50カラット会議

17号 健脳・賢脳は、ワクワクドキドキから

2001年10月 発行所 「50カラット会議」

50カラット会議レポート 

17号

 

健脳・賢脳は、ワクワクドキドキから

 

物忘れはするし、集中力も低下気味、何もかも分った気がしたり、見知らぬ人に会うのが面倒になったりという話が、出てくるようになりました。そこで、専門家として活躍している方々を対象に、アンケートをお願いしたところ、68名の方から回答をいただき、「健脳に大いに関心がある」 60%、「健脳の話題を気に留めている」30%という結果がでました。

デザイナー・塩沢圭子さん、イラストレーター)川村みづえさん、美容研究家小林照子さん、心理学者・大野美都子さん、イベントプロデューサー・佐藤千恵子さんたちのブレインストーミングでも、ボケヘの不安はさておいて、毎日の脳を元気にすることに、話題が集中。
「恋する人って肌はキレイ、頭はフル回転。自分にワクワク、誰かにドキドキが大事なのね」の発言に、一同納得する場面もありました。

 

蛇の道はヘビに聞くシリーズ⑮

 

目次

1. 脳にも“くすみ、たるみ"が出始のました。
2. 元気な脳ほ、感動が大好きです。感動はやっぱり人間からもらいたい。
3. 元気な脳ほ、好奇心がいっぱい。
4. より積極的に、脳の健康を考える人の食生活
5. ポケない暮らし方、模索中です。

 

1. 脳にも“くすみ、たるみ’’が出始めました。

 脳が怠けていませんか?

脳も鍛えないと錆びるはず。物忘れも出不精傾向も「トシ」のせいにしていると脳は怠ける一方。感度が悪い生活は容姿にも出てドキッ!

チェック①
固有名詞抜きの会話が増えていませんか?記憶力低下を理由にあきらめた学習はありませんか?
チェック②
自分にかまわなくなっていませんか?姿勢、体形、肌や手足のお手入れ、服装、お化粧・・
チェック⓷
人との交流の場に行くのを面倒だと感じませんか?目新しいことがあるわけないしと、友人との約束をパスしていませんか?

まだまだボケてはいないけれど…

「友達とオシャベリしていて、映画俳優の名前が出ず」にイライラ。
「人の名前を間違えて呼んでしまって」あ~あ。
「『あれ』『これ』『それ』と、固有名詞抜きの会話に気付いて」がく然。
時に、渡された書類を「受け取ってない」と言い張る場面まであったりして・・・この頃、つくづく、物忘れがひどくなったと感じています。
また、好奇心は枯れていないのに、体が疲れてくると、すぐに頭が働かなくな
って、気力が減退してしまいます。
外出するのが億劫になって、お誘いもパス自分で、自分の世界を狭めてしまうこともあるそうです。
まさか、ポケが始まったとまでは思いませんが、体の衰えと同時に、脳の老化も実感します。
年をとったからこそ、磨かれる感受性もあるけれど、ここは努力で、まだまだはつらっとした“賢脳生活”を送りたい50代です。

みんなの声 ~気持ちや暮らし方の老化、始まっていませんか~

◆ 50代ほまさに“心身一体”
体が落ち込むと、気持ちも沈んで、「ここぞ!」という時の集中カ・気力もダウン。
「もう一歩踏み込まなきゃいけないのに、『まあこれでいいか』と、諦めてしまうことが増えました」と言います。
「今まで出来ていたことが、出来なくなったしまった」と言う人や、「仕事量は若い時と同じでも、オーバーワークになってしまう」と言う人もいます。
体がくたびれると、遊びの誘いにも、なんとなくのれません。
「どうせいつもの人との、いつもの話題」と思うと、つい面側になって、「今回はパスして寝ちゃおう」「家でゆっくりお風呂に入ってた方がいい」など、気持ちも、ラクな方を選択しがち。体力が落ちると、生活も、どんどん消極的になってしまうのです。
「決して、好奇心がなくなったわけではないのだけれど…」。つくづく、50代は“心身一体”を実感するそうです。
「50年以上使ってきた体が、いつまでも同じわけがないのだから、仕方ないじゃない」と明るく割り切りつつ、上手に、心と体をコントロールする方法を模索しています。

◆脳には剌激が大事
同窓会に出席すると、同じ年齢なのに、外見も考え方も老け込んでしまう人と、若々
しい人との差が、歴然とあるのに気付くと言います。その差の原因は、脳の活性度にあるのでは?と推測されました。
ある人は、「何を見ても聞いても、『ああ、こういうこともあるのね』『当たり前』と驚きや感動のない暮らしをしていると、脳はドロ~ンとして、早く衰えてしまうのではないでしょうか」と指摘します。
生きることに必死な貧しい国に行くと、毎日が、食べるための闘いという緊張感でいっぱいだから、人々の目の輝きが、全然違うとのことです。
人の名前や固有名詞をど忘れしたまま、「そうそう、あれあれ」で話が通じる仲問とばかり一緒にいるのも、老化への序章?脳の活性化には、「常にハッとする新鮮な刺激を受ける場所に、身を置くことが大事」と、皆さん口を揃えます。

◆失うものばかりではありません
記憶力が衰えた代わりに、感受性が磨かれてきたと感じている人もいます。
これまで、脳に蓄積してきた情報がたくさんあるから、年をとるほどに問題処理能力は高くなるというデータもあるそうです。また、「脳細胞の数は年とともに減少する」が定説だったのが、昨年、「脳細胞は増え続ける」という新たな研究結果が出て、すっかり嬉しくなって安心したと言う人もいます。ただし、その場合、あくまでも脳を使い続けるのが前提だそうです。

 

2.元気な脳は、感動が大好きです。

感動は、やっぱり人間からもらいたい

①いつも一緒の人に 感動して暮らしたい
長いつき合いの相棒や友人同士には、小さな努力やささいな変化にも、ほめるほめられて、新鮮に。

②刺激しあえる人に出会い続けたい
励みになる人と出会うのは嬉しい。仕事で、若い年代の才能や行動力から活力をもらうことがある。

⓷憧れたり、惚れ惚れするのは楽しい。
映画やドラマの俳優やアイドルのかっこよさに、ステキなんて言ってる。真似して少し不良する楽しみも。

 「自分にかまう」が第一歩。

「ボケが始まって、ぼんやりしているようなお年寄りでも、顔のマッサージをしてお化粧してあげると、脳が覚醒して、積極的に人とコミュニケーションするようになるんです」とのことです。
つまり、身だしなみや外見など、常に“自分にかまう"のが、元気な脳を作る秘訣。
今回の出席者も、皆さん、「仕事仲間には、『えっ、こんなオバサンと一緒にやるの?』などと言われないようにしたいから、自分をキレイに保つ努力はしてますよ」という方ばかりです。
体重が増えないように気をつける、重力に従ってだんだん下がってくる体型をコントロールする、たっぷりの睡眠を心がけるなど、それぞれ、気持ちいい自分を作る工夫をしています。
「八百屋のおじさんにお世辞言われただけでも、一日楽しいんだから」といつも、人から誉められる自分でいたいと考えています。

みんなの声 ~心がときめくと、脳もドッキン~

◆「若さ」だけが価値じゃない
「96歳の母は、今もネックレスをしたりして、オシャレを楽しんでいます」との話が出ました。それは、老いを受け入れながらも、イキイキと生きる人の智恵だと言います。50代女性は、「もうトシだから、自然でいいの」という放置派と、きちんとお手入れする派とに、二極分化する傾向があるそうです。
放ったらかしは、感心しないけれど、お手入れする派でも、若さだけを良しとすると、厚化粧に走りがちなので、要注意。ファッションに関しては、「ゴム入りスカートでゴロンとしながら、お煎餅かじるなんて、とんでもない」が、共通の意見。
人に見られる意識も、キレイを作り、保つコツ。人に誉められるように頑張るのも、活力です。

◆感動する心が大事
キレイは、外見を作ることだけで、生まれるものではありません。
化粧品の広告を見て、「どんなものかな」と好奇心を持つだけでも、脳はイキイキ。脳が刺激されれば、肌の色もキレイになるし、目もピカピカ輝いてくるのが実感できるそうです。
好奇心旺盛な人になるのは、案外簡単です。
ニューヨークのセントラルパークで見たハチドリは、あんなに小さいのにちゃんと生きているのよね!なんてキレイな色なんでしょう!で感激。
どんなささいなことでも、「いいなあ」と思う心があれば、いいのだそうです。

◆ドキドキ、ステキ!がエネルギー
人からもらう感動にも、敏感になりました。
特に、若い男の子からもらうエネルギーには、嬉しくて楽しくてワクワク。
お気に入りのアイドル歌手や、ハンサムな映画スターに夢中になって、CDを聴いたり、ビデオを見たり。「好きだと思うから、難しい外国名だって、ちゃんと覚える。今度会いに行こうかしらと元気も出る」のだそうです。こういうの、「ミーハーなオバサンかしら」と、遠慮する人もいるかもしれません。でも、余計な分別を捨てて、‘’ミーハーであることを恐れなくなった自分”を楽しんじゃうのがいいのです。
憧れる気持ちは、プラトニックな恋愛にも似ているかもしれません。
美容研究家は、肌を見ただけで、「あなた恋してるでしょ」と当ててしまうそうです。
「目がパーツと開いて、肌もピンクに輝いてキレイになっちゃうから」。それほど、ドキドキ、ステキ!のエネルギーは、活力になってくれるのです。
「そういえば、うちの夫も、若い外国人の女の子がホームステイした時は、俄然、張りきって若返っちゃいましたよ。洋服だって、ちゃんとコーディネートして着たりして」とときめき効果を聞かせてくれた人もいました。

3.元気な脳は、好奇心がいっぱい

好奇心はどうやって?

①自分の能力を楽しみたい もっと広く、もっと深く
絵を描く、うたを歌うコンピューターに挑戦する、自分の年代の感性を生かして、中高年をテーマにした仕事にも取り組む。

②これまでの友人たちが新しい友人を広めてくれる
集まり、お出かけのお誘いは断らない。特に若い人との交流の場は逃さない。面白みの減った食卓には、友人づれの友人を誘う。

⓷新しいスタイルでの暮らしを取り入れます
インテリア、家具の配置換えは頻繁。引っ越しマニアは気分転換に家移り。設計家に出会って、建てかえのきっかけにした人も。

➡好奇心が生まれ育つのはやっぱり仕事場
仕事場は廊下を許してくれないから刺激的。夫はやすらぎの相棒だから刺激をもらう対象にはならない

いつも、「こんなの初めて!」でいだい

働く50代は、いやでも、周囲からの刺激を受ける立場にいます。
取引先にあわせて、新しい分野の勉強もしなければならないし、時代は常に変化するから、何年同じ仕事をしていても、いまだに、「こんなの初めて!」の課題に 直面すると言います。50代になってから、3年かかって、パソコンを死にものぐるいでマスターしたと言う人もいます。
イラストレーターの人は、描く人物に着せるファッション、ヘアスタイル、サングラス
などの小物一つにも、時代性を考え、気を配っています。次々と突きつけられる責任や緊張感は、苦しみでもあるけれど、楽しみでもあるのだそうです。
仕事を続けるうちに、どんどん、脳が活性化されてきた人たちです。また、思いがけない人との出会いは、新しい好奇心を育てて、智恵がついたり、視野がひろがったり、思い込みや囚われていた考え方から解放したりと、50代からの楽しみを、広げているようです。

みんなの声 ~やっぱり、人間が面白い~

◆仕事はニヤニヤするほど楽しい
「仕事が一番好きだし、楽しい」と言う皆さんです。
責任があるから、雨が降っても槍が降っても、休めない。けれど、忙しければ忙しいほど、苦しければ苦しいほど、やり終えた時の達成感は、格別だそうです。
「考えること自体が好き」「細々したことをやりながらも、ニャニャしちゃうほど嬉しい」など、仕事そのものが、楽しいと感じている人もいます。
社会に少しは貢献しているかなと思えることも、仕事をする喜び。仕事を通じて、知らない間に、脳が元気になっています。

◆スパイラル状に広がる人の輪
「音楽会に行きましょう」「おいしいものを食べに行かない?」などと、誘われたら、
なるべく、出かけて行くようにしています。
いつも同じ環境の同じ相手では、世界が広がらないから、会うなら、やっぱり新しい相手がいいそうです。
夫の仲間や、後輩の奥さんなど、年齢も立場も違う人との出会いを、どんどん重ねるうちに、スパイラル状に、人の輪が拡がっていくと言います。
好奇心さえ失わなければ、「年をとると友達が減って、だんだん寂しくなるわね」などという言葉とは無縁のようですね。以前は、しょっちゅう会っていた友人と、年に1度しか会わなくなったり、逆に、あまり会わなかった人と頻繁に連絡をとるようになったりなど、人間関係の地図が変わっていくのも、50代だそうです。

◆ライバル意識で成長する
学生時代からの長いつきあいの友人とは、「私はこんな仕事をしたの」と見せれば「私のも見て」という具合。お互いに、いい意味でのライバル意識で、刺激し合い、成長しています。「あの人、キレイになってどうしたのかしら」等と、内心悔しいと思いながらも、自分にいい刺激になっていると言います。

◆人生をも変わる出会い
新しい人との出会いで、「人生が変わっちゃいました」と言う人もいました。
若い女性建築家とたまたま出会ったことで、気に入っていた家を建て替えてしまったのだそうです。建築家もその夫も、アナーキーなセンスを持つ芸術家。今まで自分の周りにはいなかった、全く新しいタイプの“不良”なのだとか。
家だけでなく、古い家具も全部捨てて、モダンな家具に入れ換え。暮らし方を変えたついでに、夫と共に、生き方も変えようと決意したというのだから面白いお話です。「一人の人に出会ったために、考えもしなかった人生を歩んでいる。それが楽しくてたまらないんですよ」とニコニコ顔です。

4.より積極的に、脳の健康を考える人の食生活

 食生活、「頭にいい」「ボケずに長生き」を心がけることも必要だと思う。

① 脳を老化させない
大先輩たちには「よく噛む食事」という健脳法があったらしい。「体を使う、働く、人のために動く」ことも先人の教え
② 脳に栄養を与える
朝一番の糖分、果物。朝ご飯をしっかり食べること。昔、「頭にいいから」と親から出されたのはぬかみそ漬け、納豆。
⓷脳に効く!情報
DHA、EPA,大豆レシチン、イチョウ葉エキス、卵黄コリン他。いずれもこう認知率です。

脳の健康は、バランスのいい体から。

脳の老化を意識し始めたものの、まだまだ「もし自分がボケたら……」などと
想像するまでにはいたらない50代です。。
食生活も、例えば、「丈夫な骨を作るために、ゴマや牛乳をよくとるようにしています」と言う人はいても、脳に良い食べ物となると、特に、意識はしていないようです。
「子どもには、頭が良くなるからと、DHAを、バンバン飲ませていた時期もあり
ましたが」と、振り返る人はありましたが、大事なのは、脳だけではなく体全体が健康であることと考えています。
心がけているのは、「栄養が偏らないように、いろいろな種類の食品を、バランス
良く食べることくらいでしょうか」という意見が、大多数でした。
体が疲れて、気力がダウンしたと実感するようになってからは、スポーツや気功、カイロプラクティックなどで、体の調整を心がけるようになった人もいます。
自分の好奇心が萎えてしまう、感動に結びつく行動に消極的になってしまうのも体調や体力次第と考えると、やっぱり、脳は、健康な体と一体です。

元気な体と元気な脳をめざして。

□とはいえ、健脳食にほまだピンと来ません
仕事で、健康食品を扱ったことがある人は、サプリメントの知識も豊富。自分自身、若い頃から、あれこれ試してきたそうです。健脳のためには、DHAやEPAのサブリメントが良いのだそうです。あとは、イチョウの葉や大豆レシチン、ビタミンB12等が、脳の老化防止に効果的だと言います。しかし、話には聞いていても、試し、習慣にしている人の数は、まだまだです。

□体を浄化して、ボケ防止
90の母親は、玄米と大豆食品、野菜ジュースで、元気で長生きしていると教えてくれた人がいます。そうした食事は、体の内部を、浄化してくれるものと考えられています。
50代は、防腐剤いっぱいの食品と、汚染された空気と水で育ちました。
だからこそ、母親世代が実践した体を浄化する食生活が、自分たちにも必要という意見もありました。一方で、「そんな悪い環境で育ったんだから、私たちは80オ90オまでは生きられないかもしれない。ポケの心配もなく、早く死んじゃったりして」という声も。
脳の老化についての様々な学説も、「年齢とともに脳細胞は減少する」から「減少しない」に変わり、まだ揺れ動いて定着していません。脳の健康は、未開拓な分野のようです。

□朝一番の糖分は、脳の栄養
脳の健康が気になるのは、朝起きた時です。
「糖分をとると、脳が活発になるらしい」の情報で、朝起きた時、果物で糖分をとるのを習慣にしている人もいました。朝から仕事のミーティングがある時は、甘いものを食べて、脳を目覚めさせるという人もいます。

□快食・快眠・快便が基本
元気な体を作るには、快食・快眠・快便が基本との認識を持っています。
呼吸法を取り入れて、体のリズムを整えるという人、疲れた時は、まず睡眠が第一という人、みなそれぞれ、気持ちいい体が頭もスッキリさせる実感があります。

□元気な体で脳を支えたい
“心身一体”を自覚して、意識的に体のコンディション作りをしている人もいます。
気功をやっている人は、体を動かす爽快感と、“禅’の世界のように、頭の中を空白にできる心地よさの両方があると言います。
週に一度やるだけで、疲れがとれるし、やらないと、翌日からヘ卜ヘ卜になってしまうのだそうです。刺激と休養は、不可分な関係のようです。

5.ボケない暮らし方、模索中です。

ボケない暮らし方

① ボケヘの不安あります
ボケた自分の姿が不安。子供返りして、意地悪な本性出したりして!
人生の終わりは、自分で決めたいのに・・

② 原因が分らないから対策も立てられない!
頭を使うとボケないと言うけれど、大学教授だって ボケた人はいる。
体動かす方がいいのかな。

⓷両親をみてボケてないとまずは安心する
自立した生活をすることが大事という。物忘れしても自分で思い出す努力をするのが必要なんですって。

ボケない自信があるわけじゃない。ボケないように暮らそうとは思うが、長寿時代の大問題に暗漏たる気持ち。

あの人が、まさか…になりたくない。

もうすぐボケが始まっちゃうというほどの緊迫感はないけれど、「自分は絶対ボケない」という自信もない50代です。何より不安なのは、原因が分からないから、対策も立てられないということ。ひそかに、「自分は、仕事で脳をフル回転させてきたから、もしかしたら大丈夫かな」と思いたいところですが、自分より脳を使っていそうな大学教授が…••などという話を聞けば、すっかり自信喪失。
周囲で、「えっ、あの人が!?まさか」の話が出れば、大ショックです。
「ボケる前に死にたいわ~」などという言葉も飛び出して、喧々ごうごう。
「なったら、その時」とあきらめの気持ちも強いけれど、主体性や自尊心が尊重される介護の仕組みや、社会の基盤を、今のうちに作っておけたらいいとの思いもあります。

元気な脳への思いは、切実です。

□ボケたらどうなる?
家族や周囲の人が、その人のボケ症状に気がついたのは、仲良くしていた友人が、自分の財布を盗ったと言い張った時だった。そんな話を、聞いたことがあります。ボケ方はそれぞれで、そんなふうに疑り深くなる人、ただニコニコする人、意地悪になる人・・・いろいろのようです。
そこで、皆さん気になるのは、「ボケた自分はどうなるか」なのだとか。「子ども返りして、今まで隠れていた本性が出たら、イヤですねえ」「どうせボケるなら、キレイに可愛くポケたいですね」とは、全くの希望的観測ですが。

□脳をラクさせ過ぎた?
頭に眼鏡を乗せたまま、「ない、ない」と大騒ぎするなど、我ながら、最近の物忘れのひどさにはあきれてしまうと言います。
物忘れとボケとは違うと分かっていても、やはり、脳の働きぶりが気になります。
携帯電話を使うようになってからは、電話番号を記憶することもなくなったし、パソコンを使い始めて、漢字もすっかり忘れてしまいました。便利な暮らしに、脳をラクさせ過ぎたのでしょうか。ボケは、原因がハッキリしていないから、自分だけは大丈夫という自信もありません。「ボケたらボケたで、しょうがない」と言う人もいます。しかし、人生最後まで、イキイキと楽しみたい50代です。ただ手をこまねいているのではなく、ボケないための暮らし方を模索したいと考えています。

□自分の力で物忘れ克服!
介護の現状を見ていると、お年寄り自身の自立を促す介護が必要と感じるそうです。
気が利く家族が、「あれでしょ、これでしょ」と、何でも先回りしてやってあげると、気持ちも体も、どんどん弱ってしまうのだとか。
「自分はまだまだ枯れてない、ボケてない」の意識で、出された手をパッと払って「私は、そんな年じゃない」と言うような人の方が、結果的に、長生きするのだそう。 50代だって、自立の心がけは必要です。
「あれ、あれ、どこだったかな?」となった時に、若いスタッフが、「これですね」とすぐに差し出してくれるような環境には、決して甘んじないことですよ。

□人生の終わりは自分で決めたい
「今日は死ぬ日だ」と自分で決めて横たわり、そのまま静かに息を引き取るという、 アメリカのネイティブ・インディアンの話を聞いたことがある人は、「そんな死に方ができたらいいなと思います」と言います。最後まで、自分の人生を意識的に生きるためには、やっぱり、脳にはいつまでも元気でいて欲しいもの。考え、工夫し、行動する、活力あふれる暮らし方で、これからも、元気な脳をクリエイトしていきたいですね。

 

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