50カラット会議

39号 50代だから集まれる仲間がある

2003年9月 発行所 「50カラット会議」

50カラット会議レポート 

39号

50代だから集まれる仲間がある

 

同輩の男性たちの間に、学生時代に思い切り楽しんだことを、今、復活させたいという動きがあるらしい。 ずっと体の中に潜んでいた音楽好きの虫がうごめき始めた人、海の波間でのひと時を思い出して胸騒ぎが治まらなくなった人、グランドの土が懐かしくて膝をなでまわしている人が、昔の仲間に声をかけているらしい。 家族のためにも、仕事仲間にも、やれるだけのことはやってきたのだものそろそろ自分の体力と気力を自分に注いでみたいというらしい。
いつも自分に夢中だった女性たちからみると、聞けば聞くほど、だったらやれば。善は急げですよと応援したい気持です。 今回お話を伺ったのは、学生時代にバンドに夢中だったという男性たち。 歯科医師会で見知った顔をライブハウスで見かけて、もしやと声掛けたのがバンド結成のきっかけだったとか。「いい音だすね。全員歯医者?スゴイねな~んて!」と笑う、スペースマウンテンボーイズの皆さんです。

蛇の道はヘビに聞くシリーズ㊴

50代流音楽の奏で方・聴き方

結成3年のスペース マウンテン ボーイズは、カントリーミュージックのバンドです。
メンバーは、歯医者さん。練習はビルの診療所、無人になるフロアで、気兼ねなく音を響かせます。月に2回程度予定するライブは、レストランを経営する同年代から出演依頼が飛び込みます。若い人たちは、練習のスタジオもライブの場も、探すだけで大変なはず。
こんなところも、50代ならではのネットワークがモノを言います。
ライブの日は、診療も早仕舞い。「機材をセットしたりする時間が要るでしょ」と、これまたいい笑顔です。「妻たちは、飲み歩かなくなって健康的と安心しているようです。ライブはドキドキして聴いてられないって言うんですよ」と恥じらいました。

 

目次

1.いまだから出来る、現役だから出来る楽しみへ
2.学生バンドからの空白をひとっ跳び。
3.やるからには上手くなりたい。
月2回のライブステージは、楽しみと励みのもと。
4.音楽を楽しみ、仲間を楽しむのが50代流。
これまでに培ってきた人脈は、サポーターになってくれる。
5. 50カラット会議のNPO化ご報告パーティでも、
The Drunkards という50代バンドが登場しました。

1. いまだから出来る。現役だから出来る楽しみへ。

  バンド仲間が見つかった!

社会人になって以来聴くだけになっていたが、ライブハウスで出会った見かけた顔が医師会の仲間と知って、もしや!と接近。
医師会の忘年会でのかくし芸が初舞台でした。

●自分を振り返る余裕が出来た。
「おつきあい」は、仕事だけで十分と思うようになった。これまで人のために散々働いた。そろそろ自分のために時間を使いたいと決意。覚えのある楽器へ一目散

●現役の同輩先輩たちは支援ネットワーク。
長年の人間関係が楽しみ実現に力を貸してくれる。演奏する場所、ライブにはお客も動員してくれる。潜在予備軍もいっぱい。

●やっと楽器が買える歳 になった!
楽器を持つ自分の姿への憧れが再び頭持ち上げた。質屋でギターの掘り出し物を見つけた。質屋の親父もいいものと知って安く譲ってくれた?

 

ほどほどの緊張感が楽しい。パワーはともかく、気持の余裕がいい音になってるなと嬉しい日々。

「働かなくても遊んでいられる身分っていいよね」と憧れる気持も分るけれど、「趣味だけの世界になるのは、まだつまらない・・」50代。
昼間、仕事をしているからこそ楽しみな練習日だそうです。バンドを始めるまでは、余暇はゴルフ、夜は医師会の世話役やお酒を飲むのに忙しかったし、何か楽しみをと落語に挑戦したこともあったという方々です。バンド結成して3年。
「いい音をだすねぇと言われたい」と目標を掲げるものの、それでも気持は余裕の50代。楽しむために始めたのだから、緊張感のあまり腹を立てあうということはなく、お互いの持ち味を楽しむ余裕とでもいうのでしょうか。昔は体で楽器に向かっていったけれど、いまは「いろいろな経験も積んで、心で音を出しているのかな。余裕でやっているのが、音に出ていると思う」のです。
楽器を抱えている様子は、それはそれは嬉しそうな男性たちでした。

 ギターを抱える、それだけで心は躍る。

□カントリーミュージックの魅力は、幸せ感です。
リーダーの足利陽一さんは、学生時代からカントリーミュージック一筋です。 スペースマウンテンボーイズでも、ギターとボーカルを担当しています。
「聴くと、それもカントリーなのかっていう位、小学唱歌にも入っていたりするのですがイメージは、カウボーイハット被って、大きなバックルのついたベルト、ジーンズといういでたちで歌う歌でしょうか。もっとも、それは正装。最近では、普段着で歌う歌っていうイメージになりました。僕は、メロディに魅かれています。悲しい気持なのに明るく歌ってしまうメロディ・・。」
使っているコードも、明るい感じの和音が多いそうです。それで悲しいメロディを作りだすのだそうです。足利さんは続けます。「その悲しい曲をキレイに歌う。失恋した歌でも、バラードみたいなキレイなメロディなんです。テネシーワルツだって、歌詞を聴くと悲しく切ない。なにしろ、アメリカの開拓時代は、女性が少なくて男が多かったから、命かけてたんですから。女々しいんですよ」。
アーコスティックギターを弾く石井克旺さんは、「歌というのは、心の叫びとか、そう言うものだと思うけれど、演歌みたいな情念とかは感じません。あっけらかんとしている。日本の演歌って、暗い方面の三面記事をそのまま歌っているけれど、カントリーは、歌詞は淋しいのに、神様が決めたことだから・・・っていうか、明るいメロディなのね」と、 説明してくださいました。

□ ギターは、質屋さんで見つけてきました。
学生時代からずっとご無沙汰していた楽器です。 最近では、楽器レンタルもあって、試してみたいなと思えば簡単になりました。 石井さんのギターは、質屋さんでの掘り出し物です。 「すご~くいいものなんです。オーベーションというメーカーのものです。表面は木、内側はグラスファイバーで、エレキギター風にも使える舞台用のもの。10年前の製品ですが、買って帰って磨いたら、なかなかいい音。55000円でした。質屋の親父さんも、多分知っていたと思うんです。同年代の意気に感じてくれたのではないかな。同レベルのものって、いま30万円台ですから・・・」
足利さんのギターも、由緒があります。メーカーはギブソン。100周年を記念して作られたアメリカの女性歌手エミルー・ハリスモデルのカスタムメード100本の内の1本です。漆黒のボディのピックガードとして、ピックが当たる場所には、バラのインレイが施してあります。従って、ギターの名前は「J-200ザ・ローズ」です。

□ うつ病も、楽器復活で治った!という友達がいます。
昔の音楽友達の中に、楽器を再開したら、うつ病が治った人もいらっしゃるそうです。 大忙しで仕事に明け暮れて、ふと立ち止まるのは、女性だけではないのです。 そんなとき、帰る場所が音楽だなんて、いいですね。まわりに、「ギター買おうかな」なんて呟く人がいらしたら、奨めましょう。

 2.学生バンドからの空白をひとっ跳び。

「やりたいねぇ」が挨拶がわりだった幾年月。

あの頃、楽器をやっていた人の半分は、今も楽器をいじりたいと思っているはず・・・

●卒業以来の空白にも夢は秘めていました
ヒマな時には、ライブを聴きに行き、音楽の知識には関心を払ってきました。

●昔体に染み付いたリズム感は残っていました
再開を決めた時、先ず楽器探し。いきなり新品でなくてもと、中古のギターを買った。

●運良く、縁あって仲間が集まりました
皆、初めから乗り気だったわけじゃない。お付き合いと思って始めてハマリました。

●始めた当初は持ち曲もたった5曲。
リーダーがカントリーをやろうと提案。他の人はラテン、ジャズに関心があったが、そう言うのならと開始。

 

カントリーミュージックには、50代の幸せ感がある。

スペースマウンテンボーイズは、カントリーミュージックのバンドです。 赤坂にあるレストランでのライブにお邪魔して、びっくり。
カウボーイハット、ウエスタンシャツにブーツ姿のバンドマンたちは、幸せそうに次々と歌い、演奏していきます。 「カントリーミュージックって、歌詞を聴くと悲しい内容も多いけれど、メロディは明るいでしょ。これもあれも、神様の成せるわざと受け止めて歌う楽天的なところがいい。演歌だと、貧しさや悲惨な暮らしをそのまま歌うのだけれど、カントリーは、ふわっと幸せに歌うところが気に入っています」とのことでした。
リーダーの足利陽一さんが「普段着の音楽です」とおっしゃる通り、よき時代のアメリカを彷彿とさせる親しみに浸りました。 元々はラテンやジャズが好きとおっしゃる石井克旺さんのギターは、「ほんとうはいいものなんですよ。質屋の親父もそれを知ってて、安く売ってくれたと思う」というもの。50代が夢を再開することへの応援だったのでしょうか。 ギターを抱えているときの様子は、皆さん、幸せそのもの。出歩く時は、歌詞カードを忍ばせているのだとか。カントリー漬けです。

学生時代は、バンド三昧でした。いま、その再来です。

□ 中高校生時代から、学園祭はエレキで活躍しました。
ベースギターの木村淳さんは、子供の頃からピアノ、バイオリン。中学時代はブラスバンドでしたが、足利さんや石井さんは、中学高校から始めました。
けれど、皆さん再開組です。 足利さんは、青山学院大学卒業後、歯科大に入りましたが、青学在学中はバンド三昧だったそうです。
「当時は、学生バンドはプロと境がないような活躍ぶりでした。けれど、社会人になってからは、聴くだけ。 音楽を始める前は、余暇は、医師会の世話役もしっかり引き受けていましたけれど、ゴルフとお酒でした。車の中、診療所で音楽を聴き続けていたものの、楽器を持って皆で集まるという機会はありませんでしたから」と、振り返ります。  そんな足利さんと石井さん、木村さん、それに他のメンバーとのバンド結成までには、 「縁あって・・・」のきっかけがありました。

□ 医師会の忘年会が初舞台です。
石井克旺さんは、足利さんに声を掛けられた時のことを、よく覚えています。 「医師会の勉強会に出席していたら、突然声掛けられたの。ある歌手の音楽を聴きにライブに行ったとき、僕を見かけたっていうんです。足利さんの方は、どこかで見た顔と思っていたっていうわけ。トントンって肩たたかれて、今度やりたいねって話はしていたんです。でも、とっかかりがなかった。 そんな時、予算がない医師会の忘年会をやるにあたって、プロを頼まずに自分たちでやろうかと、初舞台が決まりました。そのうち、エレキ、キーボード、ドラムが加わり、現時点では、足利さんの後輩のフィドルも加わって、7人編成のバンドになったのです」。
ベースの木村さんも、「足利さんがやろうって言わなかったら、絶対にこうはならなかったでしょうね」と、おっしゃいます。 「一緒にやってみませんかって誘われましたが、カントリーって聞いて、最初は正直あまり乗り気ではありませんでした。カントリーミュージックに馴染みがなかったし、マイ
ナーそうだし。でも、知りたいなって加わりました。僕は、ハンクウィリアムスの名前も聞いたことがあるという程度でしたしね。
けれど、50代を前にして、仕事まわりの世話役で忙しくて、そこから抜けられない人って多いでしょ。僕もそちら側の人間だと思っていたのだけれど、いいタイミングでバンドに出会いました。そろそろわがままにしてもいいかなと思うようになりました」。

□ 楽器を抱えている自分の姿を想像しただけで、胸キュン!
「僕と同年の人で、楽器を持つ自分の姿を想像して、楽器やりたい!って始めた人がいます。その人の患者さんに、ディズニーランドでクラリネットを吹いている人がいて、その人に興味本位で、やりたいって言ったらしい。格好をイメージして、凄くいいなって楽器始めた。いま、ジャズバンドやっていますよ」というお話も伺いました。ちなみに、楽譜は読めなくても、楽器は扱えるというものなのだとか。
女性たちが自分のキレイをイメージしてケアに励むように、目標をイメージすることは、成功への道のようです。志が高ければ、夢は叶う。ほんとうです!

3.やるからには上手くなりたい。 月2回のライブステージは、楽しみと励みのもと。

新曲を月1曲マスターします。

この曲と決めると、ソラで歌えるように、歌詞カードを持ち歩く。診療室でも、BGMはカントリーミュージック。

●音楽への知識欲は旺盛
音楽のルーツ、歴史、曲の特徴、楽器の変遷など博識揃い。学生時代のパワーに代わって、音楽への慈しみが強くでるようになって、心で歌っていると実感している。

●聴衆が多いと嬉しい!
初めてのライブは緊張しました。学生時代のようにバンド合戦するのは、心臓に悪そうだけれど、ライブは楽しくて大好き。「いい音だすね・・」と喜んでもらいたいと精進中です。

●ライブは、月2回。時にはパーティで演奏も。
仕事あっての趣味。まだ趣味だけの世界には早すぎる。ライブがある日は、診療も早仕舞い。楽器抱えて、ミュージシャンに変身!

 

練習も、ステージも楽しい。

□ 指が変形すればするほど、嬉しいなんてね。
高校のとき以来、ほとんど楽器に触っていなかったということもあり、一人一人猛練習です。練習日は月に3回。水曜日に2回と日曜日の1回です。
練習日も、メンバー皆が揃うのは、午後10時頃という状況ですが、それぞれ自分の時間に、家族の耳にタコを作るくらい練習をしています。
ですから、練習日は、メンバーの音あわせ、気持の交流が中心です。雑談を楽しみながら、お互いの「いい音」を聴き、合わせていきます。
「指が変形すればするほど、嬉しいなんて気持になったり・・。変だよね」と笑います。
傍で拝見していると、それぞれ違ったキャラクターですが、傍目にも、それぞれが別の役目を持っているように見受けられ、一体感があります。
50代ならではの余裕なのでしょうか。

□ ステージは、気合が入ります!
最初は、友人がオーナーのレストランから、「出てみませんか?」と言ってもらいました。 「最初は緊張しました。特に1曲目は・・」と、思い出しています。 しかし、自分たちも成長してくると、段々聴いて欲しいという気持が強くなりました。「発表会はあった方がいい。ずっと練習だけじゃ詰まらないですからね」。 目下、レギュラーは月に2回。それ以上は、メンバー全員が揃うことに無理があります。 「夕方からのステージでも、セッティングとかに時間が要りますから、早仕舞いする。 結婚式の披露宴で演奏をというお申し出もいただくことがあります。でも、パーティでの 演奏は楽しいし、調整がつけばお受けしたいと思っています」とのこと。

□ステージは、全員楽しみに取り組んでいます。
「最近は、歌詞を忘れることがあっても、ドキドキすることもなくなりました。結婚式の祝辞は緊張するけれど、トークは楽しい。自分が正しいと信じて、図々しくなったということでしょうか。楽しくて仕方ないです。おやじバンド合戦というのにも出てみたい気はするけれど、心臓によくないよね。血圧あがっちゃう。学生バンド合戦の緊張感を思い出すだけで、倒れるかもって思います」と、リーダーの言葉です。

□ ご家族は、以前より健康的と安心のご様子。
「家内は、聴いているとドキドキして見ていられないって、来ないんです」とおっしゃるのは、木村淳さんです。以前落語をやっていた時に、浅草の木馬亭の席で、絶句しちゃった時があって、そのときのことが頭から離れないらしいというのです。足利さんも、「あまり遠くなければ、たまに来ますね。家で耳にタコが出来るほど聴かされてますから」と笑います。バンドを始める前は、ゴルフ、お酒でしたから・・・ということもあって、バンド結成後の
生活は、ずっと健康的らしいのです。深夜に及ぶ練習日も、「眼の届く所」にいるというわけです。夫が、ウキウキ楽器片手に出かけていく姿は、見送るご家族も、ほのぼのなのではと推察します。

 

4. 音楽を楽しみ、仲間を楽しむのが50代流。 これまでに培ってきた人脈は、サポーターになってくれる。

自分でライブハウスをとまでは・・・

仕事のあと、練習に駆けつける。その時間がまた嬉しい。ライブは全員が集まらないと出来ないから、月2回が限度。
結婚式でというお誘いも受けきれないが、これでいい。

●「いい音出したい」夢中のレベルは揃っています。
自分が一番、あいつは下手なんて思う間柄では、続かないはず。お互いの音と合わせるのを楽しみに集まるように、家で密かに腕を磨きます。

●それぞれの個性を楽しむ余裕があります。
職業が同じというのも行き違いが起きない背景かも。楽しむ仲間という余裕が、義務や負担を感じさせないから、練習も和気あいあい集まる時間も各自任せ。

●50代同士、持っている ものを出し合って、  楽しみは実現する。
「うちでやれば・・」と声を掛けてくれるレストランがある長く生きた分だけ、友達も増えて、場所にもお客さんにも恵まれています。

 

 バンドがやれているという自信と自負が、「年を重ねても幸せ」な未来を予測させる

「学生時代に楽器をいじっていた人なら、半数はいまもやりたいと思っていると思う」と、おっしゃいます。 「いつだったか、NHKで、おやじバンド合戦って番組があったけれど、すごく興味深く観ましたよ」。その頃は、そんな仲間が会えば、「いつかやりたいね」を挨拶代わりにしていました。
社会人になって以来、趣味の時間はとりようもなく、まして皆で集まるなどは、夢のまた夢だった人たちなのです。
それが、「縁あって・・・」始まりました。 リーダーの足利さんが、「ライブハウスで見たあの顔!」を医師会で見かけて声を掛けたのが初めの一歩。その年の暮れには、医師会の忘年会で、かくし芸としてご披露。そこから、血がたぎったといえそうです。初めは、「カントリー?」と言っていた石井さんも、木村さんも、「リーダーが言うなら」とウエスタンハットを被りました。それぞれ雰囲気もまるっきり異なりますが、バンドをやれている幸せを語るとき、同じ表情になりました。

 オフィスとステージの二足のわらじが心地よくて・・・

□ 抱えていることを少しずつ片付けてきました。
「2年前までは、自分で忙しい生活に追い詰めていってると思う時期が続いておりました。興味のあることは沢山あるし、音楽以外のことでも、安請け合いしていくって風でしたからね。その合間に、ジャズとかやってきて、練習日が決まってくると、身辺を整理しないと動きが取れなくなって。大分整理しました。 でも、まだ抱えてはいるんです。大袈裟な言い方をすれば、他人のためにしている仕事を、少しずつ減らしています」と語るのは、木村淳さんです。
他の方々も、同様のようです。

□ 初め持ち駒は、5曲でした。
初めてのライブの時は5曲しかなかった持ち駒でしたが、毎月1曲のペースで増やしてきました。 皆が集まっての練習は、月3日ですから、あとはそれぞれ自宅での練習です。  「どうせやるなら、ただの仲良しバンドに留まらず、上手くなりたいでしょ。いいバンドだね、全員歯医者さんなのか、そりゃスゴイや!って言われたいよね」という気迫がそれぞれのニコニコ顔の中に潜んでいるわけです。けれど、練習風景は、いつも和気藹々です。
「皆それぞれ嫌いなことをしているわけではないので、家で練習は積んでいるので、集まる目的は、その成果を煮詰めるだけ。冗談が飛び交う、楽しい時間でもあります。それぞれ違う性格の人が集まっているけれど、例えば、人を傷つけることに無常の喜びがあるなんて人はいない。性格はそう悪くない。必ずしもいいとはいえないけどね」と笑います。

□ 健康管理にも気をつけます!
「最近、指ケガしちゃった時に、あっマズイ、ベースがひけない!って先ず思ったけどいや、そうじゃなくて仕事ができない!って思っちゃった」と照れるのは、木村さん。  「風邪もひけないよね。成人病にもならないようにと、気をつけてます」 「ホント!僕よく冗談で言うんですけれど、リハーサルのこと『リハ』っていうでしょ。口が悪いかも知れないけれど、リハ=リハビリ。音楽をやる暮らしは、健康的ですよ」とのこと。
「もっとも、味をみないで、料理にお醤油かけちゃうなんていう人もいますけどね。でも誰か休むと音が揃いませんから、迷惑かけられない・・」と、体にも心にもいい暮らしを始めています。

□ ライブハウスを持ちたいとまでは思っていません。
歯医者仲間には、ライブハウスの持ち主になったという人もいらっしゃるそうです。 けれど、スペースマウンテンボーイズの皆さんは、それより自分たちの音楽づくりに夢中です。オフィスにいる時間があるから、音楽が楽しいという気持もまだ強くて、「今日はライブだから早仕舞い!」なんて笑う楽しみは続きそうです。お幸せに!

5. 50カラット会議のNPO化ご報告パーティでも、 The Drunkards という50代バンドが登場しました。

 The Drunkardsも、 カントリーミュージックで50カラット会議メンバーを陽気な踊りに引き込んでしまいました!

●早いテンポの音楽は、考えるより動くこと!という50代の気性に合っています。
バンド前は、ダンスフロアになりました。

●スローなテンポの音楽は、時々は静かな休息を・・という50代の気分に合っています。
男性たちも、思わずダンスを申し込んだりして・・

●怒っている音楽がない。
誰かの喜びや哀しみと 自然に同化していくのが 押し付けがましさ嫌いの50代には心地よい。アメリカのよき時代の音楽なんです・・・

聴く方も、50代流の楽しみ方しませんか

Space Mountain Boys もそうですが、音楽というのは、奏でる方も聴く方も50代流がありそうです。
体力いっぱいでぶつかっていくというよりは、体に音楽をまぶしていくとでもいうのでしょうか。 50代の男性たちは、あちこちでバンドを結成する動きです。 集まり大好き、パーティ大好きの私たち女性ですが、そんな場所に、そんなバンドの登場を企画してはいかがでしょうか。 50カラット会議でも、広い工場敷地や農場をお持ちの企業に向けて、見学方々50代同士の花見酒コンサートにお誘いしてはと、ご提案してみるつもりです。
例えば、カゴメ㈱になら、「熟つぶコンサート」。熟年による熟年のためのコンサート。もちろん、「熟つぶケチャップ」のキャンペーンをかけての農園コンサート。 ビール会社なら、工場見学だけなどといわず、工場で「相棒たちのコンサート」を聴きに行く女性ツアーもよさそうです。
それとも、50カラット会議の歌手たちとの「50カラット・ジョイントコンサート」とか?!

「50カラット会議がNPOになりました」ご報告パーティから

□ The Drunkards は、湘南方面でご活躍のカントリー&ポップス6人組。
30分間ずつ2回お願いしますということでしたのに、会の進行次第な上、50カラット会議のメンバーの乗りのよさと、「私、お誕生日!」と申告する人まで現れて、バンドの方々も、「アレレ!」。 ウエスタンハットはおひとりでしたが、全員アメリカの国旗がデザインされたコスチュームに身を包んでの登場でした。こんなこともあろうかと、バンドの前フロアを広くしたのは、大正解。 いつしか、「踊る50カラット会議」なのでありました。
カントリーミュージックが、50代を幸せにするというのは、本当です!

□ 結成15年。は、正式には「サミー平野&The Drunkards」。
職場はそれぞれ違う40~60代です。プロフィールをいただいたところ、スチールギターのご長老から始まって、一番の若者40代のドラム担当まで、こんなご紹介がありました。  「スチールギター担当:自由気ままな人生だが、お酒が入ると更に気ままになります」  「ベース担当:車好きの、ぶっ飛びおじさん。そんじょそこらの若者より若いぞ!」  「フィドル担当:やっぱり、お酒好き。フィドルとは、ウエスタンのバイオリンです」
「エレキギター:いつもニコニコ。小柄ながら力持ち。ギターテクニックは、抜群」 「ボーカル&ギター担当:芸名はサミー平野。大きさと派手さで、遠くからでも目立つ」  「ドラム担当:やせ細ったカラダでパワフルな演奏をするのは、一番の若者」。
皆さん、茅ヶ崎、平塚方面で、地元ライブでご活躍です。 ボーカル&ギター担当のサミー平野さんは、OZZ3AC-FM局の番組「湘南ナパサ・カントリーナイト」火曜日を担当。フィドル担当の川口史夫さんは、隔週土曜日に「ブルーグラスアワー」のDJをしています。
ラジオのチャンネルを合わせてください。78.3MHzです。

□ ジャズ&ポップスの歌手、夏山美樹さんも飛び入り。
素敵なミュージックナイトでもありました。  夏山美樹さんは、1983年に、NTV「スター誕生」で優勝して、翌年徳間ジャパンレコードからデビューしたという、歌手です。演劇歴も、ダンスミュージカル歴もたっぷりな実力派なのです。なにしろ、突然のことで、しかもメドレーで入ったCDに合わせて歌ってくださったのですが、集まった50カラットたちも透明な歌声とキレのよい動きにうっとりでした。
CDをご紹介。「MIKI L.A.SESSION」。お申し込みは50カラット会議まで。

□ 奏でる人も聴く人も、50代流。
こうあるべきだ!ということはなくなりました。それが、50代流です。 楽器がやりたいという一心のうれしさを受け止めます。 歌いたいという心意気に感じ入ります。 50代からの・50代による・50代のためのコンサートを、いつかまた! See you!

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