50カラット会議

27号 体型って仕方ない?

2002年9月 発行所 「50カラット会議」

50カラット会議レポート 

27号

 

体型って、仕方ないのでしょうか?

 

40代までは、想像もつかなかったものの1つが、「体型の変化」です。まわりに50代がいなかったわけではないし、親の姿も見ていたはずなのに「まさか…・」と、わが身を眺めることになりました。「ホルモンの分泌が変わるのだから、丸みのある体になるのはあたりまえ」と説明されると、天地創造の神様が決めたことだから逆らえないのねと思うけれど、神様のせいにするには個人差も気になります。
「年相応のキレイ」ならいいけれど、「年相応のくずれ」はくい止められるものならくい止めたいのです。それに、体型の崩れが歩き方を変えて、キレイに歩けなくなったり、そんな歩き方が足の形まで変えて、以前楽しんでいた靴が合わなくなったなんてことも起きているようなのです。体型は、体調の源です。どうしていらっしゃいますか?

蛇の道はヘビに聞くシリーズ㉕

「体型」のことならあの方のお話。ということでお集まりいただいたのは、元モデルでファッションコーディネーターの宇佐美恵子さん、ビューティクリエーターの川邉サチコさん、下着メーカーの広報担当安藤か代さん、イラストレーターの大橋歩さん、50代雑誌編集者の中山幸子さんです。「締めつけのない服を楽しみたければ筋肉を鍛えてから」と、先制パンチがとんできた50カラット会議でした。

 

目次

1.体型が変わると、姿勢も変わります。イラストレーターに よれば、姿勢の描き方で、50代が表現できるそうです。
2.仕事が体つきをつくるように、暮らし方は体型をつくります。
3.体型を維持する努力は、筋肉質の体づくりから。
4.50代の体現象
5.肥満大敵。キレイな内臓も目指します。

 

1.体型が変わると、姿勢も変わります。イラストレーターによれば、姿勢の描き方で、50代が表現できるそうです。

「年相応のキレイ」には、努力が必要です。 皮膚、姿勢、髪、目、歯、筋力(顔、腹、背中、足)を若々しく保ちたいなら、
「年相応=自然放置」と思わないこと。

〇自然には逆らえない。人間は、生物学的には30才で下り坂。ホルモン分泌が変わって体は丸みを帯びてくる

〇暮らし方の緊張感、保っていますか?人の目への気遣いは、自分磨きです。ファッション、姿勢、歩き方が、ポイントです。

〇老化や機能低下の速度は遅らせられます。運動を続ける。食事の仕方に頭を使う。自然放置は手遅れのもと。

「理想の自分像」を持っていますか?

毎日鏡と向かい合っているから、「微妙な変化にも気づきます」という人がいるかと思えば、「見慣れて、チェックが甘かったのか、気づいたら顔はふっくら、お腹はぽっこり」という人もいます。間違いなく、50代の体の変化は体型に表れます。街を歩いていて、ウインドーに映った姿に「まさか!」とわが目を疑ったという人が多いのは、イメージする自分が実像と異っているからですが、その「理想の自分像」を大切にすることが、体型をキレイに保つポイントのようです。

30代の時の自分を理想とするのには無理があるけれど、背中を伸ばしてみるだけで40代の姿勢に近づけるのだから、その辺を「理想の自分像」にしてみるのは出来そうです。つまり、「年相応のキレイな自分」は、背中を伸ばして姿勢のいい自分。姿勢をよくするには、筋力が必要です。背中を伸ばせば、お腹はひっこみ、胸の位置も上がるようです。気持ちいいゆるい服も、中身が締まっていれば着こなしの雰囲気も違います。
ちなみに、筋肉は60代からでも、十分鍛えられるそうです。

 「年相応」って、どういうこと?

□50代の体つきは、暮らし方表現です。  イラストレーターの大橋歩さんは、「例えば裸で20代と50代を比較するなら簡単ですけど、50代の人を表すとしたら、やっぱり姿勢でしょうね」とおっしゃいます。脂肪の付き方だけでなく、暮らしや気持ちが全部出て、体つきが出来ているというのです。
その人の生活感や生き方が、自然にその人のしぐさや歩き方になって、それが姿勢を形作っているというわけです。

□お腹のまわりが太めになるのは、自然のなりゆきですが…
でも! お腹が出るのは困ります。これまで着ていた服は、腰回りがきつくなるし、ストンとしたシルエットの服しか着られなくなるのは淋しいのです。下着メーカーで広報を担当している安藤か代さんは、「昔は7号サイズだったけれど、今は今。それはそれでよしとしています」とか。けれど、自然のままにしているわけではありません。コーヒーにお砂糖は入れないし、甘いものを食べる習慣はないそうです。けれど、お腹のまわりのたるみに一番効くのは、姿勢をよくすること。背中を伸ばせば、前かがみのお腹もピンとします。そうしただけで、胸も上むきになりますし、内臓もすっきり納まり直したような気持ちになります。とはいえ、この姿勢を続けているのは大変。腹筋も背筋も弱ってしまった体を実感するのです。
「毎日ちょっとでいい。姿勢をよくして座る、立つ時間を心がけるといいですよ」とはモデル時代のキレイそのままの宇佐美恵子さんのアドバイスです。

□「オバサン」って見られたくない。
体つきはともかく、姿勢の悪さは、感性が鈍くなった人というイメージにつながります。ストレスで7キロ太った体験がある人は、「その時は、すっごく苦労しました。元に戻すのにお金も時間もかかって閉口しました」と言います。服だけでなく、靴までも1サイズ上のものが必要になったそうです。それにしても、一番不都合だったのは、久々に会う人の表情でした。 「パッと見ると、オバサンになったわねぇという表情をするのです。こりゃまずいと思いました」。「オバサン」という言葉には、自分にもまわりにも気を遣わなくなった感性の鈍い人間という侮蔑がこめられているというのです。自分を「理想の自分像」に近づけるコントロールしているかどうかが、すぐ体に表れてしまうのが50代なのです。ストイックになる必要はありませんが、自分の体の表情づくりは50代の課題です。

 

2.仕事が体つきをつくるように、暮らし方は体型をつくります。

 キレイに歩ける体づくりを目指しませんか。 キレイに背中を伸ばして座る時間をつくりませんか。
姿勢がキレイだと、ファッションにも自信がつきます

〇自然が一番と、流れに任せるのは、体に無関心すぎます。おいしいもの大好きと食べ続ければ太る。体を締めなければWHは太くなりBは落ちる。

〇人の目なんかと緊張感抜きの暮らしでは、体も締まりません「人の目に磨かれる」というのは本当です。家族職場、友人たちとの時間鮮度アップも効果的

〇人の目なんかと緊張感抜きの暮らしでは、体も締まりません「人の目に磨かれる」というのは本当です。家族職場、友人たちとの時間鮮度アップも効果的

気づきにくいのは「姿勢」です。

体重も変わっていないのに、ブラジャーのつけ心地が悪くなって、首をかしげていたら、なんと原因は「姿勢」。気づかないうちに、背中を丸めて、お腹をたるませて座っていたのです。「街の中で、道行く人をウォッチングしてご覧なさい。50代以上の人には、ひざから下だけ動かして、小股に歩く人が多いのに気づきます。腹筋、背筋が弱くなって、姿勢も歩き方も崩れてしまうのね」とのこと。体重が変わらなければ大丈夫と安心していたのを、反省したところです。この「姿勢」、実は「暮らし方にキリリ不足」が大きな原因という指摘です。まだまだ元気、まだまだ行動的という50代ながら、気持ちのどこかに「人の目」に無関心になった気遣い不足が育ったのでしょうか。夫の前だから気楽という気持ちが、夫の前だからいいか…にならないように、すぐそこへ出かける気楽さが、近くだからいいか…・ということにならないように、「理想の自分像」をはずさない決意を新たにしたところです。

暮らし方、転換しました。

□ 元モデル宇佐美恵子さんのビューティライフ
「昔のキレイな映像が残っているので、自分を実験台にして、キレイを保つ挑戦をしています。自分の体がどんな状態にあるのかを、医学的にも把握しながら、食生活や睡眠時間やスポーツのプログラムをこなしています。食べ物は、3食ナチュラル系を食べて、足りない栄養素はサプリメントで補います。
睡眠時間は、7時間。12時前には寝るようにしています。スポーツでトレーニングをした日は、何が何でも7時間は寝ないと体がもたないですね。よく寝て、よく食べて、よく運動する日々を続けています」。
生活は朝型。原稿を書くのも、夜はサッと寝て、4時起きの方が能率的で、キリリとした出来栄えだと確信しているとのことでした。さすが、キレイのプロ。ここまで徹底しています。

□ ワインをあきらめない。
ワインを飲みながらの食事を楽しみたければ、おやつはパスする心がけは必要なようです。宇佐美恵子さんも、「好きなものの順位を決めて、その日はコレと選びます」とおっしゃいます。それでもストレスにならないように、自分を甘やかす日を用意して、その日のためにトレーニングに励むという具合。自分の体に必要なものと不要なものの足し算と引き算をしながらの生活です。

□ 窮屈な服がいやなら、まずは軽い体をつくること。
「もうガードルは嫌。きついブラジャーはしたくない!という向きには、体を動かして体をすっきりさせること」と勧めるのは、下着メーカーで広報を担当する安藤か代さんです。「私たち世代向けの下着は、体を締めつけないものが主流です。けれど、まずは、朝のお散歩とかスポーツで体を軽くしておくことが大事です。下着は、体型を補正する役目もありますが、体の動きを楽にしてあげる役目もあります。軽快な体にフィットする下着をつけることが理想ですから」というのです。確かに、軽快な体づくりへの努力なしで、ゆるい下着をつければ、体型の崩れは当然の帰結ですよね。

□ キレイな先輩たち
大橋歩さんは、「年をとればそれらしくが素敵と思っています。例えば、あまり派手でなくて、楚々とした人を素敵だと思います」。
雑誌編集者の中川幸子さんは、「子供の頃、見ていた芸者さん、素敵だったわぁ」。
宇佐美恵子さんは、「先輩で尊敬しているのは、河原日出子さん。遠くからお見かけすると、歩き方がとても自然でいて素敵。背中をピンとのばして、サッサと歩くんです。モデル時代に培ったものだと思いますけれど、60代になって、歩き方で人を振り向かせるなんて、すごいことでしょ。私の目標です」。
体型は思うようにいかないけれど、姿勢ひとつで近づけるキレイがありそうです。

3.体型を維持する努力は、筋肉質の体づくりから。

キレイな体型の理想は、代謝のいい筋肉質の体。女としての体型を保ちたいと願うなら、体を鍛えること。毎日ちょっとの努力を重ねたい。

〇腹筋と背筋のトレーニング
ウォーキング、水泳、ジムでのマシーン運動を週2回続けること。姿勢はよくなるし、筋肉質の体づくりで、太りにくい体になる。BWHの間につく脂肪がおちると、たるみのない体になれます。

〇食物ダイエットは禁物
50代からの自己流ダイエットは、肌や髪のつやをなくして、キレイが遠のくだけ。シワの原因と心得るべし。少量多種、低脂肪低糖の食事がポイント。

まだ夢の中の50代。キレイでいたい気持ちがあれば、まだいけます!

「60代になっても、それなりにキレイでいたいなら、50代を頑張らなくちゃ!」と喝を入れてくれるのは、ビューティクリエーターの川邉サチコさんです。50代は、まだまだ「これから花」の夢の中。夢が現実に直結している分、頑張れるのではと議論は広がりました。元モデルで、今も美しい筋肉を保っている宇佐美恵子さんも、「まだまだ回復力があります。50代で体のいたわり方と鍛え方を覚えておけば、老化を遅らせることが出来るのではないでしょうか」と、力強い後押しをしてくれました。トレーニングといっても、スポーツクラブに通うだけが方法ではありません。週に2日、必ず40分のご近所ウォーキングでもいいのです。
「筋肉質の体って…・」という発言には、「筋肉モリモリになるなんて、スポーツ選手くらいのトレーニングをしなければなりません。ご心配なく」とのこと。余分な脂肪がとれて、姿勢がよくなるようにを目指すなら、数カ月で効果が期待できるそうです。

 鍛えた体は美しい。

□ バストも、内臓も、筋肉が支えているのだから。
「年と共に少しずつふくよかになっていくのはいいけれど、筋肉はつけておいた方がいい。筋肉をつけていれば、バストが下がるのも、少しは阻止できるのだから」 「内臓だって、筋肉で支えられているのだから、筋肉がしっかりしていないとね」「足の筋肉が落ちて、脚力が弱ってくるけれど、それって、歩き方まで変えてしまう。 足が前に出るより、横に流れる歩き方になるのです。足への力のかかり方が変わって、靴が合わなくなったりということもあるそうです」など、筋力の役割を認識しました。

□ 毎日ちょっとの努力から、鍛え方はさまざま。
どこでも階段は歩く、犬の散歩を欠かさないといった毎日の習慣から、週2回はスポーツクラブへという鍛え方まで、人さまざまです。そして、どなたも「自然に筋肉ができてきた」と自信をつけています。ビューティクリエーターの川邉サチコさんは、元々筋肉質な体ではありませんでした。
けれど、泳いだり歩いたりを心がけていたある日、こんな経験をしました。 「温泉に行ったとき、急に『奥さん、筋肉キレイね』と声をかけられて、びっくり。何か運動の選手だったのと言われたの。その時、毎日何か意識的にちょっとやっているだけで、筋肉がつくんだなぁと思いました」と振り返ります。

□ お腹ぽっこりを解消する!
効き目なら、腹筋運動です。厳密にすれば、お腹のどこの筋肉を鍛えるのかで、腹筋のプログラムがあるそうですが、まずは毎日、寝転んだら、足を上にたてて、上げ下げしたり、左右にゆっくり振る運動をお勧めします。それぞれ10回ずつ毎日続ければ、2週間を過ぎた頃から、ウエストラインの登場が期  待できる保証付きです。

□ 顔の形も崩れます。特に気になる「あごの線」対策は…
宇佐美恵子さんが一番チェックしているのは、「あごの線」だそうです。確かに、頬からあごにかけて、顔の形は崩れがちです。顔の筋肉も鍛えていれば、衰えにくいのです。例えば、歌手の口元、あごの線はキレイです。いつも運動的に動かしているからです。 そこで、宇佐美さんのフェイスラインを引き締める「割り箸体操」をご紹介します。

口角を上げて、モデル顔に挑戦してみてください。
① 「イーッ」と声をだして、口を横に広げ、割り箸を噛んでくわえます。 上下の前歯が箸の中央に合っているか確認してください。
② 下あごを少し前に出すつもりで、もう一度「イーッ」と声を出してみます。うっすらと笑いじわが盛り上がれば、上手にかめている証拠。
1回に5~6分、1日2~3回を目安に、割り箸を噛むだけでも、筋肉は鍛えられます。
そのうち、自然に口角の上がった状態が保てるようになります!

4.50代の体現象。

生物学的には、子供を生み育てる役目を 終えた体への転換期。体型現象は、暮らしの美意識の課題になりました。

〇やせている人も、お腹がぽっこりする。筋力低下で、体型は崩れがち。内臓も筋肉で支えられている。筋肉を鍛える方法は運動だけ。

〇肌、皮膚、髪には、老化現象がハッキリ出る。歯、目、内臓も機能低下。しかし、メンテナンス次第で老化は遅らせられる。放置は、手遅れを招きます。

〇更年期、閉経は通過点。女性ホルモンの充填で、更年期症状を軽くしたり、閉経を先延ばしも可能。閉経は生理がなくなるだけ。自然に受け止めたい。

「生理」「閉経」の受け止め方

「生理」は、女性の機能現象であって、「閉経」が女性の見た目や行動を変えるということはないというのが、大方の意見です。
見た目や行動は、自分でコントロールできるのが人間ですし、閉経が人生や知力を低下させるということもないというのが理由です。けれど、その頃の暮らし方の変化や体の変化は、私たちの気持ちを動揺させるのは確かです。
更年期で無気力になった人が、お化粧も面倒になったという話を聞くと、それが、傍目には「ホルモンの変化が見た目や行動を変える」と映ったのかとも思います。更年期も閉経も、体の変化の通過点です。暮らし方や体の管理方法を見直すことが必要な時期なのです。「これから花」という気持ちを支える体には、美意識もこめて、鍛えることを課題にしてみたい50代です。

 閉経はプロセス。人生を変えるわけではありません。

□ 閉経で、人間は変わりません。
閉経について、「例えば、男性に関心がなくなるとか、年寄りくさい行動をとる、見た目にセクシーさがなくなる」という発言がありました。この発言には、閉経を重大視しすぎているのではという意見が続出しました。イラストレーターの大橋歩さんの考え方は、こうです。「生理は、女性が健康な子供を産む体の機能としてあるのですよね。だから、閉経は、その機能がなくなったということで、それ以上でも以下でもない。閉経で人間が終っちゃうわけではないのです。他の動物の場合、生理が終わると死ぬというけれど、そのまま人間に当てはめてしまうのは、違うと思う」。
また、川邉サチコさんも、「閉経期を境に、女の人も闘争的じゃなくなるとか、温和になるということはあるけれど、女でなくなるとかいう言い方は、女性への偏見じゃないかしらね」とおっしゃいます。閉経は外見では分からないし、閉経で行動が変わるというのも、閉経を重大視しすぎている結果ではないかということでした。70才になっても、女性としてのキレイさや華やかさ、心配りやしぐさを身につけた人はいっぱいいらっしゃるのですし、生物学的なきめつけで人生をあきらめる考え方はしない方がよさそうという結論でした。

□ 「生理」を引き伸ばしたい?
これまでの50カラット会議でも、「生理がなくなって、すっきりした」と言う感想は、よくありました。旅行に行くにも、仕事での移動でも、生理は、もう1つ気遣いを背負っている気がしたものです。それだけでも、なんと気楽になったことでしょうか。そんな実感をもっているところに、ホルモンで生理を引き伸ばすという考えを聞き、単純に驚いたりしています。
けれど、閉経期を迎えようとする人の、生理がある間のホルモン分泌が盛んな状態を、できるだけ長く保ちたいという気持ちは、よく分かります。しかし、ホルモン療法には、医学的にも賛否両論のようですし、私たちの生活は、親たちの時代とは違って、精神的にも物質的にも若々しい暮らしや生き方が可能になっていることを考えると、「閉経怖れるなかれ」ではないでしょうか。

□ 自分の体の状態を知っていたい。
生理がどんな状態で変化するのか、閉経期の体管理に必要なことは何かなど、体の転換期について、不確かなことはたくさんあります。生理は始まりも様々なら、終わり方も人それぞれ。その理由も不確かです。折しも更年期。体のバランスの悪さは、気持ちを落ち込ませることもあって、流れてくる情報に右往左往することもあるようです。
人間の体は精密で、個人差も大きいので、自分の体に不安があれば、更年期専門の外来を訪ねて、キチンと自分の体と向き合う機会をつくるのが一番です。

5.肥満大敵。キレイな内臓も目指します

 快食、快眠、快便を目指す体調管理が 第一歩。 内臓が元気に動いていれば、体は脂肪を溜め込まないはず。

快食対策
日常的に、胃に負担のない食生活を心がける。体調が悪い日は、体験的に「こんな日のあれ」を食べて回復する

快眠対策
体を動かす、汗を流す生活を心がける。水とブラシと雑巾での掃除は、体も家もキレイになって一挙両得。朝型生活は気持もポジティブに。

快便対策
食べたらキチンと排泄することを心がける。食品で注目するのは、野菜、玄米、雑穀。玄米、雑穀は2~3割混ぜてが続けられるポイント。

ていねいに暮らすことで、体のリズムを整えたい。

「肥満」となると、自然なふくよかさとはちょっと違います。簡単に言えば、食べただけ動くという生活をしていないことの結果であることが多いのです。
現代人の生活は、動かなくてもいいようにということを目指した結果でもあるので、掃除、料理、後片づけなどに、力も時間もかけなくて済むのです。  このことは、家事と育児と仕事を大車輪でまわしていたあの頃には、ありがたい状況でしたが、最近、少し考えを変えた人が増えています。家の中での暮らしをスローライフ化する動きです。掃除も、化学雑巾は止めて、水拭きを復活。雑巾をかたく絞って拭く生活です。 料理も、ダシをとって、旬の素材をおいしく食べる工夫をする楽しみを復活してゆっくりていねいな食生活を目指しています。時間が無制限にあるような気持ちにする夜型生活から、朝型に転換して、朝の空気で家の中を清々しくするという人もいます。 「便利生活に甘えない」ことから、体のリズムを取り戻そうとする動きです。

健康でいられることが美しい。

□ 痩せているより、少しふくよかがいい。
旅先やスポーツクラブでお風呂に入って、つくづく人の体を眺めることがあります。そんな時、「痩せているより、少しふっくらの方がいいかな」と思うのです。「ほんと、ふっくらした体って、可愛らしいですよ」と言う人もいます。ふっくらは、肥満というより、丸みのある体。人の目に、安心感を与える体です。50代は、ブティックで「なんて、細いデザインばかり!」と歎くのだけれど、ふくよかな体には、浴衣もしっくり馴染むし、着物も美しくまとえるはず。スローライフの中に、着物を着る楽しみも加えたくなります。

□「縦のおへそ」
「筋肉を鍛えている人って、おへそが縦ですって! 今年の目標は、おへそを縦にすること」と笑うのは、50カラット会議の田村亮子です。真偽のほどは分かりませんが、お腹が横に広がるのをストップしたい気持ちからの目標です。

□ 骨に注目!
「背骨の間隔がつまってくるのは、35、6才から始まります。でも、背筋を鍛えれば、防止できます。それに、肩甲骨は、左右が段々離れていくんです。背中が丸くなるからと言う原因もあるので、立つ時には、肩甲骨を左右から真ん中に寄せる用にしてみてください。そうするだけで、背中だけでなく、お腹の筋肉を伸ばすことになります」。ワコール人間研究所が編纂した『スパイラル エイジング』というレポートを読むと、体型や姿勢を左右しているのは、筋肉と筋肉に支えられた骨であることが分かります。ところで、この『スパイラル エイジング』というレポートは、なんと女性200人を対象にひとりひとりの25年間の体の加齢変化を追ったというものです。徐々に変わっていく体型とライフスタイルとの関係も読み取れて、筋肉を鍛える効果に納得もさせてくれます。

□50代は、老化の入り口。
「50代に老後を考えた家を作ったら、60代になって違和感があって引っ越しました」と笑うのは、イラストレーターの大橋歩さんです。
ことほど左様に、自分の5年後を確実に読むことは難しいのです。年をとるのは誰も初めて。とはいえ、親の姿も、先輩たちの様子も見てきた50代です。
「あの人のようになりたい」「あんな風にはなりたくない」と、「理想の自分像」をはっきりさせれば、暮らしと体型づくりが出来そうです。「体型は体調の源」という言い方もあります。ふっくら体型は可愛らしいとは申しましたが、肥満をお勧めしたつもりはありません。暮らしも体も、余分なものを抱え込まないのが一番。食べただけ動き、日々体を使った暮らしをして、代謝のいい筋肉質の体づくりを目指してください。その上で、60代になったら、清々しい老後計画をどうぞ。

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