長時間着けているものだから、自然素材が一番です。レースのブラジャーも、裏地をチェックです。
□シルクの下着
自然素材といえば、シルクです。シルクは、体に楽。価格も安くなったし、ウォッシャブルも出て、使い易くなりました。 「でも、安いのは、洗っているうちに、硬くなっちゃったり、ヘロヘロになっちゃう」というものの、シルクの下着は広まっている様子です。下着のブティックを29年開いている勝俣淳子さんによれば、「本当にいいシルクは、イタリア、スイスに行っていますね」。
□量より質。高価でも上質なものをていねいに使います。
塩沢圭子さんが好きなブランドは、イタリアの「クリスティーン」と「シェレル」。 本当に薄くて切れそうなのに、これが丈夫。長い間着けていても、体に線がつかない「体にすっと添ってくれる」優れものだそうです。 シェレルの方は、色が気に入っています。「ブルーグリーンや紅茶のようなブラウン」 は、日本製品では見つからないキレイ色なのだとか。「そんなに数を買うわけではないので、高いけれどこれがいい。手で洗って、そっと乾かす。大事に使っています」とのことでした。
3.体がアバウトになりました。 サイズだけで選ぶと、フィットしにくくなりました。
フィット感は、体型に添って、皮膚の一部のように馴染む感触として求めている。
ブラジャーは、作られたカップより1枚もののフルカップの自由さに着目している。もちろんパットやワイヤーはなし。
素材は、綿かシルク。タグは肌触りには邪魔です。
〇ブラジャーのフィット感
上げて、寄せては、40代まで。自然に包み込んで、安定させたい。肩ヒモの位置は、肩こり防止のポイント。硬いワイヤーは、肌を圧迫して着け心地がよくない。
〇ショーツのフィット感
パンツスタイルが多くなったので、上からラインを悟られるのは避けたい。薄い素材で手の中に納まる小ささが望み。パンストとウエストで重ならない ローライズ、Tバックなど、服との兼ね合いで使い分けている。大きさは、ヒップに合わせること。
タグって、邪魔ですよね。
サイズや製品番号が印刷してあるタグ、邪魔じゃありませんか?ブラジャーも、ショーツも皮膚の一部のように身に着けるから、違和感がありますけれど、どうしていらっしゃいますか。タグは、同じ個所に、2枚付いていることもあります。それに、素材が、本体とは違っている場合もあり、肌にチリチリという体験も話されました。取ってしまおうと思うと、これがまた、しっかり縫い付けてあります。本体が繊細な素材やデザインだったりすると、それだけタグの存在は困りものなのです。
「取ってしまうと、あとでサイズとか、メーカーとか分からなくなるのでは?」との声もありました。「フィット感がよかったら、次も同じものを欲しくなるから、お店に下着カルテがあると嬉しい」という意見もあります。いずれにしても、タグは、外しやすいようになっているのが、望みです。
キレイに服を着るための下着選び
□ Tバック、お勧めします。
「なんだか、着け心地悪そう…」という発言に、「そんなことない。楽ですよ」とお勧めするのは、阿比留みど里さんです。「Tバックも、サイズですよ。きちんと合っていれば、すっきり着けられると思う」と、塩沢圭子さんも賛同します。初めてTバックを選ぶなら、柔らかい素材のものがいいようです。
「伸縮性のある柔らかいレースのものからどうぞ。楽ですよ」とお勧めです。「Tバックなんて、想像もつかなかった」とおっしゃるのは、着物派の林佳恵さん。「私は、着物の時は、レースをあしらったトランクス型のショーツです。えっ、はくんですか!?という方には、はかないと言ったらドキッとするでしょって言うの。でも、Tバックは、思いつきませんでした」。
□ 「楽」とは、ゆるみのことではありません。
楽が一番!というけれど、体を下着の中に押し込めないということ。 「間違っても、デカパンのことではありません」と、念を押されました。デカパンというのは、横にも縦にも緩みがあって、体のたるみに合わせて伸び縮みが自由。それは、75歳以上になってからの下着だと言い切ります。
□試着室の謎
「試着室では、ピチッと気持ちよかったんです。なのに、苦しくてダメ」という経験はありませんか?姿勢よくして着けたからでしょうか?胸とお腹の間に付いた脂肪のせいでしょうか? 脇から背中にかけての伸縮性のある部分や肩ヒモの付き方ひとつが、体の動きに合わないということもあるようです。
「その時は、ゴージャス! なんて、カップの下から脇のゴムの部分までレースのを選んだのだけれど、なんだかうっとうしくて、それきり使わないのがあります」という体験は、林佳恵さんです。姿勢をピンと伸ばして、つい美しい下着に惚れ惚れしてしまう試着室なのです。
□しっとり美しい下着を楽しみたい。
百貨店の売り場でデスプレイされている下着は、アンダーバスト65なんていう小ささで、ホントにかわいい。上下お揃いのセットにひかれて入っても、その小ささに気圧されて出てきてしまったという人もいるくらいです。それに比べて、「輸入品のお店は、値段も高いけれど、ボディラインだけでなく、体と気持ちを受け止めてくれる商品と雰囲気があります」のだとか。けれど、そんな商品と雰囲気を、リーズナブルに買えるのが望みです。
50代からのボディケアは、体と気持ちと外見の三位一体感がテーマです。下着をボディケア感覚で楽しみたいのが、私たちです。
4.日頃の心がけは、清潔感あるおしゃれ。 温泉、はたまた不測の救急車でもあわてないように。
購入場所も使い分け。
上質なレースものは外国旅行が購入チャンス。信用ある通販で「楽」の文字につられて失敗も経験した。
TPO ①
気持ちをシャンとしたい時の下着がある。落ち込む自分に気合を入れる。癒す、安らぐ下着もある。
TPO ②
服や着物を美しく着たい時の下着がある。色やラインが悟られない。ドレスアップ用「締めるボディスーツ」。
TPO ③
汗して働く、運動する時は、機能第一の実用本位。体の動きを助けるデザイン吸湿・速乾性の高い素材がいい。
TPO ④
50代の「勝負下着」。 体を美しく見せようと張り切ったのは若い日のこと。今は、フルコースでおしゃれする日の前菜的存在。
いまは、自分の気持ちよさが一番。
10代の頃の下着を思い出すと、「あれはひどかった…」と共感するものの、若い頃の下着は、「見て見て、私よ!」という心意気もありました。
けれど、今は、自分の気分を変え、生活にリズムをつけていく道具だったりします。若い頃、大きな胸を小さく見せようとして、苦労して押し込んだ話に笑いながら、「もう、体を変形させるのはごめん」「補整するというより、安定させるという気持ちかな」と、ボディケア意識での下着選びに盛り上がりました。でも、時には、「映画のシーンで、ガーターベルトに憧れたりもする」のです。 「あれ、上から着けるの? 下に着けるの?」と、謎を残したままなのですが。親たちには、スーパーで下着を調達するけれど、自分用は、やっぱり選ぶ楽しさが味わえる買い方をしています。
下着は、着けるときだけでなく、選ぶ買う時から、気持ちよさがポイントです。
心がける下着、楽しむ下着
□ 不測の事態に備える。
「外出先だと、交通事故に会うかも知れないもの、救急車で運ばれたとき、恥ずかしくないようにしておかないとね」 「そう、裸にされたら困る。へんな下着だったら大変。外に出るときは、きちんとした下着じゃないとね。私、2回運ばれたことありますもの」「救急車で運ばれると、ケガしてる場合には、脱がさずに下着を切るでしょ。そんなとき、こんな素敵な下着切ってもいいかしらと思わせるような下着で運ばれたい!」
「一刻を争うとき、そんなこと考えないわよ」 「でも、私も3回運ばれたけれど、そのとき、担架で揺られながら、上下バランスがとれててよかったと思ったわ」 「事故で死ななくたって、恥ずかしさで死んでしまうわね」外に出たら、何があるか分からない。とにかく、恥ずかしくないものをという心がけ が大切なようです。
□ 赤い下着
「阪神の野村元監督じゃないけれど、赤いパンツって、キレイよね」 「キレイな赤は、いいですね。赤は、身につけただけで、心理的な変化が出てくるっ
て言いますね」 「赤い下着は、ここ2、3年、よく出てきます。12月に向けて出るのですが、幸せになるっていうんです」
「ピンクは中途半端な気がするけれど、赤ははっきりして気分も爽快です」「オレンジの錆び色、茶色がかったオレンジはあるけれど、赤は中々ないですね」
□ 紺の下着
「黒は、上に着る洋服に定番化したので、下着もいろいろ揃いました。でも、黒はデザインひとつで、危なくもなる。そこをいくと、紺はいいです」
「紺は、肌とのコントラストがいいの。肌がキレイにみえます」「紺って、少ないですね。上が黒でも、紺ならバランスもずれないし、黒よりリラック
ス感が漂うかな」
□ 補整する下着
「水着をカチカチに固めたようなボディスーツ。使う、使わないははっきりしているけれど、あれは凄い威力。ボディスーツで、姿勢がよくなって、キレイに歩けるようになったという人もいますから、使いようなのでしょうね」「私はダメ。妊娠中も帯をしなかったくらい、体を締めつけていられない」
「私の周りでは、ボディスーツ派が圧倒的。温泉でご一緒して、びっくりしちゃいました」など、補整といえば、締めつけて型にはめるイメージです。
けれど、下着のブティックをしていらっしゃる勝俣淳子さんは、「下着はどれも補整じゃないかしら。ブラジャーも、しなければ胸の形は崩れる一方」と、体を美しく整える補整をお勧めです。
5.下着には、体と気持ちと外見を美しくする力がある。
下着を選んで着ける効果は、大きい。下着そのものが体型を作るというより、下着を選ぶ気持ちが体型を作っていくという認識がある。
効果 ①
崩れ放題の体を放置しないという気持ちで、バストとヒップをケアすると体型は保たれる。
効果 ②
下着には、清々しい外見を作るデザイン力がある。お腹のまわりを整えて、姿勢もよくなります。
効果 ③
いつまでもキレイな下着を楽しみたければ、体を鍛えること。下着を選ぶ気持ちが体を鍛えたいと思わせる。
サイズは、心の鏡です。
「サイズは、心の鏡なのよ」と言われて、はっとしました。 「顔もね、だらしがなくなってくるの。考え方もいい加減になるし、肌のつやもなくなってくる。もちろん、サイズも伸び放題。いろいろなことが、連鎖的にたるんでしまうのね」と、阿比留みど里さん。 「朝、下着姿を鏡で眺めるって、大切ですよ。美しくないと気持ち悪いから、何とかしなくちゃと、キチンとしますもの」と、林佳恵さん。
そうなのか…と、思わずわがお腹に手がいきます。「背中に脂肪がついて、背中の真ん中に凹みがなくなると、こりゃいけない!そんな図々しい様子になっちゃいけないって思うのです」と言われて、今度はお腹の手を背中にまわす私です。キレイな下着を探しに行こう! と決めました。
下着を選びながら、自分の体の形と向き合ってみようという決心です。なにかとても、この週末が楽しみです。
下着は、ボディケアをおしゃれに楽しむ道具です
□ お腹は出る、胸は下がる体を整えたい。
「痩せていてもお腹は出るの。ホルモンのなせる技だからしかたないのよ」というものの、あきらめる訳にはいきません。「下がるほどの胸はないから大丈夫」と笑う人にしたって、それなりに下がるんです。ブラジャーやガードルは、締めたくはないけれど、形くらいは整えて見せたい気持ちに必要になっています。 例えば、ソフトブラジャー、ソフトガードル。緩くてはいけないけれど、着ければ整う下着を探したいと思います。
□ボディケアって、おしゃれな気持ちの実践です。
「夜寝るとき、何も着けずにいると、気持ちいいですよね」 「そういう健康法がありますよね」と、体を下着からも解放する気持ちよさにも、話は及びました。 「昼間は、下着での緊張感の保ち方もあるし、気持ちをすっきりさせておく下着への配慮があるだけに、家では体を解放してあげることって大事ですよね。パジャマ党っていうけれど、家に帰ってパジャマのズボンにはきかえた時、あのゴムの伸縮がうれしいです」。
けれど、その解放感を「ゴムのスカート」に求め始めると、赤信号点滅です。 その解放感の代償として、筋肉を鍛えることを覚悟が必要になります。 「歯止めがない解放感はダメ。いざっていう時、ファッショナブルな洋服が楽しめなくなります」と、建築家の小林裕美子さんも強調します。
「別に、ウエストを20代の時みたいに細くしたいとは思わないけれど、たがの外れっ放しは、体もたるむし、第一自分で気分が悪いわ。それなり、体型は整えていたい」のです。
□体重はボディケア度の目安。10才若く見られる努力をしましょう。
家ではノーブラを決め込んでいる佐藤千恵子さんですが、「見られた時に、10才若く見てもらえるかなという位を目指しています」。体重は、前後1.2kgでコントロール。歩くを心がけ、飲み過ぎない、食べ過ぎないことに、以前よりずっと気をつけています。「要するに、見られて汚いとか、嫌だなと言われたら、最悪の人生になっちゃう」と、自己管理を怠らない佐藤さんです。
□キレイなブラジャー、試しませんか?
下着は、薄い色で無地というのが、長い間定番でした。 下着のブティックを開いている勝俣淳子さんは、「肌に着けてみると、意外な発見をすると思いますから、水着を選ぶ感覚で、下着の試着を楽しんでください」と勧めます。勝俣さんは、キレイな色の下着は、気持ちも肌の色も元気にすると請け合います。 秋には秋の色、秋の柄を下着で楽しむ。衣食住に季節を感じるていねいな暮らしに、新たな楽しみを発見した気分です。