80号 大震災を通して考えた「これからの節電生活」

2011年5月 発行所 「50カラット会議」

50カラット会議レポート 

80号

「震災を通して考えた「これからの節電生活」」

記憶や工夫がいきる暮らしに戻ろうよ。
私たち世代ならできる。

 

始めに自己紹介 参加者のプロフィール

Kさん 自分に合せて同年代の人たちに等身大の服を捉案するセレクトショップをしています、ときどきテレビに出たり、新聞だったり、雑誌に記事を書かせていただいてます。それがけっこう反響あってうれしい。今まで溜めてきたものが徐々に発酵して、出せているこの頃です。

Zさん フリーランスのライターで、自然食とか環境をテーマにして長年やっておりましたが、介護を契機として最近はちょっと休業中

Bさん コピーライターで、主にファッション、50、60代対象の通信販売情報誌に書いています。時々化粧品のコピーも書きます。

Mさん 建築の設計をやっております。この震災は仕事にも色々影響が大きい。モノが入らなくて、すべて止まっております。ごれからどうなるのだろう?とひたすら心配しております。

 

地震発生直後から、「なんでも電気で動いている!」を実感。

T  3月11日の大地震、津波、原発事故は、自然の脅威だけでなく、私たちの暮らしにある便利や心地よさが、どれだけ電気に頼ってきたかを改めて知るきっかけになりました。                                                                        東京で暮らす私たちは、地震発生直後から「なんでも電気で動いている!」を実感しました。まず「計画停電」。
電車が止まり、間引き運転され、電車内の照明が消され、工場のラインが止まって容器やボトルのキャップが生産できなくなって店頭からヨーグルトやペットボトル入りの水が消えていくのを茫然と眺めました。                                                          オール電化が進んだ家庭では生活のリズムが狂いました。
「3時間冷凍冷蔵庫がストップする」「夕方から停電だからごはんもお風呂も明るいうちに」と家族間の生活時間差の調整も始まりました。街や店舗の照明が落とされて、24時間スーパーは夜間の営業を自粛。そんな自粛が広がった成果か「計画停電」はなくなりましたが、節電は生活の合言葉になりました。                「快適と便利は原発によるエネルギー源確保があってこそ」と言われると、「トイレのふたが自然に開閉する生活、もうしません・・」「冬の電車はコートを着ているから暖房してなんて言いません」などとつぶやいている私です。そんな中「節電生活」が大々的に提案されています。
原発を語らずしてという気持ちは分かりますが 今回は地震と津波に始まった「節電」にテーマを絞ります。先ずは皆さんが実感した「電気」をお話ください

一番の消費量は冷暖房。この夏、どうしたものか

B 私の場合、「電気にだけ頼る生活をしない」という暮らしを基本にしてきました。
八ヶ岳の家を建てるときも、暖房は薪ストーブと床暖房にしました。
床暖房は、建てた段階では疱気でお湯を回す以外なかったのですが、将来的には燃料電池で回すことができる仕組みに作っています。東京の生活はマンションですが、夏場は朝起きた瞬間に部犀の温度が30℃を越しているくらいの所なので、やっばりクーラーは使う。
夏場は、電気がないと死にそうです。                                                                  「節電」で始めたのは、小さなこと。
今まで当たり前のようにパンはトースターで焼いていたけれど、(なんだ網で焼けばいいんじゃない、牛乳を温めるのもお鍋でいいじゃない)とやっています。
もともとアウトドア派だから、電気のないところで何日間も暮らすというのが、かなり好き。なんでみんなそんな騒ぐ?という気がちょっとしていよした。

60代からはもう自由。思い切り自己表現すればいい。誰も何も言いませんし、言わせません。

Y ある年齢になるとみんな自己表現したいんだと思う。
私も社交ダンスをやっているけれど、発表会のときなんて、とんでもない服を着るのね。
つけまつげはするし、すごいお化粧。おとといなんて、ラテンだからまるで水着。フィギアスケートのスカートがパッとなるとパンツがみえちゃうような格好をなのよ。発表会だとパーティだからそれなりの格好をしていくでしょ。ある意味、毎回ドレスを考えなければいけないから大変は大変なんだけど。
自分を着飾ってアピールする。それも自己表現の楽しみ。
お友達でシャンソンをやっている人はけっこういるの。シャンソンて人生を歌うじゃないですか。だから理屈づけは、「人生いろいろ経てきたから、同じ愛を歌うのでも、20代の愛と 50代の愛は違うのよね」という思いで歌っているんだと思う。
たまにはおつきあいで行きますよ。招待状が来る人だけだって3人もいるもの。何らかの形で自己表現するのはいいことだと思っているんです。
年代を経てくると、仕事がなくなると、緊張感を持つような場がなくなるじゃない?
ある種の緊張感と目標をもって、これを目指してトレーニングをして、着飾って、スポットライトをあびて、みなさんの前で歌うのは、若さを保つ秘訣かな。そういう意味では、いいじゃないと応援はしています。

T  もう昔の恋人に会ってもいいし、男友達とも堂々と会える

Y  枯れるという意識は、私はちょっと…。枯れる必要があるの?

T 枯れると思って枯れられるわけじゃない。逆に艶やかにと思って艶やかに生きられるわけでもない。

K 海外のリゾート地に行っただけで、もう艶やか。日本にずっといるとオバサンになっちゃう。

T 日本では、デートというと子供がするものでおとながするものじゃないと思っているものね。でも、おとなの時間の過ごし方って難しい大人同士、微妙な話ね。ふたりで会うということが、私は平気なんだけど、人には「えっ?」といわれる。
おとなの社交という文化が、形としてないじゃないですか。四国にいる友人が、男性と二人でお茶を飲んだだけで噂になるから、活動もままならないといっていましたよ。

Y いなかはね。東京では男友達とふたりで会ってもどうということはないけれど。

K 私はそういう感覚はまったくなくて。独身だから、いままでも制限なく会ってきたから。ふたりでといっても友達もいるし。私が友達の意識しか持っていなければ、ふたりで会っても全然それだけだし。

T 若いときと違うから、艶っぽくなるわけでもないけれど、枯れても何だか可愛いとかは大事だと思っていますよ。

M 私高校のときの友達がいて、女2人に男人。女性の1人は亡くなって今は女1人。なのに、みんなで旅行に行こうとかいわれて。私、ちょっと複雑な気持ちです。なんか違うんじゃない?

A いい出会いと、いい時間と、いい関係は、私もほしいと思うわ。

エコキュート、エネファーム、太陽光発電を勧められ、「電力は限りある資源」だと刷り込まれてきた年代です。

Z 今回の停電騒ぎは特に被害はなかったんです。「ちょっと前の生活に戻せばいいんだ」位の感じ。ショッキングではなかった。私どちらかというとナチュラル志向だったので。けれど私がリューマチという持病を持っているので、家を建てた時エレベーターをつけちゃった。エレベーターは電気の容量をくうから節電」には申し訳ない。でも「ごめんなさーい]と、キツイ時だけ使わせてもらいます。                                        2004年に申請してお風呂は「エコキュート」にしました。国家の補助が出た最後だった。 そのあとに「エネフォーム」というのが出てきたでしょう。(ああ、こっちにすればよかった)と思ったんですけど。                                                          「エネファーム」はガス。電気と熱を一緒に作る自家発電みたいなシステム。暖めながら電力をためるらしいのね。
「エネファーム」というのは、エネルギーの畑という意味の名前らしい。                                                「ソーラーパネル」も付けたかったけれど屋根の向きがよくないので効率が悪いといわれて断念しました。
向きがよければ「温水器」も考えていたのに、結局「エコキュート」に落ち着きました。最近は「ソーラーパネル」と一緒になっているのとかいろいろな種類が出ているけれど、意外とみなさんご存じない方が多いようです。

M 太陽光発電の設備をつけると、いま200万~250万円くらいです。
10年で元がとれるのですが、家を建てるときには、とりあえずそのお金がもったいなのか手を出さない人が多い。意識が足りないのかな、

Z それはそう。みんな予算ギリギリで建てますからね

M  太陽光発電をお勧めしたりするけれど、「10年でトントンなの?じゃあ、今はやめるわ」という反)ふ補助金もなくなっちゃったしJ原発の電気を使わせようという国の政策ですよね。「深夜電力を使え、使え」「はい次はオール電化です」つて政策が変わりました。

Z 「エコキュート」なんかは、深夜電力を使って原発の夜間電力消費を底上げすることに貢献しているような形になっているのね。

照明と器具のコンセント管理で「2割減の節電」ができます。

B 私の場合仕事の場が生活の場と一緒だからプリントとかPDFをとる事務複合機の消費電力がすごい。1200\V です。
脱原発とか言っている私が、その複合機をつけっぽなしにしていて、それで部屋が暑くなっている。部屋も知らず知らずにコンセントとコードだらけ。

Z この間、コンセントをあちこち抜きましたけれど、便座のコンセントを一回抜いて、冷たいからやっぱり入れたりして。
昔の便座カバーがあればいいのよ。でも、新しい便器は持っている便座カバーが合う形になってない。あれでよかったのに。

M うち、1カ月節電したら2割減りましたよ。 暖房はガスだから暖房は影響がないと思う。ちょっと節電すると「2割」は減るのね。

いままで昼問も照明がついていたのね。街や電車内で「明るさ慣れ」を反省中。

Z 電車なんかも、昼間は照明をつける必要はないですね。充分に明るいですよ,これでいいじゃない。今までつけ過ぎだったと思う。

M 四月なのに、竃車で「節電で冷房をつけません」なんてアナウンス。ええっ?ついているなんて自覚もなく、寒いなとは思っていましたけれどね。

B 暑すぎ、寒すぎがなくなるだろうと嬉しいです。背広を着た人に合わせて冷暖房をしていて、女の人には冷え過ぎでしたもの,

Z 窓を開ければいいのに、いまは窓が開かない電車の車両が多いでしょう?

M 全部、電気でコントロールするようにできあがっているわよね。

B この頃いろんなことに気かつきますよね。でも、若い人はパンを網で焼くなんて知らない。「どうやって焼くんですか」「ご飯を鍋で炊くってどうやるんですか」という話になるものね。工夫要らずの暮らしで育ってます。

停電で「全自動トイレ」に困惑した人々。こんな時こそテレビで「こうすりゃいいのよ」と、広報CMが必要です!

T  トイレの全自動、便座のふたが自然に開いたり、終わると自然に水が流れたり。停電の時どうだったのかな。

M 今回、私はお客さんに電話をしまくりました。トイレが屯動になっているので、停電になると水が流れないとお問い合わせ。
流れないと思っているのね。でも製品は全自動でもi下を蘭けるとレバーがあって、それを使えば流れる」の。だから「便座の下の方にあるレバーを押して
ください」と伝えました。

B お風呂の給湯も電気がないとだめ。

M キッチンも、ガスなのに電気がないとつかないとか、なんでも電気に繋がっています。本当は「手動で動かせる部分」がどれにもついていますけれど、パネルなどを外さないといけないから説明を受けていないと分かりません。だから、震災後はテレビもへんなACの広告なんかやっていないで、「こういうときにはこうしてください」というのを企業が広報すればいい。

電動化、自動化、オール電化で結構大慌てしました。

Z マンションの場合は、水道水をポンプで汲み上げているから、電気が来ないと水も出ない。

M  高架水槽があるところは、そこに貯まっている水を使い切るまではいいけれど、今は直が多いからね。高層マンションに住んでいる方は大変でした。 エレベーターは止まるし、オートロックなので家に入れないということまで起きた。トイレの水なんて、浴槽の残り湯が頼りだったのね。

B ここまでくると人間として退化よね。生活能力が完璧に失われている。自分が暮らしていることの仕組みを理解しないで、与えられた形のまま暮らそうとする。それが激しい退化だと思う。                                                                 だって普通、製品の説明聞くでしょう?「もし電気が消えたらどうするんですか」って。
電気が消えることは考えてなかったということですもの。それが信じられない。壊れた物は直すよりも買ったほうが安い時代が長かったからね。

K つい最近まで新しいものが何もない家に住んでいました,今はマンションで、何もかも新しいのよ。
ずっと何もない暮らしの時の私の考え方は、なんで世の中は便利でないといけないの?ということだったので、今少しびっくり。私たちのお仲人をしてくださったご夫婦がコンパクトなお家を建てたので伺ったら、トイレを開けると電気がつき、便座のフタが開きました。ビックリ。
「これじゃあ、よそにいった時に忘れちゃわないですか?」と言ったの。手を出せば水が出る、便座から離れれば水が流れる。
「素敵ですね」というよりも、「何やってんの?何なんですか?」みたいな体験をしました, 以来この世の中ちょっとへんだぞ、という気持ち。

スイッチ1つで使い放題だったからスイッチ1つで「節電」もできる。

K 明るすぎも感じています。主人が軽井沢のほうにいるので、車で高速道路を行くと、途中まではダダダダッと明るいんですよ。
あるところまで行くと、その分岐点から先は暗くなる。第三京浜は明るいけれど、横浜横須賀道路は後から出来たから暗いんです。
でも、車のライトがあるから、暗くたって十分。ことほどさように、なんでこんなに明るかったりするのかなと思います。

M だから今回の節竜は、当たり前でしょう。「節電」というよりも「普通の生活」の再生。例えば、海外にいったときに飛行場は暗いじゃないですか。
飛行場から町へゆく道がまた暗い。フランスで田舎道をいったときに、街頭ひとつもなくて。なんで東京はこんなに明るいの?という疑問が絶えずありました。

K そう言いながらコンセントは抜いてなかった。しかし今回は完壁にコンセントを抜きました。「コンセントを抜くと電気をくわないよ」とよく言われましたが、なんかみみっちいんじゃない?みたいな気分でいたんです。いいのは漠とは分かっているんだけど、どれぐらいいいのかは分からなかった。
何となく「いいや」とやり過ごしていたんです。 生活のリズムからすると、私はトーストを網で焼くことまではできないので、トースターも使うし、ご飯も炊飯器でたく。電子レンジも使う。
でもその都度コンセントを抜くので、使う時とっさにタイマー押しては、「あっ、つかないわ」ということの繰り返しです。

Z 家を作った時、普通のお便所と、ウォシュレットのを1階と2階にわざと作りました。
多分孫たちが来たら、こんなお便所を知らないと思うから、「昔はこうだった」と教えようと思ったの。その時、ハウスメーカーの担当者が「どうして1つだけウォシュレットにしないんですか」つてすごく嫌な顔をしてた。ケチッていると思ったのか、何を考えてるのかと思ったのかな。
でも結局は娘がよく使うトイレだったこともあり、途中でウォシュレットに換えることになっちゃったけれどね。
どこにいってもウォシュレットが当たり前の時代に「新しく家を建てたのに普通のトイレがあるのがおかしい、友達を呼べない」って言うの。

T 「スタンダート」が、変わってしまったのよね。

M そうです。昔の型つけようと思うと大変ですよ。

Z うちはエアコンをほとんど使わないで、ガスストーブ暖房ですが、つけようと思ったら、ガスストーブなのに電気でしかつかない,

K 石油ストープだってそうねファンヒーターは電気がないとだめ,丸い形の懐かしの「ブルーフレーム」石油ストーブじゃないと。

Z 私は灯油とマッチでつけられるストーブを持っていたんですよ。でも、ずっとテラスに置いていると、劣化するし、「放火されたらどうするんだ」とか言われて、結局3年くらい経ってから処分してしまった。

M 私たちがささやかな節電をしているのも大事なんだけど、石油だって今がピークでもうなくなるでしょう。天然ガスだって。
要するに、地球の資源をもっと循環型にしていかなければいけないわけでしょう。今回、すごくいい機会だから考えたいですね。

K 「節伝だけでこれだけ抑えられました」という発表があるんだから、ほんとうにそうしていくべき。戻らないでね。

M この前のオイルショックの後、ネオンを消したけれど、いつのまにか戻っている。

T 戻ったのがいいこと、みたいな錯覚がありましたね。電気はどれだけでも使えるぞと、いろいろなものが「電化」「自動化」されたけれど、「そこまでは要らない」と反省することも多い。どう考えたらいいですか?

M 「水洗」は昔のボールタップのはよかったですよね。水槽の中でプラスチックのボール上がって下がるだけで、すごく機械的。多少のトラブルなら自分で治せる。

B パンを網で焼くというのは、私の意地の問題だからやっているだけだけれど、何でも昔に戻すんじゃなくて、そのものの完成型というものがあると思うんです。そのあとは付加価値付けです。この間まで使っていたカセットレコーダー。あれはあれで完成型だった。
ICにしちゃうと、結構いろいろ面倒くさい問題が起こって。ICレコーダーは壊れたらなおせない。トラブルの理由が分からない。
そのものの完成型まで戻してもいいんじゃないかな。

T システムが分からないものは使えない。日用品は、故障が見えないと困るのね。素人でもシステムが理解出米る範囲ですと、壊れてもどこがどう壊れたか分かりますね。家庭で使うものはそれが基本だと思う。

K 比較になるかどうかはわからないけれど、海外どこもそんなに「最新式」じゃないですよ。トイレも自動じゃないし。

M 使えなくなるまで使おう、という姿勢が必要じゃない?過剰なモデルチェンジ。

Z オーディオだって、テープとCDとみんな一緒になっているのがあるでしょ。1つが壊れて電気屋さんに修理にきてもらったら「この中のブラックボックスみたいなものは私は分かりません」。買い替えだっていう。
家電はほとんどそうなっている。前は部品で、おじさんが修理してくれたけど。ICタグが入ってから、おじさんでは修理できなくなった。

 

新製品は「省エネ志向」。操作簡単、リサイクル資材ならうれしい。

B けれど新製品は「省エネ」になっているの。

M だけど、そういうのを使うたびに「レアメタル」が減ってくる。

B レアメタルは「リサイクル」をすればいいんじゃない?しなきゃいけないね。

M 使っていくのはしょうがないから、とにかくリサイクルできるものを使う。常にリサイクル。「繰り返し使えるものしか使わない」というふうにしていかないとだめね。

T 「オール電化」はどうですか?

M  オール電化はクリーンエネルギーですよね。CO2が出ないようにする。原発もそうですよ、「CO2がでませんよ」と言ってきました。車も電気自動車になるし。

Z 設計家は「これからのお年を考えますと、安全のためにも電磁調理器具にした方がいい」と勧めましたよ。
私は「火がみえないと嫌なの」とガスにしてもらったんだけど。                                                      20代の娘が、大学の商学部で「ママ、経済は血液みたいなものだから、まわさなくちゃ、消費しなくちゃだめなのよ」っていうの。
私が「もったいない、もったいない」と言うと、いつも娘に「消費はしなくちゃだめなのよ。日本の経済がだめになっちゃう」と怒られるのね。私は、それは間違っていると思う。

B 何でもプリミティブにすればいいんじゃなくて。私の理想的な生活は、パオみたいな移動可能な素朴な生活。
だけど、パソコンは最新のいいものを使って、情報はほしい。頭は遊ばせておきたい。音楽もいい音楽を楽しみたいし、食べ物は粗食でもいいけれど、おいしい、きちんとしたものを食べたい。
豊かさのバランスをどこに持っていくかということなのよ。
「次々に壊れるようなもので経済を回していくのは馬鹿げている」とお嬢さんに伝えてください。

T 「頭は遊ばせて、体や五感をもっと使う生活」そう思えばいいの?

B そう、それが私の理想。理想の生活というのは、最先端のパソコンと通信機器と素朴な生活。体は、薪でお湯を沸かすというのがすごく好きなの。

K パソコンを使って薪ストーブといったって、薪ストーブ生活を誰もが出来るわけじゃない。 軽井沢の主人のところは薪ストープだしウォシュレットも使ってないの。便利すぎないという基本姿勢があるから、最低限の電化生活をしています。
東京から人がくると、「君たちおかしいよ、なんでそんなに便利を求めるの?」という。ちょっと離れてみると、便利な生活がおかしくみえるのでしょう。

何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」。ほんとうにそんなに必要?

M 私ね、政治的に規制してもいいんじゃないかと思うの。365日24時間営業のお店なんて禁止。要らない!

K けれど、夜道に明るい店があるとホッとする。

M 24時間営業の店があることで働いている人いますねえ。夜なんか働かなければいいのに。

B うがった見方をすれば、それも夜間電力を使ってほしいのよね。

T 「これがスタンダード」というものを示す義務をつくるのはどう?トイレも「スタンダードはこれ]と見せる。「過ぎたるは及ばざるがごとし」を某本とする。

M 私たちが伝えないと。最後の世代だものね。

K  うちの娘は36、37オ。結婚してマンション暮らしですけど、便利生活からスタートしている。田舎はどうなっているのかしら。

Z 私は、介護で1日にバスが2本しか通わないようなところに行っているの。家はかなり古いけれど、プロパンガスがあり、水道があり、トイレはウォシュレットがちゃんとある。「村に住んでいるからって遅れてはいないよ」というのをどこかでアピールしている。
息子さんが大手の工務店に就職しているので家は古いけれど、例えばトイレは最新式のものがついているわけ。

M なのに家を20年しか持たせないで壊しちゃうのね。あんな高いものを20年で壊す。

B  家自体を20年で壊して、中身も全部取り換えていくというシステムになっているのね。

Z 「ヒートアイランドを作らないエアコンを作ってほしい」というような荒盾無稽なことをメーカーさんにお願いしたことがあります。
建築家だって、家には地熱利用の循環やヒートアイランドにならない建材を考えるし。

M 「買わない腎さ」が消貨者に求められますよね。企業はこうやれば売れるだろうと、次々に商品を開発するけれど、「リサイクルできる」「リサイクル材で出来ている」ことは大切ね。

「我慢」じゃなくて「快感」。生活の転換には、気持ちの美学が必要かな

B 基本的に私たちは昔家に薪がありましたとかウォシュレットもないところから生活していた人たちなんですよ。
だから「節電生活」の工夫ができる記憶や知識がある。けれどその話をしても、今の20代、30代の人たちは「それって何?」の世界ですよ。                   我慢してとか、そんなに要らないでしょというのではだめ。そうしたいなと思わせる気持ちよさというか快感の美学がないと。 「無印」なんかはそういうコンセプトで若い人に受けているのだろうと思う。                                                          どうしてそうしなければいけないのかという理由は、やっぱり原子力を使いたくない、核のゴミはいらない、核をやめなきゃ私達の未来はないということ。
そうした明確な理由が前提にないと、誰も共感しないのじゃないかと思う

M いつから[モノをたくさん溢れさせる日本人」になったのでしょうかね。

Z みんなで大量消費目指しましたものね。

B それはやっぱり敗戦後、高度成長期ね。

M  どんどん新しいものを作って売っていけば経済が発展した。それこそ、経済活動は血の流れだっていう発想で走りました,

B 私達の仕事のテーマは「付加価値をつけること」でした。今もそう。
「エアコンができました、どんな付加価値をつければ売れるでしょうか」と考えてました。

M この前までドイツの女の子がきていたのだけど、「エリに塗るものはないかしら」と聞くの。今着ているもののエリが擦れる。靴も塗りたいけど日本には売ってないって。
私だったら、捨てて新しい物買うところです。買い物にしても、彼女はコートを買うのに5回くらい見に行くの。彼女の収入からするとそんなに高くないんだけど、ずっと考えるのね。これは買うべきか、否か。これは生使えるか、これを家に持ち込んでいいだろうか。
一緒に暮らしている男性とも、この家具は要るか要らないか、えらく議論をして決めているそうです。
その彼女、リサイクルも考えて、猫のために缶詰を買っているのがすごい罪悪感。お皿を持って餌を買いに行くことをやりたいというのよ。

日本には「全部新しくして出直す文化」がある。自然災害も神事も季節の切り替えも。

B 日本人には、時々火事があったり津波があったり、オールクリアーになるのが身についているんじゃないかな。

Z 伊勢神宮の20年遷宮が象徴的。日本人て「1回クリアにして新しくする」というのが好きなような気がする。近年は立派な木材がなくなってきたから、い
ままでのものを使うこともあるけれど、心理的には新しくする。

B 日本の文化は、大事にするものと新しくするものをきちんと分けていた文化ですよね。何でも大事にして、いつまでもつぎはぎして暮らしていこうというのとも違うような気がする。

K 日本の場合は「捨てる文化」。
執着しない。みんな水に流すものね,
ヨーロッパに行くと、フィレンツェなんて13世 紀とか15世紀の建物に住んでいるんですよ。いまだに使っているわけじゃないですか。それは国というか風土の文化。                                                                              日本の場合は、島国で台風があったり地震があったり。芯にあるコアな部分の考え方がヨーロッパとは違うんだろうな。
日本人は新しいものが好きね。初鰹とか女房や昼とか。新しいものが好きで、古いものに執着しないから、あんなにスパスパ20年経った古い家を壊しちゃう。日本人のコアな部分がなんとかならないかなと思ったりするわけ。だけど 一方で、その執済のなさが戦後復興の原動力になって、結局は電化製品のオンパレードにつながっていったのだと思う,

B だから今、日本人の大反省のとき。時代認識をグローバルにする時がきた。

「早寝早起き」の暮らし方がいい。地球の裏側に合せて働く必要がある人って、どのくらいいるのだろう?

T 昔の人は、きれいなところ、明るい所に移り住んで、それが「暮らしの進化」だった。
明るいことは美しいし、気持ちよかったのね。だからどんどん電気もつけて明るくしたのよね。それがいつのまにかオーバーヒートしちゃった。

Z 全体的にそういういう風潮だったから、「ノー!」とはいえなかった。
今だって、消費を興癒状興奮状態にするために、コンビニも看板は消しても!店内は煌々
あの明るさって、購買意欲をそそるように計算されているのでしょ。

M 自販機も、電気がついているのとついてないのでは売上が違うのだとか。

K 知り合いの議員がヨーロッパに行って、「山の中に自販機があるのは日本だけだぞ。異常だ」とすごく怒っていた。「いつからこうなっちゃったんだ」って。

T 夜型生活の人間が出てきたからでしょうか。

K   夜型に合せることはない。24時間になったから、子供たちだって平気で夜中までファミレスにいるものね。

B 明るくできるから夜型になったのよ。

M 夜は10時になったら明りが消えちゃえば、帰りましょうとなるじゃない。

T 24時間営業のコンビニがなければ本当に困るのか考える時ですね。それも近所に並んでありますものね。

Z   今若い人はの本当に長時間労働になっているのね。深夜12時前に帰ったことがないとか朝5時までやって仮眠をとってまたやるって。
「なんでそんなに働かないといけないの?」というと、「お給料の中にその労働分が組み込まれていて残業じゃない」というの。

M   昔みたいに、お日様とともに働き始めて、暗くなると何もできないから、4時くらいに仕事を納めて、そのあとは休憩タイム。電気がないから、4時位には仕事を終わっていたらしいですものね。

Z グローバル化に対応しようと思ったら、24時間労働しないとだめなのね,

M  日常生活までグローバル化しなくていい。それに、地球の裏側時間に合せて起きていなきゃいけない人ってどの位いるのかしら?

「節電」ところか「節約」をしない暮らしだったと反省中。

T  今回、電気がなくなっちゃうと何もできない体験をしたけれど、電気は限りなく流れてくると思ってきたんだなぁと反省しました。
限りある資源を意識したり、電気の消費とエネルギー源の関係を考えるべきなのに、すっかり忘れていた気がします。

B パソコンやプリンターから放出される熱がすごいという話を聞きました。
電気の消費量もすごいらしい。
だから、私もパソコンを省エネでデスクトップ型からノートにかえて使ったりしている。それに、こまめに電源を切る。
日本人はむちゃくちゃ器用だから、パソコンやプリンターを省エネ型にと決めたら、オフィスものはすぐに進むのじゃないのかしら。

天気のいい日は夕暮れがいい。しばし薄暮の中はいかが?

T 電気が家の中を隅から隅まで明るくしたでしょ。日暮れ時の薄暗さがなくなった。
ちょっとでも暗くなるとすぐ電気をつける。自然の暗さだとか、闇だとか、暗さの気持ちよさというのはもう感じないのかしら?

B ツィッターを見ていると、「節電」をしたことで暗さの気持ちよさを感じたと、若い子たちが書いている。
部分照明のよさとか。「ランタンで暮らすことがこんなに気持ちよかったんだ」って。若い人たちもこの大震災はショックなのね。
前提としていたものが崩れたわけだから。オタクが生きて行けなくなったんでしょ。
オタクというのは、平坦で平凡な生活がずっとあるという前提の中で、非日常を楽しんでいたわけじゃないですか。
エバンゲリオンじないけど、革命を起こしたり天変地異が起きたりというのが現実に起きてしまったわけだから、もうオタクは出てこざるを得なくなった。
オタク文化が成り立たなくなるだろうと、いま言われてます。

T 「秋葉原電鯉街」という名前って、いますごく違和感がある。「電気館」とか威張った名前。電気に対するものすごい欲求があった時代の産物ですね。

Z いまは拒否反応がある。

B 家族で行きましたよね、昔。70年代に家族で秋葉原電気街に行った。エスカレーターを家族がみんなで上がっていく風景。電気は文明の象徴なんだよね。

「節約」には淋しい記憶もある。けれと、工夫の知恵も思い出せる。

T ところで、「節約」というと何しますか?

Z 「節約」というとケチとか、貧乏たらしいといわれる。それが嫌。
「賞味期限切れでも食べられる」と言いたいところを控えてきたけれど、今回のことから「そうじゃない、節約は美徳なんだよJと言うことにします。

B 仕事は相当厳しくなるし、洋服なんてたぶんそんなに買わなくなると思う。
私の生活はこれまで無駄もすごく多かったから、「節約」は簡単じゃないかと思うんです。
洋服を買わなければいいだけだよねとか、外にご飯を食べに行くのももっと安いところに行くか、回数を「減らす」ことかな。

K そうすると経済の流れが止まっちゃう。
私の場合は、「何気なく垂れ流していたものをきちっとする」ということかな。例えば、歯を磨いている間にお水を出し放しにしていたけれど、一応止める。「当たり前です、やってます」と言われると面目ないんだけれど。
ゴミやなんかも1週間に1回にするとか。日常的にやっていたことを意識化してやっていくことが「節約」につながると思っています。

M 新しいものを作らなくても使えるものは、何とかしたいと思う。それ大きな意味で「節約」。

Z  部品がありませんとよくいわれるじゃない。「10年経ったから部品がない」といわないで、もう少し長く、なおすとか修理できるとか、家電メーカーも考えてほしいな。
使い捨て商品がでたら、長く使うものまですぐ「買い替えた方が・・」というのはおかしいわ。「修理して長く使う」をセールスポイントにできない?

K  「電気の節約」も時代が変わって、ITがいろいろ出てきて、購買世代も交代した。日本がやってきたことを、ここで振り返ってみましょうよというところでしょうか。

Z ひと昔前の「魔女の宅急便」のような人力のエネルギーとかそういう末米都市だったらいい。
メガソーラーも嫌なの。もっと小さくてささやかな暮らしがいいなぁ。

B 「今日は天気がよかったから電気が貯まりました」、そういうのいいよね

M 「今日は発電が太陽でできました」「明日は曇りだからいろんなことはやめよう」とかね。まだ電気の恩恵を受けていない国の人たち、未来の人達の分を、私達これだけ無駄使いしちゃっているわけだからね。                                                     でもね、コンビニ弁当をやめようと思っても、お弁当は手作りで作っていないし、いまやトマトなんて1年中作っているし。
野菜ひとつにしても電力使ってのハウス栽培に頼っているわけだけれど、それがあろから自然に作るということをやめているってことないのかな。
少しでも元に戻せることがあるといいです。

T 朝の清々しさとか、夜の闇がよいとか、思い出す暮らし。
季節が巡ってきた喜びとか、それで得られた恵みを分け合う暮らしとか・・
ロマンチックな贅沢なのかな。                                                                     電気だって、新製品だって、幸せになりたい体に楽をさせたい、と思っていろんなものを作り出してきたのよね。
年をとって足が弱くなるからユレベーターやエスカレーターのほうがいいとか、電気のお世話になることが出てきています。

Z 今、駅でエスカレーターが止まっているでしょう。エレベーターは車椅子の人のために動いているけど。
私、リューマチだからその日によって足がつらいときがあるんですよだから、エスカレーターは動かしてほしい。

K 私も心臓の病気があるんです。たから階段はつらい。エスカレーターは止めてほしくない。

自分のことは自分でと言われ「ひとりに1つ準備した生活」はおしまい。

T 私達の年代は、なければないで何とかする。階段で大きな荷物持っていたら、そばにいる若い人に「持って上がって下さい」つて頼めばし\し・ヽ。
ごれまではなんでも「日分のことは自分で始末しなさい」という時代だったのね。
老人は黙ってエスカレーターってわけ。

M 少し話は違うけれど、耕運機だって、1年に1回しか使わないのに、それぞれの農家が農協からすごい借金をして買ったみんなで使えばいいのに、各自が何千万と借金して買うのよね。

T 地方では、車もひとり一台の時代。

B 車を持っていないとどこにも行けないもの。

T と言うけれど、これからみんな年をとると、運転ができなくなるから、そういう人向けに支え合う気持ちとかシステムが必要になると思います。町の医者にいけなくなったお年寄りとか、買い物難民とか出てきているからね。

最近「シェア」というシステムがすごく出てきている。車もみんなで病院に行きましょうとか、ここでみんなでご飯を食べませんかとか。自分のものを独占するのではなくて、なるべく人と共有しようという人がかっこいい時代になってくるんだと思う。

Z 夫と―人きりになったら、お風呂を沸かすのももったいないから、毎日ジムに行ってそこで済ませてくるようになっちゃった。

K そういう人って多いらしい。ジムには「お風呂会員」がかなりいるらしい。

M 今度の節電でジムが閉っているじゃないですか。そうするとお風呂に入れないお年寄りが増えているんですって。

T 共有でできる方法を考えたほうがいいわね。楽しい共有。私達も年とるし。                                                 ところで駅前スーパーも、24時間営業ではなくて「終電が終わったら閉りますよ」とやれば、生活が変わる気がする。

M 計画停電のとき:こ、1日の売上を3時間で売ったと言ってましたよ

T ずるずるとだらしなく広がってしまったものをもう一度仕切り直すといい,

Z 「政令」みたいに出してくれてもいいよね。24時間はやめると。

M ドイツでは「レストラン以外は日曜日は営業してはいけません」というのが政令で決まっているみたい。

B ドイツって、どうしてそれで成り立つの?どうして、ドイツは簡素で暮らせるのか。同じように敗戦国なのに。

K ヨーロッパはどこも同じ。ドイツばかりじゃない。フランスだってイギリスだって日曜日はお休み。

T それは神様が決めた安息日だからかな。日本は「安息日」がないものね。

「日本の自然力と太陽光発電で暮らす」を考え、節電生活へ。

ところで「原発を除くと、電気の発電品はこれだけです。この量でできる生活って?」と投げかけてみてもいい。足りない分は、それぞれ太陽光発電するか
節電する。

B 火力発電、水力発電、風力発電の他にも、地熱も太陽光発電もある。それが原発派に負けた歴史がある。
でもそれは、消費者と一緒に考えたのでなく儲かるビジネスとして進めた結果なのね。                                             太陽光発電では、2007年までシャープが世界1位だったんでしょう。それが抜かれちゃったのですものね。                                 それと日本はすごい地熱がある。火山があるからね。

Z メタンとかプロパンガスの他、家畜の糞尿でも水素を含んでいるものは全部エネルギーになるわけで・・。

M やっている人、いたんですよ。沖縄で自分の糞尿でエネルギーを作っている。微々たるものだけど、姿勢ですよ、姿勢。
けっこう土地がいるし大変なんですが、その心意気に感激しました。とりあえず太陽光で各家が屋根いっぱいやれば、お日様さえ出ていれば、冷暖房の機械がひとつと照明と冷蔵庫はOKですよ。 それだけやれば、たまたま電気が来なくてもキャンドルつけて過ごせるでしょう。

B 屋根に草を植えて断熱したり。太陽光を昼間とり込んで、夜は断熟するとか。地熱も夜貯めておいて使うとか。
けっこう草屋根もやっていまじたねそれこそ福島に見に行ったことがある。断熱効果がありますよね。                                           いままでは、「こちらのほうが安いから」とか、「新しい製品を買い替えたほうが安いから」とか言っていましたが、これからは、「もっとお金がかかっても、これにする」という姿勢がないとね。

T 私たちの年代だからこその方法が探れた気がします。 ありがとうございました。

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