2004年5月 発行所 「50カラット会議」
50カラット会議レポート
44号
楽しんだ生活習慣がワナだったのか! 好きなものを楽しみ続けるために、50代は決意する。
50代に倒れてはいけない!まだまだ先が長いのですから。 30代、40代の体力任せ、気分次第の生活が、いま、生活習慣病の気配になって迫ってきた50代。ここで、態勢を立て直さねばなりません。疲れやすい、風邪を引き易いし、治りにくい。和風にさっぱり系の食事が多くなった、低血圧気味だったのに、最近高め。肩こり、腰痛が頻繁になった・・そんな日常生活が、いままでとは違う自分の体を気づかせてくれます。 今回50カラット会議が実施したアンケートでも、健診の結果、「要注意」がでて、それを機に健康家族を目指そうと決意した人は、52.8%でした。 「わが家に生活習慣病がやってきた!」のアタフタぶりと決意のほどを通して60代70代の元気な自分イメージを確かなものにしたいと思います。
蛇の道はヘビに聞くシリーズ㊹
好物をあきらめずに暮らすために
お集まりくださったのは、5人の方々。
「夫も早寝早起き、8時には旅館並みの朝食。数年前には思いも寄らない新習慣」になったというメイクアップ・アーティスト仁くすのきさん、「夕食には二人で500gの野菜を食べる」管理栄養士の竹内冨貴子さん、「父と夫と私、全員揃って野菜でバランスづくり中」のコミュニケーション・コンサルタント芳賀日登美さん、「生活習慣病は10年20年の結果だから、3.4日で治すのは無理なのよ」と決意を促す循環器系の医師山口いづみさん、「お酒をどうやって楽しみ続けるかが課題」とγGTPを気にするプロモーター吉田いち子さんです。
目次
1.50代には、まだ新習慣づくりの力があります。
2.家族の誰かに「生活習慣病の気配」。
その人に合わせて、健康家族をめざすチャンスです。
3.何を食べればいいのでしょうか。
食べる楽しみを続けるための、野菜生活が始まった。
4.生活習慣病は、もちろん初体験。
50代の暮らし方と食べ方を学ぶ機会が必要です。
5. 折角ですから、一言アドバイス。
1.50代には、まだ新習慣づくりの力があります。
50代に倒れてはいけない!人生の闘病生活は、短いほうがいいと思う。
三日坊主でも、時々思い出して繰り返せばいい。10年先の元気な自分をイメージして、今日出来ることをやってみるだけでいい。
●30代、40代は、不摂生が充実感だったりでムチャクチャでした。
それが今、生活習慣病になって返ってきたと思う。健康ぶっている夫たちも、高血圧とコレステロールを背負っている。
●疲れ易くなったし、回復力は落ちて、「年齢」を自覚し始めました。
お酒が抜けにくくなったし、飲んだら、すぐゴロリとできるのがうれしい。体力的に家で飲みたくなりました。
●心のストレスが、体に出る。
血圧もコレステロールも素直に反応するのが分る。50代60代で、神経内科は超満員だそう。気持の生活習慣病もある。年をとるのは、誰も初めて。
自分に戸惑うことは多い。
自分の体に賢くならないと、生活習慣病には勝てない。
「これまでは低血圧気味だったのに、この頃高め!」と、びっくりする人には、更年期に入って、女性ホルモンが少なくなると、全体的に血圧は上がるという説明がありました。
油ものを食べなくなり、野菜料理が増えたと思うのに、体重は減らず、むしろ体はふくよかになる一方と嘆く人もいます。
「小児科医だった母は、忙しいあまり、お昼はおにぎりを立って食べるような生活を繰り返していたせいか、若くして脳梗塞になりました」と、親たちの暮らしに学ぶ発言もありました。かつては高血圧にはならなかったエスキモーの人たちも、塩分過多の生活にはまって、地球上では民族の差なく生活習慣病になる時代。
けれど、タイムスリップすることも叶わないのですから、今何ができるかを考えるしかありません。自分の暮らしがつくった体は、自分が一番熟知しているはず。1年後、3年後の自分をイメージして、「出来そうなアレ」から始めます。
わが家の生活習慣病事情
□不摂生が充実感だった生活は終わりました。
「とてもノーマルになりました。早寝・早起き、朝食しっかり・外食減。夜遊びもなくなりました」と、安堵感をたたえるのはメイクアップアーティストの仁くすのきさんです。今までの蓄積は、高血圧だし血液もドロドロかもと不安を残しています。けれど、仕事の仕方ひとつで、こんなにも生活が変わるなんて思ってもいなかったとこれからの暮らしに新しい期待がふくらんでいます。
「いつまでも、二人揃って、お酒をのみながら食卓に向かいたい。ひとりで飲んでもつまらないしね。沖縄で泡盛を蓬ジュースで割って飲ませてもらったのだけれど、家では、焼酎をプチヴェール青汁で割ってます」とニッコリです。
□仕事の忙しさとストレスで、γGTPは上りっ放し・・・
「塩分控えてくださいねって、言われっ放し」なのは、吉田いち子さん。 平成元年に一念発起してタバコはやめたものの、お酒は暮らしの一部です。
只今、降圧剤を服用中ですが、同席の医師山口いづみさんに「γGTPは、2桁でも いけないのに!」と猛省を促されてしまいました。
□医者の不養生です。
吉田いち子さんにダメ出しをしたものの、山口いづみさんご自身も、不規則な医師生活で、「腰は痛いし、その愚痴を患者さんにこぼしたら勝っちゃいそう」な体です。 職業病も、立派な生活習慣病というわけです。
「みなさんに、ちゃんとしましょうね、こうなってはダメですよという見本」だそうです。つまり、毎日毎日の積み重ねが、50代60代の人生を決めるのだと実感中です。
□労働意欲がある状態で目覚めるかが、体調バロメーターになりました。
「寝て起きれば元気が当たり前だったのは、過去の話になりました。2日寝ても回復しないのは過労というそうですが、回復しにくい体になっています」とおっしゃるのは、仕事も家事もフル回転の芳賀日登美さんです。 そこで、最近は筋肉トレーニングを取り入れました。
「筋肉質の体は、エネルギーをしっかり消耗するからね」。 背中は一本しっかり筋という形のよさです。努力の人ならではですが、その成果に一同うっとりしました。
□贅沢した報い?
お酒は美味しい、脂の乗っているお魚が好き、ご飯は真っ白ピカピカにうっとり。 休暇には、お酒どころへのグルメ旅。おいしかったぁ!の一言と共にベッドにひっくり返ってぐっすりの日々。どれだけそれを繰り返したことでしょうか。
というわけで、健診結果は、見事にあってはならない数値を知る羽目になりました。 もっとも、管理栄養士の竹内冨貴子さんだけは、「お酒もたっぷり飲むし、いろいろ食べますよ。でも二人とも、結婚当時より体重は少ないんです」と、居並ぶ人たちに衝撃を与えました。 「だって、プロですもん」。一同、すっかり尊敬のまなざしになりました。
2.家族の誰かに「生活習慣病の気配」。 その人に合わせて、健康家族をめざすチャンスです。
軽い糖尿病や高血圧なら家族全員で新しい食習慣に取り組むチャンス。薬に頼らずまずは食生活と運動で健康になりたい
ケーキとの出会いは、お誕生日とクリスマス。
甘いものといえば、お汁粉、おはぎ、大福、羊羹でした。但し、年に2回のスペシャルイベントは銀色の粒アラザンとバラの飾りが嬉しいバターケーキでしたねぇ
●20代30代は、洋菓子店の追っかけでした。
港町神戸のケーキは憧れだった。東京に進出するとすぐ押しかけました。モンプラン、トップス、アマンド、ユーハイム、イゾルデ、ココパームスetc.
●自分でつくる楽しみも追求しました。
ケーキ大好き人間は、自家製にも夢中になりました。最近は、材料の脂肪分とカロリーに愕然。敬遠気味。但し、レストランのフルコースはデザートまでしっかり。
子供の頃のお汁粉、おはぎ、大福。お誕生日とクリスマスのケーキ! あの時の幸せ惑が、甘党の原点かしらん?
おはぎもケーキもチョコパフェも、季節の行事や特別な日の「スペシャルイベントメニュー」でした。その時のことは、親たちの笑顔まで思い出せる大きな思い出になっています。「ピアノの発表会の帰りは、エビフライとデザートのチョコパフェでした」と、懐かしむ方がいらっしゃいました。
そういえば、それまで「お土産は桃山」と決まっていたお客様から、泉屋のクッキーをいただいた日の興猶を覚えています。
母が初めてアップルパイを焼いた日、クッキーを焼きたくて買ったオープンが届いた日にいたっては、その重さの感触までが手に残っていますc
テレビでみた「パパはなんでも知っている」に出てきたアメリカのキッチンは、甘い時間への憧れも育てていたのでしょうか。
「カステラをパンのように食べたい!と夫が言ってた・・」と、嶋本静子さんは亡きご主人を偲びました。私たち年代ならではの、大事だったお菓子シーンはいっぱいあります。今の子供たちは、お誕生日パーティでケーキを残すそう。あらら・・。
20代は、絶対「洋」でしたねぇ。
□原宿・六本木・自由が丘・・・ 「東京でしたら、原宿のコロンバンでモンブラン。渋谷のユーハイムでザーゲン。おいしかったですねぇ」と、宇佐芙恵子さんが口火を切ると、次々と懐かしさでお店の名前が飛び出しました。
「自由が丘のモンブラン、しばらくして六本木のイゾルデやルコント・・・」「その前に、トップス!そして、アマンド、ココパームス。ココパームスは、パイ系が多かったし、チョコレートケーキも美味しかった」「不二家のショートケーキは、忘れちゃダメ。パフェの感激も忘れません」「チーズケーキも、衝撃的デビューでした・・・」。
子供の頃、クリスマスとお誕生日の年2回が楽しみだったバタークリームの丸いケーキを発端にして、憧れは大きくふくらみました。20代になると、一気にお店の追っかけを始めたものでした。お土産にいただくお菓子が、和菓千からクッキーに変わったのもこの頃。「泉屋のクッキー、風月堂のゴーフル、ユーハイムのバームクーヘン、それにロシアケーキっていうのもありました」と、遠い目つきで頷きあいます。
口母は、港町のハイカラ文化を語って聞かせてくれました。 料理研究家の喬城高城順子さんは、子供時代を名古屋で過ごしました。 「名古屋にはおいしい和菓子がたくさんあるのだけれど、おみやげにいただくのは神戸のものなんです。その度に、母は、これがゴーフル。名古屋にはないのよとか今度名古屋にユーハイムができたけれど、本店は神戸なのよとか説明してくれていました3母は戦争中にそういうものが消えて、また出てきたことなどを、嬉しそうに話してくれていましたね。私の食い意地が張っているのは、そのせいかしら。ケーキは、自分の成長と一緒に親しくなってきたといえますね。ですから、未だに、新しいお店が出来たと聞くと、行かなくちゃ!と心が騒ぐ。
どのお店のメニューはここからここまでは食べたとか、全部制覇したとか、随分食べてきましたねぇ」 スイスのモンプランに行った時、「モンブランというお菓子があるかも・・」と、お菓子屋さんを探し回ったのも、高城さんです。
□最近、洋菓子は、飽和状態だと思う。
「追っかけをして、食べ尽くした気がする」という50代が、最近オヤッ?と見ているのは、和素材のケーキ。お米の粉や小豆の粉とかを、全部粉にして洋菓子をつくつているそうです。戦後のケーキ史も、半世紀を経て、和と洋の融合が始まったということでしょうか。日本独自のケーキがいよいよ登場するのかもしれません。
但し、50代にとってのケーキは、やっぱり「ハレの日」のワクワク。毎日食べるものではないし、食べる時はしつかり美味しいものを食べたいという気持に変わりはないようです。「和素材のケーキも、体にいいかどうかより、新しい芙味しさに出会うことに期待します。和風イタリアンのデザートとしてとかね・・」。
3.お菓子は文化遺産。城下町と港町には、甘い言い伝えもいっぱいです。
マリーアントワネットは、民衆に「パンがないなら、お菓子を食べればいい」と言ったとか。庶民がお菓子を食ぺられたのは、お砂糖が多量生産された18世紀以降です
●日本では、お祝い事にお餞頭、お餅の習慣。
季節の節目、生活行市、個人的には、結循、誕生、還暦etc.お汁粉、おはぎ、お饅頭。地方独自の素材で草もち、桜餅、柚べしetc.
●昔の城下町には、ぜいた<文化の遺産がいっぱい。
金沢、京都、鎌倉笞には茶道とぜいたくが育てた老舗がいっぱいあります。静謐、風格、デザインと 味は、50代注目の的。
●洋菓子は港町が発祥地。
ティタイムは、おしゃれなテープルウェアやインテリアヘの憧れも油たす楽しみで大歓迎。貴族文化の遺産だから、パリ、ウィーン、ロシアは洋菓子研究のメッカ。
ケーキには、賑やかに囲む魅力があった。和菓子は、静かに居すまいを正す安らぎが魅力。
最近、和菓子がえりだといいます。
おなかが空いたからおやっというより、気持の切り替えや頭の休息のためにお茶にするので、心身に無理なく手がでる和菓子になるのでしょうか。
追いかけまくった洋菓子は、「あの体力と気力にぴったりだったのね」と振り返る今日この頃です。和菓子の季節性も、なにやら強く心に響くようになりました。
40代までは、どこへ行くにも一目散で、一秒を争うように移動していたものですが、最近は混まない各駅停車に乗って、周りの木々を眺める時間をつくろうとしています。それが気持いい自分に気づきます。
「家族と家事に追われていた頃に比べれば、自分を味わうゆとりができて、お茶の時間はひとりがいちばん」と葉書をくれた友人がありますが、彼女に尋ねると、「そりや和菓子でしょ。ケーキは誰かと賑やかにいただくわ」とのことでした。
胃に負担が少ないという和菓子の嬉しさもありますが、日本の胃袋には和菓子。愛と文化は胃を通ります。
お菓子は高級品。贅沢文化が育てました。
□和菓子は城下町で磨かれました。 外国も同じだけれど、贅沢品を極める士地で、お菓子は生まれ育ちました。和菓子は、茶道と一体で発達したのでした。
お茶の盛んな金沢、京都、鎌倉、名古屋、松江・・・。
「東京では、どこどこの老舗の出店で買うことになるのだけれど、金沢では、歩いていると、和菓子屋さんも多くて、美味しくてしかも安い!感動します」と宇佐美さん。
生活行事やお祝い事に、庶民的なお菓子が発達したのは、お砂糖が大量に出来るようになった江戸時代。
高城さんは、和菓子のルーツは、お茶のルーツに重なるとおっしゃいます。
「お茶もですが、お菓子も中国から伝わって進化したものが多いですよ。但し、中国からというより、韓国経由なんです。特に、もち米系はね。
韓国に、お餅を広げてあんこを塗り、その上にドライフルーツをバアッとのせて、小さく切って売っているお菓子があります。あの系統の原形は中国ですね」とのことでした。 そういえば、茶道と一緒に進化したお菓子は、干菓子系が多く、香りを楽しむお菓子ではありません。
「香りを楽しむなら、庶民派のお菓子でしょう、桜餅、草もち、ずんだ餅・・・・庶民は生活行事、季節の変わり目にお菓子をいただいていたので、季節の香りが満載です。笹とか柏の葉の匂いを移って、しかも防腐効果もある。庶民の知恵です」と、香り研究家の嶋本さんからご説明がありました。
□ヨーロッパの蜂蜜文化 香り研究家の嶋本静子さんからは、蜂蜜は廿味と同時に精力剤として珍重されたというお話を伺いました。
「ハネムーンっていうでしょ。ハネムーンって1か月。蜜月って書きますでしょ。アラビアンナイトに出てくるのは、新婚の男女、特にお婿さんに、蜂蜜を毎日食べさせる。初めの1か月は、消耗するからね。それでハニームーンなの。
それに、プリッジに熱中している人の話だと、その選手権の最中、体力を支えるのは蜂蜜だそうですよ。頭がボーッとしちゃって作戦が考えられなくなると、そんな時は、蜂蜜をお湯で薄めてぐっと飲む。しばらくすると、知力と体力が戻ってくるんですって!」。
□ヨーロッパでは、キリスト教の行事とお菓子は切り離せません。 「王様やマリアさまが出てくるガレット・ロア。中々王様が出ないの」と笑うのは、商城さんです。
「ガレット・ロアは、クリスマス限定。フランスのお菓子屋さんは、その時期以外は作りませんね。ノエルもね」。
赤ちゃんが生まれた時にフランスの家庭で作るのは、ドラジェ。中にアーモンドをくるんだお砂糖がらめのお菓子ですc9ベビーピンクや淡いプルーや白の砂糖菓子は、近頃、その可愛らしさで、日本では結婚式の引き出物にも使われています。「できちゃった結婚用?」なんて、笑いが広がりました。
4.和菓子にラブコール。
和菓子とは血縁があるからか 、銘菓でも倉ぺていると心が通じ合う気安さがある .
●思い出すと食べたい気持が募るお菓子がある。 大福、豆もち、おはぎ、もなかみつ豆、餡みつ、くずきり・・・季節を問わず、食べたくなるとデパート名店街に走るのが常。お気に入りの銘柄あります。
●和菓子は体にいいと実感と自信があります。 脂肪分がないから、胃にもたれません。太りません。お酒のあとの糖分は、肝機能を高めて、アルコールの分解を助けます。
●季節感、日本の文化を思い出させてくれる小さな1個に感動する。
素材、色かたちの一つ一つが忘れかけていた暮らしの心を語りかけてくる感動がある。 自然の恵みを文化にまで高めた技に感動する。
●心置きなく寄りかかれる甘いものがある幸せ、感謝します 甘いものを食べると快感物質が出るのは本当だと思う。甘い生活は和策子が相棒です。
大福や豆餅の普段着気分も捨てがたくて...
先日散歩の途中で、のり巻きやおいなりさんも並ぶ街のあんこ屋さんを覗いて豆餅をみつけました。思わず買って、梅が盛りの公園でいただきました。
お茶はペットボトル入り。駄菓子風にほうばりながら先に目をやると、お茶室が見えて、お菓子のいただき方も様々だなぁと思ったことでしたU
ともかく、普段着のお茶請けには、季節を告げる定番のあんこ物や昔ながらの餅菓+が登場します。甘いものを食べたあとは、「塩辛いおせんべいが合うねぇ」などと言いながらのひとときです。 それも、最近は、選びに選ぶという心構え。大福でも、友人を訪ねる時、あそこのアレを手土産にして、自分もご相伴に与るようにするとのことでした。
夫とふたりになった家庭では、2つ買うのもはばかられて、和菓子もケーキも、誰かが訪ねてくれた日の楽しみになりました。
でも、「数個買って、冷凍しています」という大福ファンもいらっしゃいましたよ。
和菓子とは、古いお付き合いです。
口狂言「附子(ぶす)」では、茶壷に黒砂糖 文学に詳しい嶋本静子さんは、室町時代にできた狂言に黒砂糖が出てくるというお話をしてくださいました。
「和尚さんが黒砂糖をいれた茶壷を隠しているお話なの。ああいう風にお砂糖で1つの物語ができるということは、大変に貴重だったということですよ。
庶民には砂糖は毒であるといって、食べさせない、なめさせないようにしていたのですからね」。
□平安時代には「干し柿」状のものがありました。 高城順子さんは、お菓子の原形だった千した果物に関心を寄せています。
「韓国に行くと、凄く簡単なお菓子なのだけれど、干し柿を縦に割って、胡桃も割って中身を再びくつつけて、干し柿の中に入れてかためたものを、もう一度包丁で切るのです。切り口のきれいなお菓子になります。これは、韓国で昔からやっていたものだと聞きました。ドライフルーツを固めるというのは、お菓子の原形です」。
□日本は、お餞頭文化でした。
結婚式、子供の誕生、卒業式、お葬式。みんなお鰻頭を配ります。おめでたいと紅白。そういえば、大きなお鰻頭の中に小さなお鰻頭が入っているお祝いのお鰻頭があります。中国の風習では、あんこは入っていないのが当たり前だけれど、日本ではあんこ入りのお鍍頭を使います。
□季節の生菓子は、行事を盛り上げます。 「昔は、お茶席のご亭主は、お菓子屋さんと相談して、お出しするお菓子を決めるのが慣わしでした。
自分が今度どういう人を呼んでいるかを伝えて、ふさわしい、びっくりさせるようなお菓子を作りました。昔は全部粋の世界だから、お菓子屋さんも頑張ったことでしょう。そうやってデザインされたお菓子の絵を見せていただいたことがあるけれど、そうした積み重ねが、いまの定番をつくったのでしょうね」と、高城さんのお話でした。
□カステラ、どら焼き、シベリアは、お茶でいただきます。 「夫は、カステラをパンのように食べたいって言ったのよ」と亡きご主人を偲んだ嶋本さんですが、考えてみると、カステラもどら焼きも、すっかり和風な食べ方が定着。和洋折衷、ー和洋融合が自然に定着しています。
ちなみに、嶋本さんのご主人は、嶋本さんのご両親から「福砂屋のカステラ」をお土産にいただいて召し上がったそう。但し、食後感は「パンみたいに食うものじゃないな」だったとか。あなたには、思い切り食べてみたいお菓子、ありますか?
5. ずっと、お菓子を楽しみたいから、提案します!
例えば、お誕生日ケーキは、いつまでたっても楽しみなもの。低カロリーで季節の香りやデザインが楽しめるバースディケーキの予約宅配始めませんか?
●いつまでも、好きな和菓子やケーキを楽しみたい。 健康食材を使ったお菓子の開発がしたい。くるみ、ごま、アーモンド、黒豆、きな粉のお汁粉。寒天や豆乳ベースのデザート他
●和菓子を食ぺるチャンスを広げたい。 ひとりでも楽しめる機会を作りたい。ファミリーレストランに和菓子を置いて欲しい。お弁当に小さな和菓子付きも嬉しい
●いまの子供たち世代に、美味しさを体験させたい。 子供だからこそ、本物を教えたい,給食に和菓子の日を作って、お菓了·の由来や文化も伝えていきたい。
日常の和菓子・イベントのケーキ
洋菓子一筋の研究家・小菅陽子さんは、「最近、日本の洋画菓子には和素材が使われる傾向がでてきました。抹茶とかきな粉を取り込んだりね」と話してくださいました。けれど、50代は、和菓子も洋菓子も「とことん文化に浸りたい」気分。
ケーキは、レストランのフルコースの最後を飾るものだから、やっぱりフレンチやイタリアンに徹しているのが嬉しいと言います。
そして、和菓子は、やっぱり老舗に注目中。お菓子に求めるのは、味と幸せ感が基本です。
とはいうものの、「ケーキは、自家製すると、脂肪分とカロリーの塊の材料にドキッとする」わけで、洋菓子にも和素材が取り入れられるようになったという傾向には、関心が集まりました。ケーキといえば、お誕生日にケーキという家庭は多いのに、年配者向けバースディケーキはありません。
脂肪分やカロリーを抑えた、楽しいケーキがほしいものです。
リキュールの香りが楽しめたりしてもよさそう。メッセージをこめたデザインも、考えられそうです。
甘いもの、万歳!
□デザートの甘いものは、消化を助けます。
「日本人は、特にそうなのよね」と料理研究家の高城順子さん。
「糖質系が消化しやすい腸と内臓になっているので、糖質の消化は日本人は得意えんです。ですから、お会席でも、最後にご飯を出しますね。糖質をとるためです。最初に、ちょっとした重湯みたいなものを出すお店もあります。 ーロそれを召し上がっーから始めましょうといった風にね。胃をあたためるということもあるし、消化をよくする目的でしょうか」。
小菅陽子さんも、「飲み屋で、席に着いたときに出てくる先付けがありますけど、その時、お汁粉がありますね。最初に食欲を刺激してくれるのね」。
□精神的にも、甘いものに支えられます。
美味しいものを食べていると、快感物質が出るといいます。
お茶とお菓子の時間は、みんなニコニコ。快感物質は、糖分・糖質が一番多いのだと伺って、納得しました。
甘いものはストレスを取り除いてくれて、食べたものの消化もよくしてくれる。ケーキを一口食べては、「美味しくて幸せ!」と叫ぶ人が多いのも、納得しました。
□脳を健康にしてくれるのも、甘いものです。 「ご主人が太っていらして、1日1600カロリーのダイエットをした時、まず廿いものを一切カットしたという話を聞きました。でも、ボケが進んだそう。脳を動かす糖分・糖質が足りなくなったのも一因じゃないかって・・・」という発言がありました。
ー同、そうかあと複雑な顔つきでした。朝やお三時の甘いものは、寝ぼけた脳や疲れた脳に栄養を与えるといわれることを考えると、脳と甘いものとの関係はしつかりありそうです。
□しかし、カロリーはほどほどに・・ 「ご飯の後に食べる甘いものは、太る原因にならない気がする」と宇佐美恵子さんが言えば、「カロリーについて習っているのは、貯金と同じで入れるものが多くて、出すものが少なければ溜まっていくのが脂肪ということ。しかも、利子がついたりして・・・」と、高城さんは警告します。
世の中、体質で太らない人は1、2割はいらっしゃるのだとか。宇佐美さんは、週に数回の水泳やテニスで体を鍛えていらっしゃるので、太らないのかも知れません。なんといっても、「私の肌にシミがでないのは、30年は続けているワインと甘いもののおかげ」と言い切るかげに、人には及ばない努力がありそうです。まだまだ行動半径も広い50代は、体も頭も大忙し。「入れたら出す」ことが健康の原則ですから、出し上手にもなって、廿い時間を大いに楽しむことにいたしましょう。