50カラット会議

36号 講演会と交流パーティご報告  50カラット会議3周年

2003年6月 発行所 「50カラット会議」

50カラット会議レポート 

36号

講演会と交流パーティ ご報告 50カラット会議3周年

 

5月17日(土曜日)、東京西新宿で行われた3周年記念の講演会と交流パーティは、160名もの方々のご出席で、盛り上がりました。
3年間で発信された「50カラット会議レポート」は、別冊を入れますと36冊。会議に参加してくださった方は、延べ180人になりました。
この日は、その方々の同窓会の雰囲気でもありました。なにより嬉しかったのは、これまでアンケート用紙で文字にしかお目にかかっていなかった「50カラット会議レポート」読者の方々が81名もいらして下さったことでした。ありがとうございました。

講演は、料理研究家 高城順子さん、元モデルの宇佐美恵子さん、エッセイストでもいらっしゃる小林カツ代さんにお願いしました。このレポートでは、高城さんと宇佐美さんのお話をお届けします。

蛇の道はヘビに聞くシリーズ㉝

Ⅰ.高城 順子さん「体が変わったのだから、食生活も転換期です」

高城順子さんプロフィール「稼いだお金、みんな食べちゃったわ」と笑うけれど、本当に勉強家。ヒマを作っては、あっという間に新幹線に飛び乗り、食べ物めざして日本脱出の離れ業もする料理研究家。最近は、現代生活にマッチした「新感覚料理」をテーマに、素材の持ち味生かしたヘルシー料理を紹介中。

Ⅱ.宇佐美 恵子さん
「第一歩は、なりたい自分、キレイな自分をイメージすること」

宇佐美恵子さんプロフィール 元トップモデルとしての経験を生かして、いつまでも若く、美しく、魅力的でいたいというテーマで活躍中。
近年は、ご自分の経験をもとに、ファッションから健康管理まで、「美しく歳を重ねる」「10歳若返る方法」などの講演にひっぱりだこ。

 

高城 順子さんのご講演 「体が変わったのだから、食生活も転機です」

皆さまおはようございます。高城順子です。
ご紹介にありますように、小さい時から食べることが大好きというか、食べることしか興味がなかったと言っていいくらいにずっとこの年までやって来ました。学校も悩まず女子栄養大学というところに行きました。就職についても父から色々言われましたが、そのまま学校に残りたくてしばらく残って、
それからフリーになり、いわゆる料理研究家という仕事をさせていただいています。学校の助手をしている時は本当にお金がないものですから、お金が貯まると食べることに使って、プロフィールに堂々と書かれていましたけど、食べることにお金を使って、高い所でも背伸びして行くということをしていました。

私の胃袋は、動物園、昆虫館、水族館。なんでも食べる料理家です。何でも口に入れてみる。赤ちゃんのようですが、どんな味かなと味を見てみるものです
から。私の胃の中は動物園、昆虫館、水族館って言ってるんです。もうほとんどのものが動物園に行っても「これは食べたかな」っていうくらい。
冗談ですけど。そのくらいに食べてます。

特に、年に3回くらいは中国に行くので、横浜の「四不像」という動物がいたんですけど、約30数年くらい前になるでしょうか、中国でいただいたようです。味は覚えていませんけど、中国で確かにいただいたようです。ラクダなんてこぶも蹄も食べましたし、象の鼻までも食べました。美味しい美味しくない
に関わらず、出てきたら何しろ食べる。最近では、昆虫で男の人の親指程もあるお蚕さんを食べました。中国では生きて売っているんですね。クチュクチュ動いてます。キャーキャー言ってお蚕さんを見て喜んでいたら、ガイドさんは私たちが食べたいのかと思って、一袋買って下さったんです。買ってきて私たちのコースに入れてくれた。形が変われば何とか食べられますけど、そのまま炒めて出てきました。
こんな時は、だいたい「高城さん1回食べてみて」って言われるし、お料理関係の人と行ってもそうなんですよ。
男性の方達と行っても、「これを食わずして料理研究家と言うのかな?」なんて責めがくるものですから、「いきま~す!」みたいにして頂くことが多いんですけど、好奇心の方が先にたってしまって、どんな味かなと思って食べちゃうんです。お蚕さんは、実は美味しいんです。形があんなものですから、何だか恐いような気がしますけどね。
それを2回目食べたいかどうかは別として、どんな味であるか確かめるのは生まれ持った性格のような気がします。一度なんてコーヒーにお塩入れちゃったって言って、みんな捨てに行ったんですけど、私は、「ちょっと味見させて」って飲んでみるんです。「コーヒーにお塩が入ったらこんなものかな」って感じなんですけどね。
子どもの時から、そういう好奇心は強くて。生まれて初めてよそのお家でコーラをご馳走になった時は、家に帰って、家にあったインスタントコーヒーと三ツ矢サイダーでコーラ作りました。そうやって出来てるもんだって、ずっと思ってたんです。妹達に、「これがコーラだよ」って飲ませていました。

昔は、食べるはしごも出来ました。今はムリしません。
そんなことで何年もこの仕事をやって来ましたが、やはり無理矢理食べるということも随分やりました。一度、京都で6軒のお店をはしごしたことがあるんです。朝からずっと。先ず、うどん屋に行ってちゃんとランチを食べて、3時頃にお好み焼き屋さんに行って、夜は夜で料理屋さんに行って、また夜泣きそばを食べに行くという。屋台のうどんを食べに行くっていう具合。お寿司屋さんでも、メーター買いじゃないけど、ケースの端から端まで食べて「高城さん
もう全部召し上がりまっしたよ」なんて言われて、「えー、まだ食べられるのに」って思ったこともありましたけど。
でも、それを今できるかって言ったら、やはり50からの体では無理な話ですし、次の日にすぐひびいてしまいます。
どこかで解消できるという遊びの部分が体になくなっているんです。それだけの無理を受け入れられなくなりました。

この頃、自分でむくみや何かがとれなくなってきてるので、色んなものに挑戦していってどうしたらいいのかって考えてたところです。
実は、事務所で20年くらい使っている戸棚がどうしても開かなくなって、金槌でトントン叩いて出し入れの引っかかりがないようにしたり、こっちを直せばあちらが変だからって横から叩いたりしていたんです。
ところが、自分の治療に行きましたら、私の背骨を木槌でカンカンカンって叩くんです。
つまり戸棚も20年使ってるいるとたがが外れてきて、こっちをこっちに戻して、あっちをこっちに戻してってしないと引き出しが開かなくなってるけれど、人間の体も同じかななんて思ってます。

お店も、ちょっと古くなってきたりすると新装開店しますって直しますよね。今まで売れなかったものを全部排除して、これからはこういうものかなっていうのが入ったりとか、お店もスッキリしたりということが結構あります。
体も、必要とするものも違ってきているので、50代くらいで一度リニューアルという風に考え直すことですね。
体が変わってきたら、それなりにどんな生活をしたらいいのか、どんな食事をしたらいいのかというリニューアルが必要なんです。
体と気持ちのリニューアル術は、とことん自分流で。
今の自分がイキイキと若くいられるリニューアルを、一旦していただくということが大切だと思います。そのリニューアルは“気持ちの良いリニューアル”。
つまり、誰でもない、自分自身が気持ちの良いリニューアルじゃないと何にもならないと思うんです。人にどう見られるかってことじゃなくて、私が私自身で気持ち良くということです。

例えば、口紅の色を替えたらお手洗いに行く度に鏡を見て、「あっ!」と思えるリニューアルでいいと思うんです。
これくらいまで来たら、他人の目はどうでもいいかなって。どうでもいいっていうのは、悪い意味でなくてですよ。自分が気持ちよくリニューアルしていれば相手にも、この人は明るく気持ちよく暮らしているんだなって伝わります。
この位の年になると、なんか億劫になって、「まぁいっか。明日からで」って“明日からダイエット”になりがちですね。
「今日食べておいて、明日減らせばいいか」っていうこともありますけど、いつでも今日が始まりの日と思ってくださればいいんです。
一つずつ今日が始まりの日って、とりあえず一つは今日が始まりの日っていう具合に積み重ねを少しずつしていくことでしょうか。

動かない生活をしていたら、1450kcalで充分です。
今から50代の食生活のお話をするんですけど、一日のカロリーというのは、若い人、いわゆる中学生高校生の女性でしかも軽い労作というんですけれど、生活度数が軽い人の場合には1950kcalが必要とされています。
50才から70才まではグッと減りまして1650kcal。もっと動かない人は、エッと思うくらいに低くて1450kcalなんです。
だいたい人は、病院で寝ているだけで1200kcal使うっていいます。
息をして眉毛も維持し、髪の毛も維持しってことでね。本当に人間として生きていくのに必要な1200kcalなんです。
50代から70代は、それプラス450kcalだけなんですね。意外と必要としているカロリーは少ないのです。

体自身が必要としていないということなんです。
ここにきて一々計って、計りにかけて何kcal、何kcalってしなくてもいいですけれど、必要なカロリーは若い人よりも低いんだっていうことをまず頭に入れておいて頂くことが大切なことです。
その低い中で、どれだけバランス良く摂るかが大切なことになってきますね。
人間の体は色んな成分が必要なので、色んな食べ物が必要です。前2日間の食事内容は記憶しておく。
国では一日30品目摂りましょうっていっていましたけれど、一日に必要なそれぞれの量というものがあります。けれど、だんだん億劫になってくるのに一日30品目なんて上手くいかないわっていうことがあると思います。
そこで、私がよく言うのは、「一週間でトータルしましょう」ってことなんです。
一週間の間になるべくたくさんの食品数を摂るように、前の日ほうれん草を食べたんだったら、次の日はほうれん草以外のもの。キャベツでもいいですよ。
次の日は小松菜を摂るという具合に、一週間になるべくたくさんの食品をとるようにすれば、あまり負担もなくいろいろ食べることができる。

前の日の食事はなんだったかな、もう一つ贅沢を言えばその前の日はなんだったかなというのをちょっと覚えて頂いくのがよさそうです。
二日くらいは、何を食べたかというのをしっかりと頭に置いておいていただいて、今日食べるのを決めていただくことが大切なんです。

だいたいパターンとしては、朝食を変える方というのはあまりいないんです。「私はご飯とおみそ汁とお浸しと目玉焼きよ」とか「パンとチーズとジュースを飲んでコーヒーを飲む」というようにパターンが決まってるんですね。だから朝は深く考えなくていいかと思います。
でも、お昼と夜はやっぱり覚えておいて頂かないといけない。4点覚えなくちゃいけない。4回分覚えないといけないから、頭も少し使って、ちゃんと記憶しておいていただいて。まぁ時々忘れることもありますけれども。
でも4回分は覚えて頂くと、それを上手に違うもの違うものと選んでいけば一週間の間に達成できるということになります。

食べた分は、動く、歩く。
人間の体はよくできていまして、食べてその分出さなければ、エネルギーとして使わなければ貯め込むんですね。
貯め込むだけならいいんですけれど、利子まで付いてきちゃうんですね。貯め込んだ分は、脂肪という形になってしっかりと蓄えられていきますので、食べるのはかまわないんですけれど、食べたら使ってください。

そこは今日はバス1駅歩いてしまおうとか、天気が良ければ2駅歩いてしまうとか、エスカレーターを使わずに階段を使おうということの心がけで全然構わないと思うんです。使い方を上手になされば、収支が合ってくると思いますので。前の日にちょっと食べ過ぎたってことがあれば、二日以内に使い切るということが大切ですね。

脂肪になって貯まってしまうと、それをエネルギーにして燃やしていく努力が必要になります。ミネラルやビタミンが必要になってくるので、貯めない、沢山貯まらない内に使い切るということが、体をスッキリとさせていく一つのコツになります。食べる物をきちっとして生活するということはとても大切なことなんですけれども、やはり皆さんと非日常的な場所でリラックスして楽しむこともありますよね。
お食事会に出かけるとか、そういった時なんか、例えば中国料理のフルコースで食べていると、ほとんど一日分の1200から1300kcalくらい食べてしまう。
朝も食べてお昼も食べて行くわけですから、平気で二日分くらい食べてるわけ。
先日、料理屋さんで、「和食は体にすごくよくて、一度調べていただいたらうちのお料理は900数kcalです」って聞きました。でも、四捨五入したらやっぱり1000kcalいっちゃう。和食だから少ないかって言ったら、フルコース出てくると、その中に蛋白質がすごく多い。蛋白質を食べると脂肪も一緒に摂れるんです。高蛋白低脂肪のものというのはあんまり出てこないものですから、そこでカロリーは高くなっていきます。
それをやめて下さいっていうのは、これから楽しんで生活していきたいし、皆さんとも楽しく食事もしたいし、お酒も飲みたいしってこともありますので、そこで摂りすぎたということであれば、次の日で減らすか、使い切りましょう。
私はちょっと楽しく過ごしたんだから、体もちょっと使っていきましょうってことで使ってしまえばいいんです。
何しろ使い切って、使い切っていけばいいので、いつもよりは体を動かしてエネルギー消耗していただくと解決していくと思います。
それには、一週間のパターンで生活をチェックして頂くことが大事ですね。

少しのお酒と少しのご馳走と少しの主食を。たくさんの種類を食べることが体にいいということになりますと、一つのものをボーンとたくさん食べられないんですね。少しのお酒も楽しみですから、少しのお酒と少しのご馳走と少しの主食ということで、腹八分目ってなんかそのことをいうと年寄りみたいなんですけど、もう50を過ぎたら腹八分目というのが一番いいです。いっぱい食べ過ぎると体に無理がきますので、腹八分目が一番いい生活になると思います。

一日に必要な栄養バランスということですが、グラムで言ったって分からないかと思いますけど、一日に牛乳は200ccというと昔の小さい牛乳瓶1本分ですね。それを飲んでいただいてチーズを一切れ食べて頂ければ大丈夫です。
卵は1個。「私は目玉2個よ。2個ないと目玉なんて言わない」っていう人もいるんですけれども、片目つぶっていただくということで1つにしていただきたい。
お魚と肉類はまとめて実は100gなんです。必要なのは。100gというと、スーパーで売っているお魚一切れ100gあります。トンカツ用のお肉も実は100g。ですから、一日にお魚かお肉かどちらかということになりますね。肉魚で摂る蛋白質は、どちらか一切れでいいということです。

あとは大豆製品。だいたい60g必要です。納豆を1パック食べれば大丈夫。お豆腐は1丁が実は300gあるんです。だから60gっていうと、1/5なんですね。私は夏なんて冷や奴で半分は食べちゃうこともあるなと思うんですけど。だからお豆腐は1/5丁。肉かお魚を食べて、別に60g食べてください。

次にお話するのはご飯ですけど、穀類でお米とかパンでだいたい180g摂ってください。穀類が180gというと、朝トースト一枚とお茶碗に軽くご飯が2杯なんです。そうするとお昼に一膳、夜一膳ですね。お砂糖は20gです。20gということになりますと、大さじで2杯。
大さじで2杯しか食べられないということなんです。お料理にも入れたり、煮物に入れたり麺つゆに入っていたりとか、朝ヨーグルトにジャムを入れたりすると、摂ろうと思わなくたってお砂糖は摂っていますから、必要以上にお菓子を食べないこと。
私はシフォンケーキが好きでずっと作っていたことがあるんですけど、ある時すぐに作れずに分量を計って置いておいたことがあるんです。お砂糖と油の量に驚いて、それからパタッと作らなくなった経験があります。
シフォンケーキを1個作ろうと思うと1カップくらいの油が入るんですね。お砂糖も1カップ以上入っているのでエーッて驚くくらい。

油も20gなんです。大さじに2杯とちょっとなんです。大さじに12g入りますから。
油というのが一番エネルギーになります。
成分表にカロリーが書いてありますが、100gでお肉なんか牛肉でも280から360kcalなのに、油は100gで921kcalなんですね。
100gで921kcalということは、大さじ1杯で110kcalなんですね。ですから油はカロリーがすごく高いので、摂るという意識はなくてもいいんじゃないかと思います。

野菜は、今年になって350g摂りましょうということになりました。
芋類は100g。果物は200gを、一日の中で摂りましょうってことになっています。
現状では、350gが摂り切れていないんです。
主婦の方で毎日お料理を作っている方はそうでもないと思いますが、ランチタイムで「ここはサラダがついてるからいいわ」なんて思って行きますよね。お皿にサラダがフワッと載っていますよね。あれはグラムで計ると20gから25gしかないですね。
野菜はカロリーが低いんです。ただ調理法や食べ方によっては、マヨネーズをつけたりドレッシングをかけたり油で炒めたりしますとカロリーが上がりますが、元々が低いですから、お野菜は無制限にお摂りになってもいいと言っていいくらいです。

世界から注目される「日本型食事」は、伝統食。
今世界では、「日本型食事」というのが一番注目されていて、健康に健やかに長寿を全うするのは「日本型食事」だと言われているんです。
「日本型食事」とは何かというと、ご飯プラス一汁三菜。三菜というのは、主菜が一つあって副菜、副々菜といっています。
副菜も副々菜もお野菜で摂りましょうと言われています。
あとは、海藻とかごま類、コンニャクといったものが必要です。
きのこ類も野菜の数としてカウントしていないんですね。そういったものはオプションとしてどんどんお使いになっていただきたい。
こういう食品は、カロリーが低くてミネラル分が非常に多いものですから、オプションでどんどんお使いになって、副々菜のところは、ワカメとしらすのごま酢和えなんていう感じに1点作ってください。

よく一汁三菜をお皿で説明しますけど、そうすると「え、他にも二皿もいるんですか?」っておっしゃる方がありますが、別にワンプレートの中に入れてくだすっても全然かまわないんですけど、そういった献立の立て方をするということです。一つのお皿の中に全部凝縮されていても全然構いませんね。

お食事が美味しくいただけるかどうかは、健康のバロメーター自分の理想体重に近づいているか。顔色。肌のツヤがいいかどうか。
お通じがあるかどうか。深い睡眠が得られているかどうか。これらのことが、健康チェックの大きなことなんです。
自分で疲れているわって感じたら一度回復させて戻せばいいわけです。自分の時間を上手に使ってゆっくりと休養を取っていただく。
お食事も、体にいいお食事にもどしていただくということです。
これらのことに気をつけていると、病気のチェックにもなりますよね。
食事というのは、10年後のあなたにひびいて来るんです。
生活習慣というのは全てそうなんですけれど、食べていることが10年後のあなたに結果としてはっきり出てくるのですから、食事の内容は大切です。

この頃栄養教室に行くと、カルシウムのお教室ですとか食物繊維とか、塩分を減らすというテーマが多い。
カルシウムも、閉経期を迎えるとどうしても沈着が悪くなるんですけれど、実はそれまでにどれだけカルシウムを貯めていたか、骨を丈夫にして貯めていたかという結果が出てきてしまっているんですね。
それは30代40代の食生活の結果が出るということが多いですから、これからも皆さんは健康で長生きして若々しさを保っていくために、食事を大切にしていかないと、はっきりと10年後、早い人で8年後には結果が出てくるかも知れませんけれども、どちらにしても結果は出てきます。生活習慣病といわれるのは、そこなんです。
生活習慣病と言われて「私は何か悪い癖があるかしら?」という風にしかとれないような言葉なんですが、毎日朝昼晩、朝昼晩365日の繰り返しの食生活が、はっきりと10年後の自分に出てくるということなので、やはり気をつけてお食事をとっていただくことが大切だと思います。

食事も、ひとり上手になること
一人でいただく食事の機会も増えてきます。こうなってくると作るのも面倒になってきますが、この頃は色々なものがありますので上手に利用していただくといいと思います。
私の場合には、朝はいつもトマト一つとレタスっていうのが決まっているんです。
その日、人と会わない場合にはそれに玉ねぎのスライスを食べてますけれど、人と会う時には玉ねぎは臭いますから食べませんが。
それでも時間がない時や無理矢理早い時間の電車に乗らなきゃいけない時がありますので、野菜ジュースの缶を置いてあります。

野菜ジュースは簡単便利な体の味方。
野菜ジュースは、その中に何種類もの野菜が入っているのと、水分補給ということもありますね。
野菜ジュースは1缶200g入っていますが、自分の気持ちとしてはちゃんとして摂りたいと思っていますので、野菜ジュースだと「120gから150gの野菜は摂ったな」と朝確認して計算します。
これからは時間も大切になってきますから、皆さんもそういったものを上手に取り入れて利用してお食事なさるといいと思います。

栄養素的なお話をしますと、“美肌の基本”っていうのがありまして、私が料理を作る時に「これは美肌の基本よね」っていうのがカロテン、ビタミンC、ビタミンEなんです。この三種の神器はお肌に非常にいいんです。
この3つがなくなりますとすぐに肌に現れますね。
「カロテン」。これは野菜にしかないビタミンAなんです。
ビタミンCも、野菜からだけなんですけれど、特殊なのは、内臓・レバーにビタミンCが含まれているんですね。
私はドキュメンタリーが好きでテレビ番組を見ていると、エスキモーの人達は鯨を捕ったり、トドを捕ったりすると内臓をガッと出して、レバーだけをその場で食べてしまいますね。生のまま。そこでビタミンCの補給ができていると言われています。
あの方たちは氷の世界に住んでいますから、野菜はほとんど食べていないんですけれど、レバーでビタミンCを摂っています。
私たちはそんなことないですから、野菜から摂るんですね。

「ビタミンE」。これは若返りのビタミンと言われていますけれど、実は油から摂れるんです。野菜ですとか色んなものに少しずつ入っていますが、多くは油から摂れます。
先ほど、気にかけて摂る必要はないって言った油なんですけれど、やはり1日20g必要だというのは、そこからビタミンEを摂るからです。

ビタミンの話からしても、お野菜は350gと言われるけれど、400g摂っても450g摂ってもいいものですから、なるべく心掛けて摂っていただくようにお願いします。
昔は淡色野菜と緑黄色野菜って学校で習ったと思いますが、今は淡色も緑黄色も分けないで1日350g。
芋類は別として、芋は100gというとじゃがいもが約2/3個くらい。サツマイモでいっても約1/3個ですよ。
焼芋をペロリと1個食べたらちょっと多いかもしれないけれど、「昨日焼芋を食べたから今日は芋類はいいわね」というくらいリラックスした感じで、気楽に一週間トータルして考えていただければいいんじゃないかなと思っています。

健康だから快適な暮らしがあると実感中。
皆さんもきっと思ってらっしゃると思いますが、私たちにとって健康は本当に一番大切なことで、私もいろんなことがありまして、つくづく健康というものは大切だと今年身に染みて感じました。
とても元気だったお友達が具合が悪くなりまして、病院に入ってどんどん体重が落ちていったら声も出ないんですね。小さい声しか出ない。別に小さくしてるんじゃなくて、出なくなってる。

50代に入って体の色んなところが少しずつたがが外れてくるから、毎日どんな生活をどうしたらいいのか、自分で心掛けて養っていったり作っていかないといけないんですね。
先ほども言ったように、自分の健康は、“自分”でしかできないんですね。健康に対する先行投資、10年後に対する先行投資は自分でしかできませんから、バランスのよい食事を適切に摂るということですね。適度に摂るということ。
自分でコントロールできる時には、今までお話ししたことを心掛けていただく。そうして健康でいられれば、心も健やかにいられるんじゃないかと思います。

若くないからベストを求めることはないんです。
一日でグッ!とすることはなくて、まぁこの程度でいいかっていう、この「程度」を外さないようにしていただくのが一番いい。
そして、何かができなかったら専門家に任せる。病気でもそうですよね。
ある事が分からなかったら専門家に任せる。また、その専門家と上手に付き合う。「これどうしたら上手に食べられるかしら?」とか「どうしてもこれが苦手なんだけれども、どうやったら上手にお料理できるかしら?」っていうのは、上手に専門家と付き合っていくことも必要だと思います。

物事を解決する時に、自分で持ちきれない場合は、情報をなるべくたくさん取ってそれを正しく理解することが大事なんです。
でもだんだん億劫になってくる。だから、この「50カラット会議」というのは本当に色んな専門家の方がいらして情報も色々あるので、「この情報いいのかしら?どう思います?」って気楽に返せるようなネットワークが上手くできてると思うんです。皆さんも上手に利用していただけるといいと思います。

疑問があったらどんどん志垣さんの方に投げかけていただくといいですね。
先ほどいただいたリストを拝見したら、本当に色んな専門家の方がいらっしゃいますので。自分達に合った情報を得ていくことが、健やかに生きられることなんじゃないかなと思ってます。

同じ年代ですので、みんなで明るく楽しく健やかに生きたいと思いますので、是非「50カラット会議」にそういう情報を集めて、また皆さんにも情報を頂きたいと思います。時間もきましたので、このへんで終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

 宇佐美恵子さんのご講演
「第一歩は、なりたい自分、キレイな自分をイメージすること」

皆さまこんにちは、宇佐美恵子です。
今ご紹介いただきましたように、去年50才を迎えまして、4月生まれなのでもう51才になりました。
元々ファッションモデルという仕事をしておりまして、それからファッションコーディネーターという肩書きの仕事をしています。肩書きはそうなのですが、“美”とはもはやファッションだけではなくて、衣食住全てから生まれると私は思っております。
今、高城先生のお話を伺って、反省やら色々ありましたが、美しさを考える時に健康なくして美を語ることはできません。
目が美しいこと、お肌が美しいこと、そして美しい体型を保つためにも、食べる・寝る・運動するというこの3つが大変重要だとつくづく最近思っています。
私は45才くらいから、ずっと自分の体で身をもって人体実験しながら、色んなことをやって参りましたので、そのことを少しお話したいと思います。

45歳、自分の肉体を見直し始めました。45才くらいの時に、更年期障害かお仕事のストレスかちょっと分からなかった不調がありました。メニエル病と診断されたんですけれど、ちょっと普通のメニエルとは違うような気がしたんですね。
その頃から運動を計画的にやるようにいたしました。それまで私はけっこうスポーツが好きだったもので、ジムに通ったりもしておりましたけれど、計画的ではありませんでした。そこで、もう少し自分の肉体を見直してみようと思うことで45才くらいからやり始めたんです。
昨年50才になった時、先ほど高城先生がおっしゃっていたように、更に自分をリニューアルしてみよう、もう一度見直してみようと、計画しました。
と言いますのは、私の父方も母方も祖母が大変長生きでして、98、99で亡くなりました。となりますと、このままでいくと、私も100才はいくんではないかと思いまして。
そうすると50年今まで生きてきて、あと50年今と同じだけ生きなければならないと思った時に、もう一度色んなことを見直さないといけないんじゃないかなと思ったんですね。
ただ50年生きるのならともかく、現役でバリバリと、倒れた次の日には死にたいと思っている私ですから、現役で生きていないといけない。
そのためには健康に注意して、いつまでも死ぬまで女性は女性らしく生きたいと思ったんです。

手始めに、歯を治しています。
それで去年色んな意味で肉体を見直しまして、まず歯を治しています。
歯というのは50年間、まあ50年じゃないですね。大人の歯が生えるのは小学校3年くらいですか、それからですから40年くらいですか。40年くらい使った歯ですから、当然噛み癖があります。
私は右側ばかりで噛んでましたので、右がすり減ってました。ある時、非常に肩こりがしまして、それが歯の噛み合わせが原因だってことに気が付かなかったんですが、歯医者にいきましてちょっと高さを治していただいただけで、肩こりがスッキリその場でなくなりました。
それから歯のお手入れということで、今も治しております。
入れ歯にはなりたくない。キレイな歯を残したい。しかしすでに抜いてしまった歯がありましたので、インプラントということに挑戦しました。
それも上の歯だったので、上の歯というのは私の場合骨が薄かったので、10mm程頂角の骨がないとだめなんですが6mmしかございませんで、かなり勇気がいりましたけれど腰の骨を取って歯に移植して、それで今インプラントをいれたのですが、骨がつくまで6ヶ月くらい時間が必要ということで、今は仮歯の状態です。

食べるの大好き。だから代謝のいい体づくりしています。
食生活も見直している最中です。先ほどのお話では1日の必要エネルギー量1450kcalですか、私の場合は2500から3000kcalは摂っていると思うんですよ。
それは私は日本人にしては体格がいい。172cmございます。体重もけっこうあります。ただ、自分で基礎代謝がだいぶ少なくなってきたというのを自覚しています。昔と同じだけ食べても太るんですね。
でも、食べることが、高城先生のように大好きなんですよ。お酒も好きなんです。
ワインの会も色々やっていまして、仕事ではないんですが趣味でやっていますのでテイスティングすれば何種類ものワインをいただきます。お酒のカロリーは大変多うございます。
そこで私が考えたのは、たくさんのカロリーを消費する肉体をつくろうだったのです。今までと同じだけ食べても太らない体をつくろう。そんなことできるの?っていう顔をしてらっしゃいますけど。簡単に言ってしまえばですね、筋肉をつければ基礎代謝の高い体ができるんですね。あとで私のマッチョな肉体をご披露いたしますけれど、少々お待ち下さいませ。
去年当たりから特に筋肉トレーニングを多く入れまして、筋肉をつけるようにしております。
筋肉と脂肪とでは、基礎代謝が筋肉の方が高いのですね。ですので、私の体脂肪率は17.8。でも痩せていないんですね。
どういう肉体をつくろうかと考えたんです。スポーツクラブに通っておりまして、裸でお風呂に入りますよね。色んな年代の方がいらっしゃいます。美しい体ってなんだろうってじっくり観察させていただきまして。まぁ私も見られているんですけれども。
その時に思いましたのは、若い時に痩せているのはキレイに見えます。しかし、年を取ってあんまり痩せているのは美しくないって分かったんですね。
皆さんすごく安心したようなお顔をされていますけれども。でも、太ってるのはやはりいけないと思うんですね。
そこで、太りすぎない痩せすぎない自分の肉体っていうのを目指そうと思いました。
体重が何㎏ということよりも、もっと違う観点で自分の肉体を見てみようと。つまり引き
締まっていればいいわけですよね。
皆さんの中には、時々「20代の頃とスリーサイズが変わってないの。バストもウェストもヒップも変わってないの」っておっしゃる方がいらっしゃいますが、その間が変わってるんですね。バストとウェストの間ね、この胃の周り。ウェストとヒップの間の中ヒップ。つまり上から下に下がってきますし、曖昧な肉体になってるんです。

メリハリボディも、第一歩は歩くことから。
そこで、この曖昧な肉体をメリハリボディに変えようと思いまして、トレーニングを始めました。かなり筋トレを多くしまして、昔のようなスレンダーで美しい二の腕は望めない。しかしですね、これからの季節ノースリーブを着る時にダブダブとした振り袖のような腕にはしたくない。細い方でも運動してらっしゃらないと、腕がタプッとしてしまいますよね。そこでその肉をクッと締める運動を中心にしてまいりました。
おかげで体脂肪率が大変低くなって、少々食べても太らない体になりました。同年輩の皆さんよりもかなり多く食事をいただいていると思います。

昨日はちょっと粗食にしましたが、一昨日はある会がありまして着席でしたからフルコース。しかもワインも7種類テイスティングいたしました。
その前の日も私と4名で主催するシャンパーニュの会がありまして、これもかなり美食の会でしたので、そういうことが続きましたので昨日は粗食にしました。
かなりの量を食べても太らない肉体におかげでなってまいりました。
是非皆さまにお勧めしたいのは、自分がどういう肉体になるか具体的に目標をもって、そして筋肉を是非つけていただきたい。
基礎代謝の高い肉体をつくって、少々食べても太らない体になりましょう。
筋肉は大事な骨も支えているんですね。筋肉が弱ってきますと腰骨が支えられなくなり腰痛になります。姿勢が悪くなります。
簡単に言うと筋肉が熱をつくりますので、筋肉がないと体温がだんだん低くなってくるのですね。今低体温というのが大変問題になっていますけれども、いつも平均が35℃台だと非常に免疫力が弱くなります。例えば、35℃台だとガン細胞が大変増えやすいそうなんですね。
ですので、年と共に平均体温が下がってくるわけですけれども、筋肉を多くして基礎代謝を多くして平均体温の高い肉体をつくることが必要だと思うんですね。
筋肉の70%は下半身にあるんです。人間は二本足で歩く動物ですので、是非たくさん歩いていただきたい。歩くということは基本ですので、どんなにトレーニングをしていても歩かないと足腰が弱ってしまいますので、一日一万歩くらいを目標にして是非歩いていただいて筋肉をつけていただきたいと思います。
私がやっている方法は、ブラジャーの間に万歩計をつけまして、毎日歩いた歩数をつけているんです。そうしますと大変楽しいです。
一万歩あるけた日もあれば、車ばかり乗っていて千歩の日もあるんですね。
立っている時はわりと歩くんですが、普段事務所におりますと車人間ですので、事務所の中を歩いているだけ。そんな日は大変少ないんです。
自分がどれだけ歩いているか知ることが必要だと思うんですね。

顔も筋肉から出来ています。鍛えればキレイになります。さて皆さん、年齢はどこに出ると思いますか?まずお顔の中でどこに出るか。
よく皆さんは目の周りとか首とおっしゃるんですけれども。目の周りももちろんシワが出るんですけれども、やはりお口周りとフェイスラインに一番年齢が出る所ではないかと思っております。
実は顔も色んな筋肉でできております。この顔も運動をすることによって鍛えることができますし。フェイスラインも鍛え方次第です。お口周りは年と共にショボショボになって“梅干し婆さん”という言葉がありますけれども、ショボショボしてきますね。これも訓練で鍛えることができます。
特に口角というのが、年齢とともに下がって参ります。私も昔はこういう風につり上がっていた顔だったんですけれど、だんだん目が下が
ってきて、口角も下がって参りました。

ところが若々しい顔というのは、目がピッとしていて口角がクッと上がった、そういう印象が若々しいんだと思います。
それはもちろんメイクでもすることができますけれども、まず自分の肉体を口角が上がるように、美しい笑いができるようにお口の周りの筋肉を鍛えることが必要だと思うんです。
私の本の中に詳しく書いてございますが、簡単に言うと、割り箸をくわえてクックと口角を上げる練習をするだけでだいぶ違うんです。
我々の間で流行っておりますのが、パタカラといってプラスティックでできている、上の唇と下の唇をキュッと結ぶ訓練をする器具があるんです。
口唇圧というのを計りますと、それはニュートンという単位で計るのですが、私は男性並で14、15あったんですが。
年齢と共に口唇圧、口を閉じる力が下がってまいります。だいたい5才の方と80才の方が同じくらいの口唇圧。入れ歯になりますと、唇をつぶっていられないとか、パカッと出てしまうとかいうのは、口唇圧が下がっているからなんですね。
口唇圧を支えている周りの筋肉を鍛えることによって、お口をキュッとつぶることができる。なおかつ、口呼吸をしないで健康的な生活ができるということがあるんです。が、これも話すと30分1時間すぐ経ってしまいますのでこの辺にいたします。
お顔の中ではやはり口、フェイスラインですね。
フェイスラインも、実際にパタカラで運動をされた方はかなり顎の線がシャープになってまいりました。それだけでなくスポーツをしていれば、顔の輪郭がはっきりします。太ってらっしゃる方でもスポーツをされていれば顔のラインがシャープなんです。

首のしわ対策は、枕です。どなたからか首に年齢が出ると聞こえましたが、首のシワはどうしたらいいか?
皆さん高い枕を使ってらっしゃると、首にシワができやすいんですね。
だいたい平均しまして、2~6cmの枕がいいと言われています。それは各人の姿勢とか首のカーブ、骨のカーブによって違いますが。私の場合は1~2cmの枕を使っています。すごく薄い枕です。
旅先でホテルの厚い枕だと眠れませんので、バスタオルを四つ折りにして寝ております。
つまり、高い枕で首にシワを寄せてプレスされた状態で50何年も寝ていれば、どうしたってプリーツのようになってしまいますよね。
もう一度枕の高さを考えて、一度デパートなどで計っていただけるので、自分の正しい枕の高さを是非探してください。

こういうお話をすると、皆さん必ず「もう遅いわよね」っておっしゃるんですね。
「もう遅い」ということは絶対になくて、今やってることは、高城先生のお話のように10年後、早ければ5年後に出てきます。
私は常にそう思っていて、今も大切なんですけれど、今やっていることで私が60代になった時に、他の60代と全然違う60代になっていようと思うから、日々頑張っているんです。
今やっていることが必ず何年後かに現れます。もちろん一週間後にも現れますよ。でも、大きな意味では、何年も何年もしてくるうちに確実に違ってくる。
努力した人としない人では違ってきます。

美しい姿勢は、肩甲骨をしめることから!
今度はお体の方ですけれど、年齢が出るのはどちらですか?お腹?押さえていらっしゃる方がいますね。そう、姿勢ですね。ここで姿勢の話をしたいと思います。私が一番最初にモデルの仕事をし始めた時に学んだことが、美しい姿勢と美しい歩き方でした。
私が10数年やったモデルのキャリアの中で大変大きな経験になり、いまだに役立っていることです。それでも昔に比べて姿勢が悪くなりました。
でも、姿勢で舞台俳優さんは年齢を演じています。
例えば大きな舞台で森光子さんがお話を演じるとしますね。10代からずっと60代まで演じるわけですよ。
顔はかつらの中でシワをキリッと上げて、たくさんのライトがありますからシワがあっても分かりません。ところが立っている姿は、年齢が出てしまうんですね。森光子さんがおっしゃっていたのは、「何よりも10代の娘役の姿勢をすることがつらい」って。
じゃあ10代の娘役の姿勢ってどんな姿勢ですか?
皆さん10代経験してきましたよね。突然50代になった方はいらっしゃらないと思いますけれど。
10代。今よりも10kg痩せていたかもしれない…。
10代の姿勢というのは、肩胛骨と肩胛骨の距離が短かったんです。若い子のお洋服というのは、背幅が狭いんです。いわゆるオバサン服と言われるものは背幅が広~く取ってあるんですね。
今日パッと見回しても、わりとジャケットを着てらっしゃる方は少ないんですけれども、「最近ジャケットがどうもきつくて嫌なの。ニットが一番」と思われている方はちょっと危ないですよ。ニットは伸びますからね。背幅が広くなっても関係ないですから…。
お太りになってない方でも、肉じゃなくて、肩胛骨と肩胛骨の間が確実に開いてくるんですね。是非、肩胛骨と肩胛骨をくっつける姿勢をしていただきたい。
大変申し訳ないんですが、どなたかお二人ほど見本になっていただけませんでしょうか。そちらの方、ステキな方いらっしゃいました。お願いします。
(和田礼子さんと小林恵子さんに、ご協力いただきました)
今が普通の姿勢ですね。手の位置をご覧下さいませ。前に出ていますね。前肩ですね。本当に美しい姿勢は、手が脇線に載っかっているはずなんですよ。
皆さん後でご自分の姿勢をチェックしてみて下さい。多くの方が前に出てるんです。それは肩胛骨が前に出ているからです。
そこで、皆さんこの姿勢を覚えていてください。今の感じ。和田さんと小林さんの手の位置を覚えていてください。

ここからはお座りの方もご一緒にやっていただいてけっこうですが、前から後に肩を大きく回します。ポキポキ音がしてません?すごいですね。
10回まわしてください。10回まわしたら肩胛骨と肩胛骨をいつもより1cmくっつけてください。どうですか、お二人とも変わりましたでしょ。
はい、もう一回大きくまわして2cmつけるつもり。もう一度やって3cmつけるつもり。ほら、これだけで真横に手がきました。
こうやって毎日10回ずつ、気が付いたら前から後に大きくまわして、自分の手の位置がどこにあるかチェックして下さい。

それともう一つ。姿勢が悪い方というのは、胸の面が、バストの大きい小さいはちょっと関係ありますけど、壁と平行なんですね。ところがよい姿勢をしていると、胸の面が斜め上、お空を向くはずなんです。
簡単にチェックする方法をお教えいたします。自分の姿勢が正しいかどうか。
まず両手を頭の後で組んでください。顎を真っ直ぐにして下さい。きついですね、かなり反り返っている感じがしますね。
例えばウォーキングのレッスンですと、このまま歩くんです。このまま歩いて、途中でそっと下ろすんです。それが正しい姿勢なんですよ。
お腹の下にちょっと力を入れて背筋を意識してください。腕をそっとそのまま下ろす。さっきよりも胸の面が斜め上を…ちょっと向きましたね。いかがです?きついですか?

それから、右と左の肩を結ぶ線が歪んでいないか。鏡を見てチェックしてみてくださいね。左右の肩を結ぶ線と左右の腰骨を結ぶ線が平行になっているかどうか。これは50年以上生きてきた方の日頃の癖で、いつも左側の窓から頬杖をつきながら外を見ていたとか、色んなことで癖がついています。ですから鏡でチェックして下さい。お尻のほっぺたとほっぺたの間に軽く一枚の薄紙を入れて、そしてお臍の下を締めてますよ。顔は真っ直ぐですよ。
頭の上から一本の線で引っ張られている感じ。そう!10才若返りますよ。
ね、皆さんどうですか?先ほどの姿勢はどうでした?
ということで、皆さまも是非このチェック項目をしてみて下さい。
いい姿勢ってどうだったかなって思ったら、頭の後で腕を組む。その時にきついからって顔が下を向かない。真っ直ぐ前を向いていること。
胸の面はいつも斜めお空を向いている。キレイな姿勢で是非歩いていただきたいと思います。
歩き方も、とってもキレイな歩き方というのがあるんですけれども、またの機会にさせていただきます。

スタイルのキープは、おしゃれを広げる鍵です。
次に着こなしのお話をしたいと思います。もちろん、スタイルを美しくキープしていなければいけない。これは大切なことです。そうしないとオシャレの範囲がどんどん狭まってきちゃうんですよ。
50代の方が必ず口にする言葉。「最近、私着る物ないのよね」そうじゃないんです。着る物を着られる体型になってないんです。
ウェストを締めて、足首を締めて、フェイスラインを締める。そうしますとね、装うことが楽しくなるんです。ちょっと痩せてスッキリしてくるとオシャレが楽しくなります。
私も決して痩せてないんですけれど、いよいよマッチョな肉体を見せる時がやってまいりました。
せっかくですからキレイなジャケットの脱ぎ方をしながらジャケットを脱ぎたいと思います。(ワー!拍手)
実際すごいんです、この筋肉。嘘じゃないっておわかりでしょう?45才くらいからずっと鍛えて参りまして、ただあんまりマッチョにはなりたくないんですけど。
色んなことをやってます。水泳もやってます、筋トレもやってます、去年からテニスも始めました。
テニスを始めたのは、ものに対する反射神経が最近鈍くなってたのを感じたからです。車がきたらヒョッとよけるとか、ものが落ちてきたらヒョッと逃げるということがだんだんできなくなると思ったので、テニスというのは自分との距離感をつかみながら球に向かっていきますよね。すごく上手になる必要はないけれども、一週間に一度くらい衰えていく敏捷さをこれ以上衰えないようにキープしたいなと思いまして始めてみました。

宇佐美恵子さん流オシャレのコツは、小物上手。
宇佐美恵子風のオシャレというのはですね、シンプルなワンピースとかパンツですとかインナーを着ます。
その上に色んなものをつけながらデイタイムからアフターファイブまで、アクセサリーと小物で変えていくというやり方なんです。
今着ているワンピースも3枚持っているんです。元はハイネックで袖もこんなにくれていないデザイン。襟を取って袖のくりを変えて、微妙に変えて3種類持っているんです。ついでに値段も言いますと3万3千円でそんなにお高いものじゃないんですよ。今年も出たので1枚、去年も出たので1枚、一昨年も1枚買いましたけれど、カルバン・クラインの国産ものです。
例えば今みたいに、皆さんの前に立つときにはきちっとしたジャケットを着れば改まった雰囲気になります。
仕事をしている人間ですので、皆さまにお目にかかるような機会もありますし、打ち合わせをする時間もあります。デスクワークしている時間もありますし、夜パーティやレセプションに行く場合もあります。
様々な場面で、一々全部着替えている時間はないので、車の中に色んなものを積んでおいて着替えるわけですね。

これから色々替えていきたいと思いますが、朝はこんな格好でまいりました。ジーンズのジャケットを着てきて、先ほど白いジャケットに着替えたわけですけれど。本当はベルトはしないで、ジャケットの前を閉めてきてもいいんです。
ジャケットとインナーにするベルトですとかアクセサリーのテイストをお揃いにすればいいんですね。今日は靴までは持ってきませんでしたのでしたが、カジュアルなものを着たらカジュアルなペッタンコの靴を履いたらいいかと思います。

私は黒という色が好きだったんですけれど、年と共に黒がきつすぎるという状況があるんですね。
健康な時、元気な時は黒でも大丈夫。ところがちょっと疲れていたりすると黒がきつすぎたりします。そんな時には、元気に見せるために大ぶりのイヤリングですとか、きれいな色を羽織りますと、全体が明るく見えます。
全部黒となりますと、お肌の質感というかくすみがそのまま出てしまうんですね。
ですからお化粧をしっかりしなければなりませんし、アクセサリーもおおぶりなものを付けて元気にみせてあげることが必要になります。
パールのイヤリングなどを付けまして、もう少しゴージャスにしたければパールのネックレスを一つすればいいと思います。ちょっとアクセサリーをくわえるだけでドレスアップしていくのです。

ドレスアップとドレスダウンは、TPOで使い分けないといけません小物だけで一つのワンピースがドレスアップしたりドレスダウンすることができます。夜のパーティなどでしたら、タフタ系のブラウスを羽織りますと、更に雰囲気がドレスアップいたします。
これはパレオなんです。パレオというのは水着の上に羽織ったりする布なんですけれど、私の場合はテーブルクロスにもなりますし、パレオにもなりますし、時にはお洋服の上にスカーフとして使ったりもします。
これに白いサンダルでも履けば、真夏の海でもOKかもしれない。全然違いますよね。パレオも首に巻く場合、特に身長の低い方は上にポイントをもっていくといいんですね。ですから、首に巻いてベルトで区切らない。
私の場合は背が高いので間が抜けて見えますけれど、上にポイントを置くと下が細く長く見えるんですね。背が高い場合はベルトがあった方がいいと思います。
腰に巻いてもいいですね。
皆さんパレオはパレオにしか使わないのではなく、私のようにテーブルクロスに使っ
たりスカーフのように使ったり、アイデア次第で色々使えるんですね。アクセサリーを加えて、パレオを肩にかければ真夏の夜のお食事なんかにもよろし
いかと思います。

もっともっと永遠に続けることはできますけれど、お時間がきたようなのでこの辺にし
ておきます。ステキな女性というのは女であることを捨てない方だと思います。どこか
で「もういいのよ」って思ってしまうと女性は色気がなくなります。いつまでも女性であ
ることを楽しむために美しい肉体をつくることをしていただきたいですね。
そしてオシャレというのはお金を使わなくても創意工夫でできるものです。ですからオシャレを楽しんで下さい。
今日はありがとうございました。

 

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